2021/10/10 のログ
■クレイグ > 動きが大きい割に音がほとんどしない、鍛えられてるのもあるだろうが、体裁きも大したものだと考えながら。
「幸運なのはこっちもだしな」
隣に座るジギィに笑いかけながら。
「良い女相手には良い所見せたくなるんだよ、男だから」
またくっくと喉奥で笑い。
「酒は好きでな、一晩で一種類じゃ寂しいから大体は2種類くらい持ってるぞ」
そういって自分の水袋を煽って、ぷはぁっと小さく美味そうに息を吐く。
「しっかし、虫がこんだけ鳴いてるって事は、今夜は何事も無いかもな、あいつら何かあるときは直ぐいなくなるし」
虫の音に耳を傾けながら、そんな事をつぶやき。
■ジギィ > 「やーん、ありがと。
見た目よりかは年イってるから、若いって良く言われるー」
イイ女、と言われるとくねっとシナをつくってみせる。わざとらしすぎるので色気は+-ゼロといったところだろうか。
そのまま二口目をひとくち。
「あら、結構な酒好きねえ?お腹大丈夫?中年太り的な意味で。
もしアレならいい薬あるよ、おニイさん」
女エルフは笑って言いながら横目で見て、肘でかるく横腹をつつく。本気で心配している訳では勿論ないが、たまーに少しでも筋肉の上に乗っかってしまっている人は良いお客になったりするので売り込んでみる。彼に心当たりの人が居れば売り込んでくれるだろうし、というのもちょっとだけ織り込み済み。
「ン―そうね。多分何もないけど、何かしておかないと安心できないってところかなー。
後はやくざな話だけど、こういう襲撃から守ってあげるっていうのが村に拠点を置かせてもらってる言い訳のひとつにもなってるし、恰好だけでもつけておきたいんじゃない」
爪先をぷらぷらと揺らして、男の呟きに返答を返す。肌に色はあるが皮膚が薄いのかもしれない、女エルフの頬はややぽおっと火照っている。
「あーほんと……ないと思うんだよねえー」
サボりたい。とは言葉にはしなかったけれど
続く盛大なため息は言葉以上に語っていただろう。
■クレイグ > 「そうなのか…ま、そもそも女の年はあんまり気にしないがな」
下手に言及すれば、怒られ怒鳴られる領分だ。
言葉などならいい方で、酷い時は物理的に何かが飛んできたり、魔術的に飛んできたりするわけで。
さらにいうなら、長命種相手に何を、だ…自分より年上で、どう見ても年下とかがざらにいすぎる。
「体を動かす仕事だから、今の所は平気だな…何人か同業で危なそうなのは見かけるが」
肘でつつくと、年のわりに筋肉の上に贅肉はなさそうな固い感触。
毎日きちんと体を作ることをさぼっていないのだろうという予想は付く感じで。
「そりゃな、前線に対する重要地点の一つだしな、警戒するのは当然だ。
村だって、拠点になってる分、ある程度金は落ちてるだろうけどな、村民がそれで納得はできないか、駐留してるから襲われるんじゃないかとか、思うのもいそうだしな」
ふむっと少し考えながら。
「最初に聞こえたように、仕事だからな、金貰ってる以上は、期日までの仕事はきちっとしないと信用にかかわるからな」
苦笑しながら、肩に掛けていた袋から、小さな布袋をとりだして、自分の大きな掌の上に中身を出す。
ほしたベリーが数種類混ざってるものの様子。
「よかったら摘みにでもしてくれ」
その布袋の口をあけ、ジギィとの足の間に置いてくれる。
■ジギィ > 「あらそうなの?嬉しいこと言ってくれるねー」
肘で突いていた腕が、今度はバシーンと彼の背中を叩こうとする。当たれはヒリヒリくらいはするかもしれない。
ともあれそれと先ほどの肘でつついた感触とで、どうやら彼には無用の心配であろうことは察する。残念半分、関心半分で三口めをひとくち。
「多分不満は結構ありそうよね。あからさまに村の女の子とかに手ーつけてるヒトもいるみたいだし。
何度かこの村に派遣されてるけど、大体敵意無い事がないもんねー」
仕事と信用云々については肩を竦めて同意を表して見せて、少し深く腰掛けて木箱の上に踵を載せる。そうして膝を抱えるようにすると、拗ねる雰囲気が少し強くなる。
「ながーい付き合いになるんだし、正規兵のほうで少しずつ仲良くなれるように工夫してくれたらいいのにねー…あ、ありがと」
置いてくれた袋を覗き込んでから、手を伸ばして一粒つまみ上げる。ぽいっと放り込んだそれは少し酸味があって、甘口のワインと丁度いい。
それを飲み込んでんふー、と満足の吐息を零して気付く。
「やばい、少し酔ってきた。
ありがと、こっちはもうごちそうさま!美味しかったよ」
手を口元に当てて確かめると、男の方へワイン水袋を返そうと差し出す。受け取ってもらえたらな、空いた手で自分の腰についていた革袋を探って。
「お礼ってわけじゃないけど、何か薬草お裾分けするよー。
回復役とよく一緒に行動するなら、攻撃補助になるお香とか閃光弾とかもあるよ」
それから片目を瞑って見せて
「王都で売れ筋の精力剤が良ければ特別価格でお譲りしちゃう!
…使うと3日元気になりっぱなしの後、1か月使い物にならなくなるけど」
ハートマーク付きの言葉の後に、こそっと小声で付け足す副作用。
■クレイグ > 「良い女は、良い女…其処に年は関係ないしな…っと」
バシンと背中を叩かれるが、少し驚き、上半身が揺れる程度で。
むしろ、先ほどの肘と今の手の感覚や音、ぱっと見た感じ、先ほどの屋根からの着地等から体は色んな意味で柔らかそうだなと思いつつ。
「村の女性ってのは、大抵抵抗できる力もないし、訴えても下手すれば訴えた相手がそのまま、お代わりになりかねないからな。
女のジギィでもそれだろ、俺も来た時の視線はかなりやばかったな」
ふぅっとため息をついて苦い顔をしつつ。
「正規兵は余計期待できないんだよな、一部しかまともなのいないんじゃないか、そしてそういう奴らは前線にいるだろ。
酒のみだからな、つまみぐらいは持ち歩いてるさ、いや実際は果物取らずにいすぎると体調崩すからだが」
経験からか、果物などを食べる大事さを知っている様子で。
「ま、愚痴くらいは聴くさ、酔ってなくてもな。
美味かったなら重畳だ」
水袋を受け取りながら。
「そうだな、普通に傷に効くのと、毒消し関係かね、閃光弾はありかもな、戦術の幅が広がる」
そんな事を言いつつ。
「精力剤は世話になるほど枯れてないしな、それに…使うまでもなく、相手が先にダウンすることが多くてな。
あと、そこまでやばい副作用のは御免被る、一か月とかなんの拷問だ、それ」
小声で返す男を見ていて、違和感に気づくかもしれない、全く魔力が感じられない事に。
話をして肘とはいえ触ったので判るが生きているし、普通の人ではある、が…全く魔力が漏れてすらいない。
最初に気づかなかった要因の一つかもしれない、と。
■ジギィ > 「だから人員募集しても中々集まらなくて、結局お給料上げて対処してるんだもんね。…まあ、こっちはそれにノってる形なわけだけど」
男の溜息と苦笑いに、女エルフは顰め面を返してからけらっと笑って見せる。そうしてまた、片手で膝を抱えて袋からベリーをひとつまみ。
「やだあ、酒飲みなら酒飲みらしく身持ち悪くしててよー。こっちの商売あがったりじゃないの。
んー…そーね。じゃぁ閃光弾はお試しでひとつ。とー、毒消しと化膿止めとふつうの薬草ね…」
言ってからつまんだベリーを口に放り込み、腰の袋をごそごそと探る。
そうしながらふと感じた違和感。大体の生き物につきもののはずの、周囲の精霊の様子が感じ取れない。
「……そうやって精剛を語るひとが後から相談にくんのよ。ま、おぼえておいて。――――ハイこれ」
訝しげにしてしまった表情は、袋の中を探っていた為だと思って貰えたらいい。女エルフは目の前で有効的な相手を、わざわざ探るつもりはなかった。
言って取り出したものはベリーの袋の隣、男の側へ。
ピンボールほどの大きさのごく軽い弾と、薬包紙に包まれた小さな包み6つ。
「薬はそれぞれ一つお礼のぶんと、もうひとつはサービス。気に入ったら次から買ってちょうだい」
言ってから、薬包紙に包まれたそれぞれのマークがどの薬なのか説明する。言いながら、上目に男の様子を探ってしまうのは仕方ないことだろう…
■クレイグ > 「ある程度の危険手当も込みだから、かなり払いは良いしな…儲けられる時期ではあるが」
笑うジギィに合わせるように、また苦笑して。
「酒飲みだから、体には気を付けてるんだよ、酒で潰れた奴らも多く見てるからな。」
くっくと喉奥で笑いながら、くすりの包みを取り出すのを見て。
「それじゃ、やばそうになったら”色々”と相談に乗ってくれな」
訝しげになった表情は特に気にしてないのか話題にもせずに。
薬包紙に包まれたそれをマークを確認しながら、腰の革袋にしまい込む。
「効果がしっかりしてれば、まとめ買いなんかもするかもな、その時はサービスよろしくな」
そう言って革袋から視線を戻し、上目にみていた視線と自分の視線が合わさると。
手をひらひらと振って、くっくと喉奥で笑う、どうやらこの笑い自体が機嫌が良い時の笑いの様だった、
■ジギィ > 「因果な商売よねえ。…薬師も似たようなモンだけど。
酔えればいいってわけじゃなくて、真面目にお酒好きなのね?ざんねーん」
いやん、と口元に手を当てて悲痛な顔をして見せてから、苦笑に対して屈託ない笑いを返す。薬包紙の包みをしまう姿をなんとなくまじまじと見て、視線が合うと反射的ににへらっと笑いを返すだろう。
「流石、しっかりしてるねー。まとめ買いなら当然サービスするよ。周りにも宣伝よろしくね」
喉奥で笑う男にピースサインと共にウインクを送って、踵に力を入れると木箱からぽんと飛び降りる。女エルフはそのまま手の動作付きで深呼吸ひとつしてから、男を振り返って。
「―――じゃわたし、信用を保つために仕事に戻るよ。
あーぁ…本当はこのまま眠れたらいいんだけど。
クレイグも立ったまま気絶しないように気を付けてー」
じゃあ、とひらっと手を振ると、降りてきた時の巻き戻りのごとくするすると屋根へと登って行く。無論、道具も手品も魔法もなしだ。
屋根の縁にまで身体を持ち上げると、また音もなく煙突の傍まで滑るように移動して、男からすると死角へと姿を溶け込ませて
「おやすみー」
最後の最後、煙突の影から男に向かって手を振った。
付け足した言葉は、まあ仕事が明けたあとのを先取りしたものだと思ってもらおう。
そうしてその夜は、預言(?)どおり、平穏無事に過ぎ去る筈で…
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からジギィさんが去りました。
■クレイグ > 「んじゃ、巡回にもどるかね」
屋根上に、戻ったジギィを見送ると、あれでスカートだったらと思いつつ。
そうだったら屋根には登らんか、と苦笑しながら。
木箱から腰を上げ、ベリーの入った袋を肩掛けの革袋に戻し。
「なんか起こりそうな感じじゃないんだけどな、虫の声と良い」
そう呟きながら、周囲に響くような大きな音を立てずに巡回に戻っていく。
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からクレイグさんが去りました。