2018/05/21 のログ
ご案内:「セレネルの海 岬の岩場」にボブさんが現れました。
■ボブ > (太陽が南の空からやや西の方へと動いた頃合いに釣竿と木桶を持ってやってきた褐色肌の男。
座るのにちょうど良い高さの岩を見つければその岩の上に尻を乗せるように座っていけば
釣竿を振り、釣り針を海中へと落としていけばじっくりと待ちの体勢を見せていって)
「さぁ~~て、今日は釣れるかな? まぁ、釣れなくてもここから見える夕日は綺麗だから
それを見て帰るって目的を変えてもいい訳だしな……ボウズでもそういった言い訳が立つっていうのはいい事だ」
(釣竿を手に持ちながら、本日の釣果はどうなるか…という独り言を漏らし、
釣果ゼロでも胸を張って帰ろうと自分自身に言い聞かせる言い訳も立ち上げた上で、海に浮かぶ浮きを眺めていて)
ご案内:「セレネルの海 岬の岩場」に紅月/コウゲツさんが現れました。
■紅月/コウゲツ > 釣糸を垂らす男の、岬の、ずっと先。
……ぱしゃっ、ぱしゃん…
大きな影が水中に、1つ2つ、2つ3つ…
その影はおおよそ人間くらい…真っ直ぐ岩場の方へ、常識はずれの速さで近付いてくる。
…………ぱしゃん!!
男の視認できる範囲、わりと近くでそれは宙を舞った。
エメラルドグリーンの鱗、美しい尾ヒレ、しなやかで澄んだ白さの肌…そして、やけに整った女性の顔。
…それは、いわゆる人魚というモノだった。
くるりと宙返り、とぷん…
海に返ったそれは再び浮上する。
そして、金の髪をかきあげながら、悲しげな瞳で男をじっと見詰めてこう言うのだ。
『助けて』
と…
…ざぱ、ざぱん……
後から続いてもう2人、海中から人魚が顔を出す。
その2人は、何やら民族衣装を着て尖り長耳の、頭から角を生やした紅髪の生き物を…岩場に引っ掛けて陸に上げようとしている。
『陸の友達が息をしないの』
『助けたいのに、助け方がわからないの』
必死に言い募る人魚達…紅い角を持つ生き物は、ぐったりとしている。
…調べれば、水を飲んで呼吸が止まっている事と、帯が肋骨部を圧迫して呼吸を妨げている事がわかるだろう。
■ボブ > (魚の住処であるはずの岩場で釣り糸を下げていた男だったが、なぜか魚が食いつく事がなく、
しばし波が岩に打ちつける音だけが男の耳に届いているだけだったが、
男の視界の先、沖合いの方から波飛沫を上げて男がいる岩場に近付く影があるのを見やっていけば)
「ん…? 大物の魚がうろついているからここに棲んでる魚が逃げ散ってんのか?」
(岩場に尋常じゃない速度で近付いてくる魚影(?)を見てとり、そんな独り言を漏らした男だったが、
その魚影はただの魚なんかでなく、あまり陸に近づく事がないと噂されている人魚であって……)
「ほへぇ?……こいつは綺麗な夕日なんかよりずっと凄いものが見れたな」
(海中から飛び上がり、宙返りをしていく人魚の姿を見、呆気に取られたような言葉を漏らしていくが、
その宙返りした人魚の口から『助けて』と言葉が発せられるのを聞き、
更にはその後に現れた2人の人魚に抱き支えられた頭から角を生やした人物が岩場へと引き上げられていくのを見れば
男は釣竿を手放し、引き上げられた人物の元へと近付いていく)
「大丈夫かっ!! ちっ、反応がねぇ……」
(引き上げられた人物の傍で片膝を突き、顔を人物の顔へと寄せ、声を掛けていくが応答がないのに対し軽く毒づいていけば
どう見ても胸骨や腹辺りを締め付けるような形状をした変わった着衣が呼吸を邪魔していると察していけば、
男は一切の躊躇なく、その人物の着衣の胸元を緩め、更には腰を覆うように出来ているやや厚手の巻き布…帯を緩めていけば、
意識がない人物の顎を持ち、口を開かせていけば浅く2度・3度と呼吸を人物の口の中へと吐いて送り込み、
左胸の上に手のひらを乗せ、圧迫するように押し上げていき)
「おい、起きろっ! お前の友達が心配してんぞっ! 友達を悲しませんなっ! 泣かせんなっ!起きろっ!!」
(胸の上を押し上げながら、意識のない人物に目覚めろっと発破を掛け、胸への圧迫の後、
口の中への空気の送り込みをしあげ、3人の人魚が見ている前での必死の人命救助を続けていく男)
■紅月/コウゲツ > 「……、…ぅ、ぐっ…ごほっ!げほっ!!
………っ、ぁ……………ボ、ブ……?」
盛大に噎せた後…身じろいで身体を丸め、必死に水を吐き出す民族衣装の女。
まだ虚ろな紫の瞳を揺らす女は、蚊の鳴くような声で何事かを呟く…波音と海鳥の声で掻き消されてもおかしくない其れは、その名の持ち主である当人のみが、運が良ければギリギリに聞き取れるかもしれない。
「……ぅ………此処、は…」
その後もしばし噎せた女は、ようやっと頭が動き始めたのか…そう、訊ねた。
…洞察力の高い男には、その姿はどう映るだろうか。
その女の紅の髪…その移ろう色彩は独特で少々人間離れしているが、何処か見覚えがあるかもしれない。
また、女の背負った長刀や鉄扇…知り合いの所持品にそっくり、である。
どこまで気付けるかは、全て男の技量次第…
■ボブ > (胸への圧迫、口への空気送りを諦める事無く続けていけば、岩場の上で横たわっていた女性の身体がピクリと動き、
その様子を確かめようとした男が女性の口へと押し当てていた口を離していけば、
女性の口から嗚咽と共に飲んだ水が吐き出され、何とか助けられたと一安堵していく男だったが、
女性の嗚咽に混じり、男の名が呼ばれたような気がした)
「はあぁぁぁ~~~、危機一髪、ギリギリってところか。
……ん? 呼ばれたような…気のせいか?」
(名前を呼ばれたような気がしたが、目の前にいる女性はさすがに記憶は無かった
……ただ解いた帯から零れ落ちている鉄扇…そして特徴的な髪色には覚えがあって)
「ここはセレネルの海だ。 あんたの友達たちがあんたの事を助けてくれって必死に頼み込んできたんだ。
後でちゃんと礼は言っておくんだな。
……それでまぁ…色々記憶が混乱してるかもしれないが、それを確かめる為に一つ質問させてくれ。
あんた、アカツキっていう男が近親者とかに居たりしないか?」
(髪色はあの男とほぼ変わらないように見えるし、更には持ち物の鉄扇もほぼ同一の物と見ていいだろう。
そう考えればあの男の姉か妹……もしかしたら若く見えるけど母親という事すらありえるかもしれないと思い、
意識がちゃんと覚醒しているのかを確かめると共に、男の疑問を解消する為に質問を問いかけていった)
■紅月/コウゲツ > 身体が怠い…
ひとまず、顔に貼り付いて不快な髪を退ける。
「…せ、れ…ねる……とも、だ、ち…
………あかつ、き…紅月…?
…紅月は、わた、し…私、の………っ、角、が…!?」
手に触れる角の艶やかな感触にハッとする…今、人間が居るのに、角を。
早く、早く起き上がらないと…心は焦れど体は動かず、上手く起き上がれない。
というか、胸…が……!
…ひとまず人間が自分に害意を持つか、様子だけでもきちんと見なくては。
「……、…っ!っ、ごめ、なさ……っ!?
助けて、頂、き…ありがと、ございます…」
どうにか必死に相手の顔を見れば、よく見知った顔。
どう言うことだ、何故…驚くも、ひとまずは礼を言って。
どう、しよう…兄妹だと言えばアカツキが化物だとバレる、違うと言えば……武器はごまかしが効かない。
…海水に混じり冷や汗が、流れた。
■ボブ > (女性が着ている着衣や鉄扇が気に掛かる男の口から問われた質問に途切れ途切れの言葉で答え始めた彼女。
しかし顔見知りの男に関しての答えの段になりかけるとハッとしたような表情を浮かべ、言葉を止めていくのを見て)
「ん?とりあえずアカツキの知り合いみたいだな。
あいつにはカリがあるからそのカリをこれで少し返せたかな」
(おそらくだが目の前の女性と顔見知りの男はなんらかの関係にはあると踏んだ男はニカッと明るい笑顔を見せ、
改めて女性を観察するように眺めていけば……先ほどは人命救助で頭が一杯で肌蹴けさせた着衣の中から
なかなかの美巨乳が零れ落ちそうなギリギリな状態を保っているのを見て、鼻の下が伸びかけるが…)
「おっと、こいつは失礼。 人命優先とはいえ、野外でこのありさまはねぇよな」
(男の目には女性の角ももちろん入っているが、まずは隠さなければいけない豊かな膨らみを隠すために
男は女性の着衣の前を合わせて、胸を隠させていく。
目の前の男は横たわる女性に対しても、周りにいる人魚達に対してもごくごく当たり前のような対応を続けていて)
「いやいや、俺が礼を言った方がいいと言ったのはそこで今にも泣き出しそうなくらいに
心配していた人魚のお友達の方で、俺への礼はそんなにいらねぇって」
(男は横たわっていた女性の背中に腕を差し伸べ、女性の上体を起こさせていけば、女性の視界に人魚達が見えるようにしていって)
■紅月/コウゲツ > 『よかった』『心配したわ』
『貴女、水の加護がほとんど無いんだから無理しちゃ駄目よ?』
『ホントホント』『髪飾りも壊されてたし』
すっかり安心したのか、人魚たちはやいのやいの言っている。
変に気を張り始めた紅月は今一状況が掴みきれておらず大層混乱して、とりあえず男が閉めてくれた胸元をぎゅっと掴む。
「え、あ……ごめ、ん…?
………えぇと、ありがとう…皆……」
『どういたしまして!』『また来てね?』『紅、その人間、大丈夫よ?じゃあね』
…人魚たちはキャッキャと笑い合いながら海の中へ帰ってゆく。
大丈夫…そうか、大丈夫……なのか…君達から見ても。
「…あ、の…彼女たち、人魚で…私、角、ありますけど……」
胸を隠し脚をさらけ出したままペタンと座り…まだ背を支えてくれている男に、恐る恐る問うてみる。
■ボブ > (女性の背中に腕を回し、上体を起き上がらせていけば、周りの人魚達はこれまた女性らしくキャンキャン言い出して)
「女3人寄ればかしましいとはよく言ったもんだな。 女は陸も海も大差ないって感じなんだな」
(人魚たちの大騒ぎを耳にし、素直に今思った事を口にしていく男。
そんな大騒ぎも女性からのお礼と共に治まり、人魚たちは海へと帰っていくのを、
女性を支えている腕と反対の手を振って見送っていく男)
「ん?…… ああ、確かに彼女らは人魚で、あんたには角があるな」
(腕の中にいる女性から言われた言葉をそのまま鸚鵡返しで返していく男。
その様子は彼女らが人魚で、女性が角がある……それがどうした? という男の考えがそのまま表情に乗っかった顔で見つめ返していく)
■紅月/コウゲツ > 「………、……そっ、かぁ…」
目を丸くし、ぽかーんと男を数拍見詰めて…ポツリ、と呟く。
ちょっと久々の生命の危機で色々スッポ抜けていたが、自分は、紅月はそれなりにこの男を知っていたはずじゃあないか。
木こり、すなわち一般職だからって…そこいらのマグメール人のように、魔族やミレーを差別するわけがないのだ。
自分はそれを、見ていたはずなのに。
「えぇと…私、コウゲツと言いまして。
東の果ての地にては、紅の月、と、書きます」
何処かで聞いたことのある内容の自己紹介を紡ぐと、人差し指でポリポリと頬をかいて…少々気まずげに。
「またの名を…冒険者の、アカツキと。
………酒場ぶり、ね?」
…どうしよう、目を合わせられない。
■ボブ > (抱き支えた女性の言葉を鸚鵡返しし、女性の顔を見つめていけば、当の女性は目を丸くさせて小さく呟いていくのを更に見つめ)
「見た目だけで何が判断できるんだ?
大事なのは中身、どれだけ大層なご身分でも中身が腐ってたら付き合いたくないし、
見た目がどれほど他の人と大きく違っててもちゃんと話し合えて分かり合えるなら深く付き合えるだろう」
(対人関係で思いっきり痛い目を見た男の考え方は他のマグメール人とはかなりかけ離れた…
世間的には変わり者といった分類に入れられる考え方をあっけらかんとひけらかしていく)
「コウゲツね……紅い月って実際そんなのが夜空に浮かんでいたら…
…って、あれ? 以前似たような事を口にしたような?」
(女性の名乗りを聞き、頭に浮かんだそのままの事を口にしていくが、何となくデジャブを感じ、首を傾げていれば
その後に続く更なる名乗りを耳にし、女性の背中に腕を回したまま、女性の顔を凝視するように見つめ)
「はい?……アカツキ?
ああ、アカツキね……アカツキ、アカツキ……って! ええぇぇぇ~~っ!?」
(男の腕の中に居る女性と酒場で杯を交し合った男……同一人物とはさすがに即座に理解できないが、
男の脳裏に浮かんだのはつい先日の酒場での雑談の内容で…)
「ちょっ…ちょっとまず聞かせてくれ。
とりあえずお前の主人格としてはアカツキの方か?それともコウゲツの方か?
もしコウゲツの方だったらこの前の酒場での俺の話は忘れてくれるとありがたいんだが…」
(男同士だと思っていたから、結構きわどい話をしていた男はもし、この紅月の主なる人格がコウゲツだったら
とんでもないセクハラだと思い、こめかみ辺りに冷や汗を流しながら話してみせて)
■紅月/コウゲツ > 案の定、というか…盛大に驚いてくれた我が友人。
「…あ、ハイ、アカツキ…なんです、一応」
ダメ押しにもう一度言ってやる。
「……ぅ…ぁ、いや、そのぅ……
…母方の関係で、性別を自分で選べる種族といいますか……だからその…どっちも、主、人格…なので………」
かぁああっ…耳までどころか首許まで赤く染め上げて、しどろもどろ。
勿論、相手の顔は見れないまま。
「いっ否!でもっ!
あああの時私が話したのは、お、男の姿の方での経験だけなので!
その、た、たぶん、そんなに弊害は無いかとっ!!」
ぷるぷる、と、顔を伏せたまま小さく震えながら捲し立てるように言って。
…あっどうしよう、恥ずかしすぎて涙出てきた。
■ボブ > (男は突然の爆弾発言に動揺してしまい、先日の暴露話を話題へと持ち込んでしまう。
その話を持ち出していけばお互い色々出したヤバい話が脳裏に浮かんでしまうのは難しくなく、
彼女の口から弊害はないとは言われるが、その彼女の瞳から涙の雫が浮き上がってくるのを見てしまえば)
「ああ、悪りぃっ! 今のは無しっ!
とりあえず今はコウゲツも溺れたばかりの状態で安静にしないといけないだろ。
俺が取ってる宿の寝台を貸すから、そこでゆっくり養生してくれよ」
(女の涙というのは古来より男を更に動揺させ、混乱させる最強の魔道具と言ってもよい物。
その混乱に陥った男はアカツキと話した内容はとりあえず棚の上へと一旦置く事を提案し、
ついでにコウゲツの体調を慮った発言をしていけば、女性としては結構大柄に属する彼女の身体をお姫様抱っこで抱きかかえる。)
■紅月/コウゲツ > 「……ふ、ふぇ!?
…え、あ、ちょ…お、重いから、重いですからおろ、下ろして…っ!」
普段男として生活している彼女に姫抱きされる免疫などあるはずもなく…たぶんここでの本来のツッコミ所は
『そんな語らいをした男の泊まる宿に連れ込まれる』
という点なのだが、そんな事に気付ける余裕など更にあるはずもない。
大混乱で混沌としたこの場から、ただただスタコラ逃げる二人であった。
ご案内:「セレネルの海 岬の岩場」からボブさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海 岬の岩場」から紅月/コウゲツさんが去りました。