2017/12/10 のログ
ご案内:「セレネルの海」にフィロさんが現れました。
■フィロ > 「………………。」
重苦しく灰色の雲が空を包む日。外套に身を包み、海に糸を垂らす影一つ。
風に吹かれた糸はちらちらと揺れるばかりで、水底へ向け引かれることはない。
「……最悪。」
白く濁った溜め息を吐き出しながら、鈴のような美しい声が冷たい空気を震わせた。
少女の名は、フィロ。傭兵である。
■フィロ > 「………………。」
もはやかれこれ2時間糸を垂らしているが、何かが食い付く気配はない。
素人では駄目だったのか。餌が悪いのか。また蒸した芋に塩を振って齧ることになるのか。
そんなことを考えたり考えなかったりしながら、灰色と黒が混じり合う水平線を見つめる。
ぼーっとしても、釣れないものは釣れないのだが。
ご案内:「セレネルの海」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 釣り竿を担ぎ、一人海辺へ近づく影。
フードをかぶったその少年は、魚籠と簡単な釣り竿、マントにフードと言った簡単な防寒装備。
そんな風体だった。
食事のバリエーションを増やすためと少し挑戦してみようとここに来たわけだが。
「…先客」
夜だから、人も少ないと思っていたが。
■フィロ > 「………。邪魔なら、退くけど」
ぼそ、と聞こえるか聞こえないか程度の声量が聞こえる。
おそらく、目の前の外套の人物から…だろう。
「……………。」
一瞬、ちらりと視線をあなたへ向け…また海へと返した。
■ブレイド > 「邪魔ってわけでもねぇよ。後から来たのはこっちだしよ
そっちこそ邪魔じゃねぇなら、ここいらで釣りでもさせてもらいてぇんだけどよ」
人影から言葉が投げかけられれば頭を振って。
ミレー族の耳だからこそ聞き取れたが
小声と潮騒で聞き取りづらいことこの上ないが…
■フィロ > 「………別に良いけど。私は。」
相変わらずぼそぼそと呟く。どうも声量が小さい人物のようだ。
…外套の裾には、ハートの中にAが書かれたマークが刺繍してある。
「…ここ、釣れないよ」
先程より少し大きくなった。
声の感じからして、女性…それも少女。かなり幼く聞こえるだろう。
ご案内:「セレネルの海」にナティファさんが現れました。
■ブレイド > 「そっか、わりぃな。んじゃ、さっそく…」
ランタンをカタリと置いて、ハリに餌を付け始める。
場所は人影からは三人分ほど離れた距離。
外套のデザイン、そして声質から女性であることはわかった。
このあたり、危険はないのだろうか?
「まぁ、つれなかったらそれはそれ、だ
オレも釣りがウメェってほどでもねぇし…場所を読めるわけでもねぇ」
ひゅんっと針を海へと投げる。
■ナティファ > 「こ、ここはどこ、私はだれぇ~……」
そんな、のどかな釣りの空間に、非常に情けない声が響く。
振り返れば、褐色に神官風の服装の、グラマラスな美女が半泣きで杖をついて歩いてくる。
「か、神よ、これは試練、試練なのですかぁ……?」
美人、なんだが。
なんだかこう、とても情けない感じである。
■フィロ > 「そう。」
そうして会話を切り、釣りを再開する。とは言え、やはり釣れない。
さてどうしたものか。餌を変えるか、河岸を変えるか……
と思っていたところに、なんか情けない声が響いてきた。
ちらりと見れば、褐色肌の女性がフラフラと寒空の下を彷徨っている。
なんだあれ。
「………知り合い?」
会話を打ち切っている場合ではない。
ブレイドへ目線を向ける。
■ブレイド > 「……迷子かよ」
街角ならともかくフラフラとさまよう女性に一瞬視線を移す。
知り合いかと聞かれれば首を振って答え
「いや、しらねぇ…てか、なんでこんなとこに迷子なんていんだよ」
その答えは少女もわからないだろうが。
そんなやり取りをしているうちにも、竿の先がピクリと動く。
■ナティファ > 「あ、す、すみません~……ここって、どこらへんでしょうか……?」
そんな反応を気にせず、よろよろと二人に近づいていく褐色の女性。
だが、ある程度近づいて釣りの途中だったことにようやっと気付いたようで。
「あ、あのう……お邪魔でしたか?」
今更ながらにそんな事を口にする。
■フィロ > 「………。」
はぁ、とため息を吐き、竿を置く。
そしてゆらりと立ち上がり…ナティファの顔を見る。
「………あ、あの。え、えっと。
…………みゃ 迷子?…………お金、は?」
物凄く声が小さい吃る俯いてる。おまけにちょっと噛んだ。
……自分から人に話しかけるのは難しいらしい。
「…………この道を行けば、ダイラスに着く。から。」
■ブレイド > 「えっ?」
ダイラス?
たしか昼くらいにマグ・メールをでて、釣れない釣れないと河岸を変え続けて
フラフラと移動していたが…
「まじかよ…」
歩きすぎた。少女の言葉に人知れずどうしようと言った表情。
今日中に帰れるかと言えば、おそらく帰れない。
「ん、お…」
引いた竿に気づいて、引き上げる。
すると、針には市場でよく見るような、少しだけ小振りな魚が食いついていた。
■ナティファ > 「えぇ、ダイラス傍ですかぁ!? う、うーん、どうしましょう……」
ぺたん、と座り込む。ナティファの方も、随分と遠くから来ていたようだ。
「あ、あのう……差し支えなければ、釣りが終わってからでいいので、マグ・メールまで送って行って貰えたら、なんて……その、出来ることは致しますので……」
恐る恐る、と言った感じに問い掛ける。ナティファの方も、今日中に帰る自信がないようで、なおかつ一人で帰る自信もないようだ。
「あ、釣れてますね」
言いつつ、立ち上がってブレイドの釣った魚を見ようと近づこうとして。
「ひゃぶっ」
こけた。
■フィロ > 「………………。」
ブレイドから聞こえた疑問符に、ちらりと視線を移して。
「……私は、別にいいけど。
ここから直接マグ・メールに帰るなら、山賊街道を通ることになる。
それに、確実に日付が変わる。明かりも、ここからマグ・メールまで保つほどの燃料はない。
…正直、おすすめは出来ない。最近は治安も悪いから。」
少し聞き取りづらい声量でそんなことを言って、次にこう続ける。
「それなら、ダイラスで一泊して馬車を借りて帰ったほうが安全だし、楽。
ここから歩いても半刻もかからないから。」
そういうと、こつこつと靴を鳴らして自分の竿のところまで戻る。
「…!」
引いていた。すかさずしゅぱ、と竿を振り上げる。
糸の先には、赤い魚が食い付いて……ナティファへ飛んでいく。
勢い良く糸を引けばそうもなろう。
■ブレイド > 「おい、大丈夫かよ…?」
磯で転ぶとか、すごく痛そうだ。
怪我とかしていないだろうか。
「しかし参ったな…そんなら魚なんて釣れても意味ねぇ…」
鮮度が命の魚類。
持ち帰ってたら痛んでしまう。この魚ももはやここで食べるくらいしかない。
「まぁ、そうだろうな。夜はあぶねぇ
野盗も魔物もでるしよ。しかし、参ったな…金か…」
ちょっと散歩がてらという気分であったから、釣り道具と得物くらいしかもってきていない。
魚籠に魚を投げ入れて、少し思案顔。
■ナティファ > 「へぶちょっ!」
転んだところに、赤い魚がHit。
お魚さんと熱烈なキスをしてしまう。
「にゅひゅああああああああああ、おう、わっ、な、生臭いですっ!!って痛っ、痛い、えううう……」
びたんびたん。磯で転んだ痛みも相まって、まな板の上の鯉のごとくのたうち回る褐色美女。残念過ぎる。
「はぁ……はぁ……うう、お金あんまりないんですよね……正直、カッツカツでして……」
フィロの言葉には頷きつつも、それが悲しいかな出来ないと告げる。
まあ、これでお金持ってるかって言うとないですよねと言う雰囲気は漂っているだろう。
「お、お魚もこう……どうしましょう。うーん……」
■フィロ > 「ごめん。」
物凄く簡潔に謝った。
感情が全くこもっていない……
「……はぁ。……うん。
…………それなら、来る?」
そう言うと、遥か地平を指差す。そこには、活気溢れる港町の光。
地平を明るく照らすそれは、船乗り達の集う場所。
「………隠れ家。ダイラスにあるから。
お金無いなら、泊まっていけばいい。…ふたりとも。
食事は……魚でいいでしょ。」
■ブレイド > 「まー、その様子だと、泊めてもらったほうがいいんじゃねーか?
アンタ、一人で街に行ってもヒデェ目にあいそうだしよ」
褐色の女性を見つつ。
磯でのたうち回ったら余計痛いんじゃねぇかな?とは口には出さない。
「この魚は…まぁ、アンタにやるよ
さって、どうするかな…。
……
……
……
泊まるって、オレもか!?」
■ナティファ > 「うう……そうですね、お願いしていいでしょうか……?
あ、私、ナティファと申します。あなたがたのお名前は……?」
そう言えば名前を聞いていなかった、と体をさすりつつ問い掛ける。
体中結構傷だらけである。いたい。
「あ、あの、貴方もその、お金がないなら私と同じ立場では?」
ブレイドには小首をかしげて。状況的には同じなんだし泊る感じでは?と。
■フィロ > 「……フィロとでも呼べばいい。」
あまりに簡潔な自己紹介。
その場にしゃがみこんで、魚の口から針を外して籠に投げ入れる。
「…野党や魔物に襲われて、視界もない中で真っ向から叩き潰して、
そのうえ無傷でいられる腕があるなら。…君、強そうには見えないし。
それに、そこの…え、と。………ナ、ティファ…の、傷の手当もあるし。」
割と毒を吐いてくる。
それと名前を呼ぶ時に声がやたら小さくなった。やはり人見知りのようだ。
「別に、私は構わない。狭いし汚いけど。」
■ブレイド > 「ん、ああ、オレはブレイドだ。
いや、たしかに金はねーし、いいっつーならいいけどよ」
たしかにあまり強いとはいえない。
ついこの間、死にかけたばかりだ。
この間は依頼中だったが、今回そうなったら流石に間抜けすぎる。
女性二人の部屋に泊まるというのもあれなのだが…まぁ、何があるというわけでもないだろう。
■ナティファ > 「フィロさんに、ブレイドさんですね。よろしくお願いします」
ぺこっと頭を下げる。
その動作だけでバランスを崩していたのは秘密だ。
「わ、私も正直強くは……マミーにお手伝いして貰ったりは出来るんですけど……」
正直に言って、ナティファの戦闘能力は雑魚のそれである。
マミーと言っても嫌がらせ程度の攻撃しか出来ないし、本体はこのありさま。ここまで歩いてこれただけで奇跡である。
なお、ここに来るまでに10度以上コケていたりするのだが、それは乙女の秘密。
「す、すみません、傷の手当まで……お優しいのですね」
フィロにはさらにぺこぺこ。こういう優しさに触れるのは、彼女にとってあまりない経験であった。
■フィロ > その言葉を聞きながら、再び餌を針に付け、投げる。
軽く水面を揺らした針は暗い海へと沈み、すぐに白波にかき消された。
「それなら決まり。……私も流石に二人守って歩くのは難しいから。」
何か恐ろしいことを呟いた気がする。
それはそれとして、なかなかいい調子に連れ始めた。小魚ばかりとはいえ、そこそこに量はある。
「………。ブレイド、料理できる?」
小魚の調理がめんどくさいのは古今東西共通であった。
■ブレイド > 「そうと決まりゃ、世話になるぜ。
手当もするってならはやく向かったほうがいいだろうよ」
魚籠の魚をフィロの籠へと移す。
隠れ家に向かうのならば、彼女の籠も持っていくだろう。
「まぁ、職人級とはいかねぇけど多少はやれるぜ?
一晩世話になるなら、それくらいはな
えーっと、ナティファ…だっけ?膝、大丈夫か?歩けるか?」
■ナティファ > 「フィロさん、御強いんでしょうか?」
ぼそと聞こえた声に、つまり一人なら守りながらでも歩けるという意味を感じ取り。
「あ、だ、大丈夫です!ほら、杖もありますしちゃんとあるけひゃうっ!!!」
ブレイドの言葉に応え、杖を持ってぎゅっと気合を入れるようなポーズをしようとして、その場ですてーんとこけた。何もないのに、こけた。
「……だめかもしれません」
半泣きである。
■フィロ > 「ん。それなら良い。じゃあお願いしたい。
眠いし。」
物凄く私的な理由で押し付ける気満々だった。割と強かなところはあるようだ。
人見知りのくせに。
「別に。出来ることが出来るだけ。
野党の縄張りとか、獣の生息範囲とかは知ってる。」
魚篭をブレイドに手渡し、ナティファの方から聞こえた音に振り返って。
「……。」
ブレイドに何とかしろという目線を送った。
■ブレイド > 「調味料はあるか?って、……そっちもオレかよ」
女性同士なのだから、フィロがなんとかすると思ったのだが
少し困ったように頭を掻いて
「えーと、そうだな。肩に捕まって歩けるか?」
これでダメなら肩を貸す、更にダメなら、背負うと言った選択肢になるのだが。
魚籠を片手にナティファに手を差し出し。
■ナティファ > 「す、すごいですね…私なんか、もう迷ってばっかりで…」
素直に感心する。生きる事、に関してのスキルが段違いなのが感じられたからだろう。
そして、ブレイドに問われれば、こくこくと頷く。
「え、えっと、多分大丈夫です、はい。よっかからせてもらえれば、私だってきっとコケません!きっと!」
……なんか不安になる言葉を口にしながら、ブレイドの手を握る。
■フィロ > 「………。
別に良いんじゃないの。どうでも。」
ぷい、と顔を逸らす。…何か思うことがあるのかもしれない。
「調味料なら、まあ一式。火も使える。
………行こう。遅くなって、酒場の船乗りが出てきたらめんどくさいから。」
ちなみに、なんか童貞臭いから襲う勇気はないだろう、と判断したから押し付けたのであった。
そう言って波止場を後にし、釣り竿を肩にダイラスへと向かう。
ご案内:「セレネルの海」からフィロさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からナティファさんが去りました。