2018/05/03 のログ
ご案内:「セレネルの海/小さな入江」に紅月/コウゲツさんが現れました。
紅月/コウゲツ > ーーーざざん、ざざん…ぴちゃっ。


夕日が水平線に沈み始めた、世界が黄金と茜に染まる頃。
岩場の陰の、その奥に…和やかに談笑する複数の女の姿があった。

水に浸かる真珠のような肌の女たちは皆、腰から下が魚のようになっており耳にはヒレが…まさに、昔語りに聞く人魚の姿そのもので。

そこに、人魚たちに囲まれるように、一人だけ。
…紅の髪をきらきらと潮風に踊らせる、人の足を持つ女がいた。
その女の頭部には2本の角がはえており、夕日を透かして深紅に輝いている。

「………、それでね、そのときは…、………」

女たちはまるで昔馴染みか何かのように楽しげに雑談している様だった。

ご案内:「セレネルの海/小さな入江」にケンさんが現れました。
ケン > そのはるか上空、翼をはばたかせながら水平線の奥に沈みゆく夕日を眺めながらの空中散歩。

下から聞こえてくる幾重にも重なる波音と、風が心地よく耳を撫でる。

何気なく下を見ると、小さな影であるが入り江の中に数人の人の気配。
上から見る限り歩いてはいることは不可能であろうが、船の影はなく男の興味を引く。

男からの視界は西に夕陽、奥には夜の帳。
頭上は濃い蒼と濃い赤が交じり合う空の中、円を描きながらゆっくりと高度を下げ始める。

その内相手にも羽音が聞こえるであろう。

紅月/コウゲツ > 最初に気がついたのは、何の気なしに空を見上げた人魚の娘であった。

『人がいる』
『人じゃない』
『空から何か来る』

警戒心の強い彼女たちはすぐさま踵(今回の場合、尾ヒレであるが)をかえし、ぱしゃり、とぷん、と薄闇に染まり始めた海へ逃げてしまった。

「あれまぁ、フラれちゃった」

さて、何が来るやら…
念のために鉄扇を虚空から取り出し、何かの羽音のする空を見上げる。

…深海色の空に、白が見えた。

ケン > あぁ…怖がられてしまった…。

高度を下げながら眼下では、海の上の影が潜り逃げてしまった様子。
小さくため息を漏らしてしまいながらも、男は入り江の中に降り立つように夕陽から高度を下げながら滑降し、相手の頭を超え、岩場へと小さな音と共に降り立つ。

鉄扇を取り出した相手。
楽しみの邪魔をしてしまったのは素直に申し訳なく…。

ゆっくりと相手に振り返った男、一度大きく白い翼を広げる。
その背の翼には夕陽を受け紅く染まっていた。

「あぁ せっかくの楽しみを邪魔してしまったようで。
すまないなお嬢さん。」

特に敵意は無い様で、軽く肩を竦めながらひらりと両手を相手に見せるように上げていた。

紅月/コウゲツ > きょとん…
それが魔物か何かであるなら、サッと捌いて夕飯にでもしようかと思っていたのだが…空から舞い降りたのは有翼人。
否、もしや天使というやつであろうか。

実は紅月…つい昨日何の気なしに入った富裕層の廃教会で、倒れた巨大な天使像を起こして祈りを捧げてきたばかり。
運命の悪戯か何なのか…全く、偶然とは恐ろしいものよ。

そんな訳で、と言うべきか。
男から害意を感じないのもあり、警戒する気も消え失せてしまい。

「…綺麗なモンだねぇ、その翼」

怒ってないよと言わんばかりに穏やかな笑みを向けて言うのだった。
…本音を言えば、自分の好きな『綺麗なもの』と『もふもふ』のコラボレーションに、すっかり見入っていた。

ケン > まさか裁かれる危機であったなどとは露とも知らず。
相手が素直に褒めてくれれば、翼の持ち主はニカっと口角を上げて笑みを浮かべ。

「ありがとうお嬢さん。」
持ち主がそれなりに整ってはいるものの三十路過ぎのおじさんではあるが、翼を褒められればうれしい。

めったに見せているわけでもないが…。

「それなりに手入れもしているからな。触ってみるか?」
男はそう問いかけながら広げればゆうに3m近くある大きな翼を広げて見せる。
白い大きな翼、相手に褒められればゆるゆると揺らせば白い羽毛は夕陽の明かりを浴びてきらきらと輝いている。

紅月/コウゲツ > 「えっ、いいの!?」
それまで、それなりに女性らしい表情であったはずの女の表情は…急に、ぱぁああっと子供じみた嬉々とした表情になり。

ズボッと効果音の付きそうな勢いで、手に持っていた鉄扇を虚空の歪みの中へ押し込むと。

「わぁあ、嬉しい!…近くで見ると尚更綺麗ね、いいなぁー」

やはり目を輝かせながら嬉々として男に近付き、うっとりと眺めて。

そっと、手をのばしてみる。

ケン > 「ん。こんなお兄さんので良ければな。」

原色のシャツに身を包むよく言ってお兄さん普通に言っておじさんの羽で喜ばれると、
やはりうれしいものである。
冗談半分ではあったが、
女性らしい表情から目を輝かせる相手に今更駄目ともいえるわけはなく。

純白の翼は近くに寄れば尚キラキラと光を乱反射させる。

「普段は椅子にも座りづらいし目立つし、歩くときは邪魔になるから隠しているがな…。」

魔力を通さなければ属性が着く事も無く、白鳥のような柔らかな羽毛と付け根はふわふわもこもこ、舌の部分に従って一本一本が太く、大きくなっていく。
何処を触ってもきめ細かく相手の指を擽るであろう。

紅月/コウゲツ > 「わぁ、わぁああ…さらさらふわふわ!
…っ、うわあ!こっちはもっふもふのふわっふわ!!
あー、癒されるー…」

うっとり、のほほん…実に幸せを噛み締めているといった笑顔で、翼をおっかなびっくり優しく撫でて。

「やっぱりいいなぁ…邪魔でも欲しいわ。
角や髪じゃあお金にはなっても、この手触りも空飛ぶ事もできんしねぇ…
…え、引っ込めちゃうの?これ…勿体ない」

それはもう心底、心底勿体ないといった表情で、ようやっと男の顔や格好に注視する。

「ん、アレ?もしかしてお兄さん冒険者か何か?」
不思議そうに首を傾げて言い。

ケン > 「うんうん もふもふは良いよな。
俺も好きだ。
俺は俺のを撫でて楽しめないがな…」

おっかなびっくり撫でられれば逆にくすぐったい。
そして、ふわふわもこもこを愛する相手に男は自然と笑みが深くなり。
ただ、最後の一言はちょっと寂しそうであった。

「ふふ。あぁ、夕暮れの空中散歩だな。
確かにお嬢さんの髪は綺麗だからなお金にはなるだろうな。
角?」
一瞬不思議そうな表情を浮かべながら相手を見れど、鼻を擽る良い匂いに、軟らかそうな胸。

「歩く時に他の人の邪魔になるからな…。
あぁ、今は色々あって傭兵やらの冒険者だな。
荒事をやっている人間は嫌いか?」

ようやっとこちらを向いた相手、翼はもっと撫でていいぞとばかりに大きく広げ勇姿を見せてから折りたたまれ相手の手を擽る。
そして男も男で、ついつい手を伸ばし相手の夕陽を受けキラキラと輝く柘榴石の様なたれ下げられた前髪を優しく撫でようとした。

そして相手が撫でさせてくれれば、自身の翼で相手を包みこんだらどう反応するだろうかと、男は大きな翼で相手の体を包みこんでいく。
ふわふわの毛やしっかりとしたしなやかな翼が相手を擽るかもしれない。

紅月/コウゲツ > 「あーわかるわー…自分のじゃダメなのよね、自分のじゃ。
どうせ撫でるなら他人や動物がいいわ、魔獣も中々捨てがたいけど」

寂しげな顔につられ、こちらも寂しん坊。
けれども直ぐ様キリリとしてもふもふしたい対象を挙げていく。

「ん?んー…まぁ、お兄さんも人間じゃないし、いっか。
…私、鬼神と精霊の混ぜ物だからさ、髪は杖の素材なんかとして売れたりするんだ。
今人間達は魔族とドンパチしてるから、普段は人間の男の格好をして面倒を避けてるんだけどね」

1度頭部を両手で隠すと、手を離した時にはガーネットでできた角と尖った長耳がそこにはあった。
とりあえず自分の事情を説明してみる。

「やぁねぇ、私も冒険者!
と言ってもダンジョン潜るか採取か、近くの砦に治癒士として招かれる事もあるかな?
人間に対しては『善き隣人』で居たいからね」

苦笑して、言外に自分を嫌いかと問うていそうな男に更に説明を付け足してみる。

そうして、男が紅月の髪を触りたそうにしているのを見れば。
「?…撫でる?いいよ?」
と、自分から1歩男に近付いて。

ケン > 「うむうむ。
だが、俺の場合は体が大きい分直に逃げられてしまう。
無理やり捕まえることも出来るが可哀そうでな。」

まぁ、モフモフしたりするときもあれば食べてしまうときもある。
致し方のないことである。

「鬼人と精霊か…
確かにお嬢ちゃんは別嬪さんだからな。
男につかまるのも面倒だろうな。」

精霊とは戦うことは少ないが鬼人や魔族と戦いに明け暮れていた時期もある。
とはいっても、それは憎しみやらではなく、軍人としての責務であったため、男個人としては特に思うところはない。

が、相手も角を出せば男は眺め。
「綺麗な角だな。
そうか、お嬢ちゃんも冒険者か。
まぁ俺の場合傭兵といっても砦に行って戦うわけではないがな…。
先程の鉄扇を持っていた姿が道理で凛々しくて綺麗だった訳だ。」

どこか納得する様に頷き、良き隣人という言葉には笑みを浮かべる。

一歩此方に近づく相手。男はお例がわりにあいてを翼で柔らかく包み込み、柘榴石のようなキラキラとした髪の毛を撫でると、やや武骨な大きな掌で耳や頬を髪越しに撫でていく。

「ん。間近でみるとより綺麗だな。
この髪も、お嬢ちゃんの瞳も。」

男はそう静かに囁きながら優しく髪を梳く様に撫でていく。
蒼い目は穏やかに相手で紫の瞳を持つ相手を見詰めていた。
「これでは俺の方がもらいすぎか?」
等と間近で楽しそうに囁きかける。

紅月/コウゲツ > 「あらー、そりゃ切ない…
…そうだっ!
兄さんさえよければ今度一緒に森でも行く?私が昼寝してると大体動物寄ってくるから撫でられるかも!」

いいこと思い付いた!といった様子で嬉々として相手を散歩に誘う。
もふもふ好きに悪は無し!!

「男とねー、1番面倒なのがレア狩り(コレクターや奴隷商人)かなー?」

へにょりと耳を下げ、困り顔。
同族や異形仲間が囚われて悲惨な末路を遂げるのは哀しい…が、規模が規模故にどうにもできない。
どんなに強くなっても、結局無力だ。

「り、凛々し、綺麗…いやいや、そんな畏れ多い」

ぽっ、と照れた頬を両手で隠し、気恥ずかしさから目線を逸らして。

けれども両翼に包まれれば感動と喜びに頬を上気させ、ふわふわと、やはりうっかり羽を抜いたりしてしまわぬようにそっと翼を撫でて。

容姿を褒められれば、
「んもぅ、あんまりからかわんで下さいましな…」
と、困ったように照れて。

髪飾りを引っ張り雑に髪をとけば、やはり照れたままこう言うのだ。

「…まぁ、私で小動物やらの代わりになるなら、存分にもふってくれてもいいけどさー?」

ケン > 「魅力的だな…。
ゼヒ頼もう。
なんだったら熊とかでも大丈夫だぞ!いざとなったら熊ぐらいどうにでもなるしな!!」

何と素晴らしい提案男も目を輝かせ。
だが続いた言葉には踏むと頷き。
「まぁ確かにな…。
そのあたりは人間も罪深いからな…。」

レア狩りという言葉に頷き困り顔をする相手を慰める様に優しく撫で。垂れ下がった耳を柔らかく握り親指で扱く様に撫で。

「はは、恐れ多いって。これでも語彙は少ない方だと思っているがな…」

頬を両手で隠す相手に男は柔らかく目を細め。
白い肌が上気するさまは見ていて素直に綺麗に思う。

相手がそっと撫でて来れば心地よく、翼を軽く揺らし。
「ん。もっとモフモフを堪能していいぞ?
からかっているつもりはそんなにないが、
殺気とは違って、今のお嬢ちゃんは可愛らしいな。」

照れながら髪飾りを解く相手。もっとも降っていいという言葉を聞けば、男は相手の腰に手を回し。
頬を柔らかく撫でる。
翼で閉じた上のあいた空間から差し込む赤い夕陽。

もう一度頭のてっぺんから柔らかく垂れた前髪を撫で、頬を包みこむ様に手のひらを添える。
「お嬢ちゃん。俺はケンだ。
お嬢ちゃんの名前を教えてくれるかな?」
男はそう囁くと、相手の唇を親指でフニ、と撫でていこうとした。
この先を知るのは二人のみ。

ご案内:「セレネルの海/小さな入江」からケンさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海/小さな入江」から紅月/コウゲツさんが去りました。