2018/04/09 のログ
ご案内:「セレネルの海」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 砂浜にて。
砂に埋もれる大きな岩、そこに腰掛けて物思いに耽る女。
曲げた己の足、その膝に肘を乗せ、頬杖をつきながら黒い海の向こう、水平線をじっと見つめていた。
別に何を探しているわけでもなく、何かをしようとしているわけでもなく、海に石を投げようともせず、ただ見つめるだけ。

「…静か…ね…」

女の耳を擽るのは潮を帯びた春風と波の音。自然と毀れる微笑が、女の心地よさを表しているのだろう。

フラニエータ > 「――~♪…――~♪…」

突然女のスキャットが始まる。波の音に合わせて体を揺らしながらのそれは、音階的に子守唄の様だ。
ロングトーンには深めのビブラート。時々リズムを狂わせ遊びを入れる辺り、女の歌声はそこそこのテクニックがあった。

海に向けて突然投げ入れられた彼女の鼻歌。
今まで石ばかり投げ入れられていた海が、驚いたかの様に一度大きな波を立てる…も。
まるで女の歌声に合わせてリズムを刻む様に、穏やかな波音を立て始めた。

フラニエータ > 「…はい、おしまい…」

程なくして女の歌声が終わりを迎えると、残されるのは波の音。
女は腰を上げると、砂浜に足跡を残しながら帰路に着く。

「――おやすみなさい。イイ夢を見なさいな…」

途中に一度だけ振り向いて、そんな言葉もついでに残していく。

ご案内:「セレネルの海」からフラニエータさんが去りました。