2016/11/23 のログ
ご案内:「セレネルの海」にアンブロシアさんが現れました。
アンブロシア >  
引いては寄せる潮騒の音、稀に魚の跳ねて水面を打つ音が混じる以外に一切の音の無い闇色の海が広がる岩場の多い海岸、白い砂が広がる砂浜……。

吐く息が白くなる程に寒い夜だというのに、砂浜を歩く人影が一つだけ見える。
傍から見ると狂人としか思えぬボロボロに朽ちかけたローブを身にまとい、足を引き摺るようにして白い砂浜に何かを引き摺った様な痕を残して彷徨う人影。

ずる……ずる……ずる………

白い砂浜に打ち上げられた流木を避け、ただただ白い砂浜をうろうろと彷徨うそれは人ではなくモンスター。
ボロボロのローブはモンスターの巣、砂浜に残るは足代わりに砂を蹴る触手の這い跡。
潮の香りに掻き消されてはいても嗅覚が敏感な者が嗅げばローブの内側からは生臭い香りを放っているのも嗅ぎ取れよう、嗅覚が鋭敏な者がいれば潮騒に混じりヌチャ…ヌチャ……と、ローブの中で触手同士の絡み合う音が聞こえるだろう。

獲物を探すのにはあまり良い場所とは言えぬ砂浜
それでもヒトに擬態するモンスターは獲物を求めて、白い砂浜を犯していく。
粘液で不気味な足跡で音で香りで……。

アンブロシア >  
今宵はただの気まぐれだったようだ。
ボロボロに朽ちたローブに巣食ったモンスターは砂浜を越え人里の方に歩いていく。

ずる……ずる……ずるずる……

普段と変わらぬ重たい足音と生臭い香り
それを砂浜に残して人影は何処かへと…

ご案内:「セレネルの海」からアンブロシアさんが去りました。