2017/12/12 のログ
ご案内:「セレネルの海」にチルユキさんが現れました。
■チルユキ > びゅうと吹き荒ぶ、強い風が小粒の雪を孕む。
黒く沈んだ波に吸い込まれては消えていく其れを横目に砂地に点々と足跡を残して歩く。
寒そうな見目も当人は左程堪えずに、只吐く息は真っ白に染まり。薄くたなびいて後ろに流れて行く
■チルユキ > 「酒が、あれば雪見酒……だっけ」
雪見酒は、温泉限定だったか。
曖昧なイメージの元、連想しようとするが、寒空の下で思い描く温かい光景は霞のように掻き消えて。
冷えた指先をワンピースのポケットに突っ込んで、止まっていた足を再び動かす。砂の逃げる感触を追い、踏み潰して、飲み込まれ。払って歩く。靴の中に砂が入った頃、横合いから被さる森が目の前を遮断して。足元の影から手繰るように木々を仰ぐ。
お化けが出るよ、と。幼い頃誰かから聞いた、ような気がする。
今は己が、脅かす類の側にいた。
■チルユキ > 「食べちゃうぞー……とか。」
言いながら、夜闇に紛れてあの木の上から降りて来たら。
何か取り返しのつかないことになるような、ならないような。
吸血鬼ではなく其れは別の懲悪的な何かになるような気がする。
後ろ手を組んで森と砂地の境目を辿る。海の水が靴先を幾らか濡らした。とん、と砂地を蹴って手近な樹の枝に跳躍する。
■チルユキ > 樹の上で緩く膝を抱えて目を瞑る。
朝になればきっと見晴らしの良いこの場所を本日の寝床にまどろんで。
ご案内:「セレネルの海」からチルユキさんが去りました。