2018/03/28 のログ
ご案内:「セレネルの海」にレヴィアさんが現れました。
■レヴィア > キュ、キュ、キュ、キュと白い砂浜を靴で踏みしめるとそんな小愉快な音が鳴る、キュ、キュ、キュ、キュ……。
巨人の腕かと思うほどに巨大な流木や波に研磨されてつるりと丸い岩などが転がる不思議な白い砂浜を気晴らしに一人のんびりと歩いていく、目的も無く、ただただのんびりと……。
今宵は月が艶やかに輝く夜だから、心は幾分か弾んで何も無いのにワクワクして、白い紙の前で頭を抱えるのもバカらしくなって、王都にある屋敷を飛び出して今はセレネルの海にいる。
せめて男装の似合う美女美少女執事が可愛い可愛いメイドが居れば屋敷も楽園なのだけど、現実そんな人は雇っていないし応募も来ない、ので気晴らしはこうやって色々な場所を歩く事しかなく……自らの力を振るい暴れるような真似もせず、人畜無害な吸血鬼を貫く……。
と独り言も愚痴も吐きそうになったが、まずは潮風を胸いっぱいに吸い込もうか、座るに丁度良い場所をそれとなく探しながら歩きながら、ジャケットから伸びる病的な白さの腕をぐっと輝く月に向けて伸ばし、両手は握って開いて握って開いてと指の関節を解し……大きく息を吸って……吐き出す。
「んふ……と、良いよね海、海はいいよー……ほんっと。山はダメだ虫が居るから、虫に刺されるから……吸血鬼が血を吸われるとか格好悪いから……。」
欠伸とも笑い声もつかぬ変な声を引き金に愚痴でもなく、好きな言葉を遠慮無しに吐き出して、から再び大きく息を吸い、潮風を胸いっぱいに吸い込んでから……吐き出す。
深呼吸の後に残るのはゆるく淡い笑み、口元も頬もゆっるゆるに弛めて、深呼吸を終えて下ろした両腕を腰の辺りで後ろ手に組んでキュ、キュ、キュ、キュと白い砂を踏み鳴らして歩く……。
■レヴィア > 不安定な白砂を踏めば身体は自然と揺れて、身体が揺れればジャケットの裾が揺れる、裾が揺れると裾から黒い雪に似た魔力が舞って、白砂に落ちた黒い雪は溶けて消える――後結い上げた黒いポニーテールもふわりと揺れ動く。
「……募集要項にプラスアルファするべきかな?それとも衣装は提供します!が悪かったかな?でもすらっとした美人さんがパンツルックでお尻のラインがキュっとしてるのも好きだし、シャツを脱ぐとばいーんって最高なんだけどなー?」
白砂と黒雪、月の光と潮騒の音が気持ちよい夜の海。
それらを台無しにする言葉をポソソっと呟くような声で零しながら、キュ、キュ、キュ、キュ……と歩く。
可愛いものは大好きである。
美人も好きだし、愛らしい娘も大好きである。
でも、あまりに好みすぎると喰らいたくなるのは吸血鬼の性、かと言って誰とも触れ合わない人生なんて面白くない、なるべく欲望は抑えて、でも時々吐いて、肉は喰らわず、血を吸い過ぎず……爛れて愉快な生活を送りたい。
退屈は吸血鬼も殺すのだ。
何故って、精神的に乾いてしまえば思考も鈍り、思考をやめた吸血鬼は動く死体と何の違いがあるのだろうか?
と、一人で散策を続ける……供は潮風と月と星の輝きと……。
■レヴィア > 今宵は何事も無く散歩だけで終わりそうだ。
ああ、屋敷に戻ったら募集の張り紙を書き換えよう。
欲望と欲望と欲望を詰め込んだ張り紙をはろう……。
後ろ手を組んでのんびりと歩く速度はそのままに、足先は海よりも王都のほうへ歩いて帰路に着くのでした。
ご案内:「セレネルの海」からレヴィアさんが去りました。