2016/01/30 のログ
ご案内:「セレネルの海」にスクアリオさんが現れました。
スクアリオ > 「いやっほおおおおおおぉおおぉおおぉぉぉぉおおおおっっ!!!」
バシャバシャと響く水の音。
揺れる緑色の髪。
遠くから見れば同化したように見える青い肌。
その奇妙な人…?影は、その水面を滑るように走っていた。

スクアリオ > 「んく、ん………ぷはぁ。」
一旦潜ったかと思えば、また顔を出す。
数瞬の後、彼女の深緑の髪が燃え上がるような紅蓮の髪色に変わる。

「っしゃあ!まだまだ行くぜェッ!」
…心無しか、目つきまで変わったような。
それでもやることは変わらず、まだ水面で遊ぶようで。

ご案内:「セレネルの海」にリドさんが現れました。
リド > 「……何かしら、あれ」

気分転換に海辺を訪れれば、水面で遊びまわる影がある。
不思議そうにそれを眺めながら呟きを一つ。

「…まぁ、いいわ。お仲間かもしれないし…」

言うと自分も身につけていた服を脱ぎ捨て、いつ濡れても良い格好になっていく。

スクアリオ > くんくんと鳴らされる鼻。嗅覚などなさそうではあるが。
兎にも角にも、遊んでいたところに現れた、一つの影。
肩や胸元が男女を惹きつける魅惑の褐色肌。
森林の奥のような色をした髪を頭の上で纏めている少女。
その女性はただでさえ面積の少ない服を脱ぎ捨てて…

「おーっと…待とうか、アァっ!?」
可愛らしい声で凄むが、威圧感はそんな発揮されず。
可愛い声と可愛くない口調で、畳み掛けるように喋り倒す。
「テメー、まさか海に入ろうって気いじゃぁ無えだろうなぁ…?」
「ここで遊ぶ前に、ちょーっとお姉さんと遊んでもらおうかぁ…?」

どうやら彼女は、その侵入者に牙を向くようで。

ご案内:「セレネルの海」からスクアリオさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にスクアリオさんが現れました。
リド > 「……ん?」

さして威圧感の感じられない声、そして口調。
此方に向かって凄む先客を再び見遣って。

「海はみんなのものじゃなくって?……まぁでも、遊ぶのはいいわよ」

言うと身構え、対応できるような臨戦態勢。
グローブもクロスボウも今日は持っていない為、メインは素手での戦いになるが―――

「さ、いらっしゃい?」

スクアリオ > 「皆に邪魔されたくねーからこっちに来て遊んでんのによー…ったく。」
なお、水面の上である。
悠然とその上に座り込み、ボリボリと頭をかいたあとに。

「それじゃあ行きますか…っと!」
体制が整ったのであろう侵入者に向かって、一気に距離を近づけて飛び込み蹴りのために跳躍。

よく見ればこの水面走りを見せつけていた彼女の体は半透明だ。
まるでゼリーのようで。
そんなぷにぷにしてそうな身体ではろくにダメージは与えられないだろう。
勿論、それは彼女もわかっている。

「我が纏いし水よ、我が意志のもとに姿を変えよ!液装変化・硬!」

と何やら呪文を唱えれば瞬間に足先が凍ったように。
…効果は、呪文から想像できるだろう。
先っぽだけ固くなった足を、彼女に向けて思いっきり振り下ろす。

リド > 「あら、奇遇。私も人気の無いところで遊ぶのが好きなのよね」

水面に座り込むその姿から、常人ではないことを察知していた。
一息、距離を詰める彼女の動作に只者ではないことも知る。

「―――…っ、速い……!」

振り下ろされた足を、後方に飛び退くことでかわす。
半透明のゼリーにも似た身体が気にはなるが、今度は此方が攻める。

砂場を蹴り、両手で彼女に掴みかかった。

スクアリオ > 「避けんな!」
…普通は、攻撃されたら避けるはずである。
しかも、「海に遊びに来たら先にいた人に噛みつかれた」なんて状況であれば。
人ではないが。

振り下ろした氷は空を切り、砂を抉る。
クレーター…とは行かずとも、多少なりとも凹んだ地面。
振り切った直後の体制。崩れたバランス。
伸ばされた腕は、確かにそのゼリー状の両腕を捉えた。

「おっとぉッ!?…くくく、いいぜェ。チョーいい。凄くイケてる。」
「まぁ…アタシが人間だったらなぁ?」

そう不気味な笑みを浮かべながら、今度は小声で呪文を唱える。
何をしているかわからないが、何かしでかすのは確かだ。
早めに追撃をかけないとどうなるかなど、想像するまでもないだろう。

リド > 凹む地面を見、ヒュウ、と唇を窄めた。
ゼリー状の両腕を捉えても、大して手応えは無い。

「……っ、ふ。……お褒めの言葉、光栄ね……っ!」

言うと掴んだ腕を引き寄せるようにして、その腹部に膝蹴りを打ち込もうとする。
ダメージは少なくとも、唱える呪文の妨げにでもなれれば幸い。

スクアリオ > 唱えられた呪文は、一般的な水属性の魔法だ。
飲める水を召喚するだけの、極々初期に習うような基礎魔法の一つ。

「残念、今度は悪手だったぜ。」

使う人が変われば術の威力も変わる。
その事を文字通り身を持って知る事になるだろう。
吐き出された水の位置は、二人の頭上。
びしょ濡れになるスクアリオ。
その水を吸い込み、膨らむ。
彼女が放った膝蹴りは、通常の人間であれば確かに効果的な一撃だった。

だが、この女は通常の人間ではない。
水を取り込み、文字通り手足にして扱うスライムだ。
そして膨らみ、力を増やした彼女に、膝蹴りが打ち込めるほど近づいた事実。
組み合わせれば、この後に起きる悲劇は簡単に想像できるだろう。
膨らんだ体を広げ、彼女全体を覆うように身体を伸ばす。

リド > 「―――…っ、く……!」

頭上に吐き出される水を彼女と共に被り―――
膨らむその姿を見、距離を取ろうとするがもう遅い。

悪手と呼ばれたが確かにその通りだった。
身体を伸ばす、その範囲内から逃れる術もなく。
恐らくあっという間にその身を覆われるだろう。

スクアリオ > 「んふふ………さぁ、どうする?」
完成した水のドーム。
長さにして直径5mも無いその空間に、侵入者を閉じ込める。

なお、彼女の顔は天元にある。
内側から見ると非常に滑稽ではある。
が、笑えるような自体では無いはずだ。

「我が纏いし水よ」

また唱える硬化魔法。
脱出を測らなければ、彼女は完全に閉じ込められてしまうはずだ。

リド > 水のドーム中に閉じ込められる。
天元にあるその顔を見上げながら、とりあえずもがいた。

硬化魔法が耳に届くと同時、思い切り足を蹴る。
勢いに乗せて一息に水中から脱出し―――

「―――…っ、はぁ!」

ずぶ濡れの身体を見下ろしてから、落ちた髪をかき上げる仕草。
そうして眼前の彼女を見据える。

「……なるほど。面白い能力ね」

スクアリオ > 割られる世界。
響くはどぷん、と言ったくぐもった水の音。
作ったドームからは脱出された。
瞬時に身体を人間体に戻したあと、軽く彼女を睨みつける。

「っかあー!イケると思ったんだけどなー!」
「じゃあほら、来いよ。今度はテメーの番だぜぇ?」
そう挑発しながら、両腕を広げる。
そのまま指先を彼女に向けて、クイックイッとさらに挑発を重ねてみる。

リド > 瞬時に人間体へと戻されるその姿に、また笑った。

「そうね。と言いたいところだけど……」
「掴みどころの無いその身体じゃ、とてもじゃないけど戦うのは難しそうね?」

言って此方も両腕を広げる。真似するように。

「手応えのある身体になってくれれば、とても楽しそうなんだけど……無理かしらね?」

スクアリオ > 「………ハハハッ!!いいぜえ、乗ってやろうじゃぁああねえかああああっ!!」
そう吠え、また水属性の魔法を唱える。

今度は初級魔法ではなく
「偉大なる海よ。我が問いかけに応じ力を示せ。」
近くに【海】と言うこれ以上無い媒体があるからこそ使えるような大技。
「命の始まりは水にあり」
彼女の広げた腕の真ん中、ちょうど胸の前に出現する、高濃度の魔力。
「彼の者の命を終わらせるのも、また水
也。」
「顕現したれ、全てを押し流すように。」
水属性上級魔法、「大津波」。
本来は自分を中心にした前方位を扇状に押し流す大技。
その大量の水は、前方ではなく頭上に放たれた。

先ほど、初級魔法程度の水だけで彼女を包み込むほど膨れ上がったこのスライム。
津波をその身で受け止めれば。


「ハハハハハハッ!!大怪獣みてえだなあぁあっ!」
吠えるだけで震える大気。
首が痛くなるほど見上げなければ顔が見えないかもしれない。
現れる、巨人。人ではないが。
「ほらあ!これで満足かあっ!」

リド > 「…………へぇぇ……」

上級魔法を浴び、大量の水を浴び、巨人のように膨れ上がるその姿。
震える大気を感じながら見上げ、思わず感心するような声がこぼれ落ちた。

手応えのある身体とは言ったが、ここまでされればとても勝てる気がしない。
少し考えた後に笑いながら――

「……素敵ね。すごく面白くて、強い技だと思う」
「さ、どうする?その技で私を押し潰してみるかしら」

両腕は広げたまま、挑発するように言ってのけるがどうか。

スクアリオ > 「さあ!さあ!さあ!アタシは遠慮なく技を使わせてもらったァ!」
また声高らかに吠えるスライム。
そもそも声帯とか無さそうではあるが。
大きくなっても変わらない声色と増える威圧感で押しつぶすように威嚇。そして。


「こいつぁ、あんま微調整出来ないからなあ!気合で避けるんだなあ!」
唸る轟音。
硬化魔法は使っていない。
使っていない、が。
ゼリーとは言え、この体格になればたかがゼリーであろうがその衝撃は耐えられるものでは無い。
挑発に乗るように、彼女を潰さんと拳を振り落とす。

リド > 「はいはい……っ、とぉ……!」

振り落とされる拳。その範囲を見るなり、嫌な汗が滲んだ。
その衝撃を避けんと地を蹴る。

飛び退くだけでは足りず、駆けた。
目にも止まらぬ速さで駆け抜け―――間一髪、その一撃を避ける。

勢い砂上を転がり、仰向けになって一息吐いた。

「……参ったわ。降参。疲れたしね……」

スクアリオ > 地を蹴り、地を跳ね、地を転がり。
すんでのところで避けられた、ぷにぷにした拳。
反して響いた音は地震かと見紛う…聞き紛うほど。
その拳の横で寝っ転がる彼女の敗北宣言を耳にして

「くくく…勝ったァッ!」
とドヤ顔で勝利宣言。
器用に指の腹で頭を撫でながら

「アタシはだいたいここらで遊んでるからなあ!また遊びたいときゃあ何時でも来いよ!」

と言い残し、海に消える。






巨人のまま。

リド > 「やれやれ……戦いに来たわけじゃないのにね…」

小さく呟くも、怒りとか残念とか、そういう気持ちはあまり無い。
巨人のまま海へと消えるその姿を見送りつつ――

「……今度遊ぶ時は、戦いじゃなくて別のコト……したいわね」

そんな言葉を落とした。しみじみと。

ご案内:「セレネルの海」からリドさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からスクアリオさんが去りました。