2017/05/28 のログ
ご案内:「セレネルの海」にレオノーレさんが現れました。
レオノーレ > 月が照らす夜の海辺。
風がざわめいたかと思うと、ふわりと長い白髪を靡かせる少女の姿が現れ、柔らかな砂浜に降りる。
途端に砂がサンダルの中に入り、足の裏との摩擦でじゃりっと硬い感触がするが
どこか嬉しそうに、精霊の少女は微笑んだ。

「静かで良い海。今夜はここで休もうかなぁ。」

膝を抱えて砂浜に座ると、夜空との境界が曖昧な水平線を見て呟く。
昔馴染みもなく、目的もなく、今は手探りに移動するだけの少女には
休む場所に対するこだわりもない。
ただ一晩無事に越せれば良い。
白髪が揺れる小さな背中が物思いに耽り、佇む。

レオノーレ > 「もう少し遠くに行かなくちゃだめかなぁ。」

水平線を見つめた結果、出た結論だった。
しかしこれがまた難関で、世界には獰猛な獣がいるし、自分では
正体さえ見破れない魔の生き物までいる。
それらをかいくぐって移動するというのはなかなかに骨が折れる。

(どこかで立ち止まって、魔力が溜まるのを待つのも良いかもしれないし。)

どちらにしても、まだ移動する必要がある。
少女は立ち上がるとスカートについた砂をはたいて落とし、
さく、さくと小気味良い音をさせながら砂浜を歩く。
そして視線の先に小屋を見つけるとラッキーとばかりにご機嫌になり、
その戸を開け、中で一晩過ごすことにするのだ。

人間のような生々しい生気を放つことのない精霊少女は、
翌朝漁師がその小屋を開けても誰かが使用した形跡など感じさせないほど
薄く、脆弱に、浮世離れして生きていく。

ご案内:「セレネルの海」からレオノーレさんが去りました。