2017/02/18 のログ
ご案内:「セレネルの海」にグレヌアンギュさんが現れました。
グレヌアンギュ > セレネルの海と呼ばれる海に面した海岸線
その海岸線の中にある白い砂が広がる砂浜
そしてその砂浜から少しはなれた場所にある
人間の腰ほどの高さしかない岩場に囲まれた浅瀬がある。
正しくは潮が引いた際に出来る潮溜りと言うモノで
少しだけ広い潮溜りを囲うように岩場があるまるで砂浜にポッカリと空いた魔物の口の様な場所が存在していた。
潮が引いて生まれた潮溜り、にしては海草もましてや小さな海の生物も存在しているように見えない潮溜り、中にあるのは白い砂、砂、砂、それだけ見れば自然が悪戯に作り出した天然のプールに見えるかもしれないが、それは自然が悪戯に作り出したプールではなく、魔物達が潮に残されて否応なしに堪り群れている巣のようなモノであった。

砂浜と同じく真っ白い砂が敷き詰められた浅い潮溜りの底、その砂が時折盛り上がってはふわりと砂を巻き上げて、直ぐに砂は沈んでいく、それどころかよく目を凝らして見れば夜空に浮かぶ月の輝きに照らされて潮溜りの海面が必要以上にキラキラと輝き光を放っている……。

月明かりを弾くもの、砂を巻き上げてうねるモノ
その名をグレヌアンギュと言う水棲のモンスター。
見た目は寒天や心太を削り作り出したウナギかヘビに似たモンスターであまり強い部類には入らないモンスターである。
だがそのモンスターは強さよりも性質と繁殖方法が非常に危険であり、あまり好んで手を出すものは居ない……筈だった。冒険者でも深い知識を有していればわかるかもしれない、そのモンスターこそ好事家が収集し「お楽しみ」に使うか、魔法の薬の材料ともなるモンスターである。知る人が知れば、値千金のモンスターの巣である……其処に間違って脚を踏み入れたり、滑り落ちなければ……。

グレヌアンギュ > 静かな海辺に奏でられる引いては寄せる潮騒の音
森や山と違い夜に鳴く生物は少なく、その音だけが真夜中の海を彩り、暗闇の世界の半分は海だと言う事を夜のセレネルの海に足を運ぶ者に知らしめる。

しかし、今宵は人気もなく有るのは居るのは低い岩場に囲まれた潮溜りに群れて巣食う半透明な肉を持つウナギ状の生物だけで、潮騒の音に紛れヌメリある者が絡み合い、ネチャネチャネチネチと淫猥な音を混ぜて、そこに何か居る事を辛うじて周囲に教える。

潮溜りに眼を向けて、その瞳を凝らせばその姿を視認する事が出来るだろう
その手を潮溜りの海水にひたせばヌメリある水と何かが触れる感触にその存在を知覚できるだろう
そして足を踏み入れれば其処は静寂の海ではなく、餓えた魔物が巣食う煉獄だと理解する事が出来るだろう

潮騒の音、絡み合う音……静かな海にただただ広がっては消えていく

ご案内:「セレネルの海」からグレヌアンギュさんが去りました。