2018/04/28 のログ
ご案内:「セレネルの海/海岸」にギィギさんが現れました。
■ギィギ > 丸い月が浮かび、夜の海を冷たい光で照らし出す。
白い波はその光を浴びてきらめき、打ち寄せては引いてゆく波もまた同様に輝いて夜の闇を彩る。
セレネルの海
その海岸の一つ
白い砂が広がり、同時に幾つも波で削られて球体になった岩が転がる幻想的な浜辺。
その中でも転がる岩が粒が小さく、それが縁を作り、幾つも潮溜りを生み出している場所、その潮溜りのひとつが今宵とても危険な場所となっている。
波を照らす月明かりを妙に艶やかに弾いて輝く小さな潮溜り。
深さは大人が踏み込めば脛の中ほどが濡れる程度の深さしかない大きな水溜りとしか思えない潮溜りなのだが、遠目からでは判り辛いが近くによれば、その輝きが潮溜りに溜まる海水が異常さを帯びているのがわかる。
明らかに透明度が高く、粘り気があるのか月明かりを良く弾き、潮風が吹いていないのに時折水面が揺らいで、潮風とは違う薄く甘い香を匂わせる。
――…それは潮溜りに擬態したスライムの亜種。
幾つもある潮溜りの一つとなって周囲の風景に溶け込み、誰かがそこに勘違いして踏み込むのを今か今かと待っている。
ゆらり、ゆらり……
潮風とは違う香りを運び、生物を誘い、愚かにも踏み込んだものを包み込んで、その胎を借りて種を増やそうとする危険なスライム。
哀れな犠牲者が今宵生まれるかどうかは空に浮かぶ月しか知らぬことか……。
■ギィギ > 身体は本来ならば純粋な透明ではなく、薄紫色にほんのりと色付いている筈である。
だが今宵潮溜りに擬態した個体は無色透明であり、表皮から粘液を噴出している様子もガスを噴出す気泡も見受けられない。
その為かただただじっと獲物が近づいてくるのを待ちわび、なるべく身体を周囲の光景と違和感を無くそうと動かずに居る。
だが残念な事に表面の滑りを帯びる輝きは消せない。
艶やかに白波よりも海面よりも月明かりを弾き、他の浅瀬とは比べ物にならぬ輝きを放ち、消せぬ違和感を見るものに抱かせてしまうだろう。
ただ身体の温度こそは他の潮溜りの海水と大差なく、触れるとまだひんやりと冷たく、さらりとしている脱力状態。
でも一度獲物が足を踏み入れ、両脚を入れてしまえばまたスライムトしての弾力も粘りも見せるだろう、ともあれ獲物がこなければきっと何時までもサラサラの状態である。