2016/07/22 のログ
ご案内:「セレネルの海」にアルさんが現れました。
アル > 静かな夜の海。波の音だけが響く浜辺を、籠を背負った黒髪の少年が歩いていた。
危険な海の近くと言事で、腰には剣帯。左腰にはショートソード。右腰には盗賊の七つ道具が入ったポーチ。
しかし身に着ける武装はそれだけ。衣服の類は着ておらず、腰を隠すように体にフィットするビキニタイプの衣服――俗に言われる水着姿だった。

「何の因果でこんなことに……」

少し疲れたよう、溜息と共に呟きを小さく零すが、結論から言えば自業自得。
海岸線にある岩場から、海底に続く洞窟を調査しようと近くの港町まで来たのは、数日前の事。
その日に見つけた11連当たり付きクジに、性格費を使ってしまった結果が、今の姿であった。
トボトボと歩きながら右手に持った木製のハサミで、落ちているゴミを拾うと、背中の籠に投げ入れる。

「プラチナ賞のパフパフ券……11連は10回の値段でお得だって聞いたけどさぁ」

当たるはずもなかった夢の券。無念そうに呟くと、何かを諦めたように歩くバカな少年の足跡だけが、砂場に残っていった。