2021/05/14 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 村は今宵、その佇まいに似合わずあちこちに焚かれた篝火で明るく照らされている。

祭り、などという催しではない。
村に数少ない酒場や宿屋からは賑やかな声が聞こえたりするし、そこここで聞こえる声も上機嫌なものばかりだけれど
篝火の合間を行き交う黒い影たちからは鎧や武器の擦れる耳障りな音がするし、飛び交っているのも粗野な言葉が多い。

「はあああああ――――――」

そんな村の中心から外れた、ここも明々と篝火に照らされた、森との間にある柵に腰掛けている人影がひとつ。
外側には魔法で侵入探知がされるようになっているから警備には及ばない、とは聞いているけれども。

(賑やかなのもね…こういう種類だとちょっと)

実はつい先ほどまで、駐屯している兵士たちとともに酒場で盛り上がっていた類ではあるのだが
段々と村の住人への圧力というか、まあまあな仕打ちを見て居られなくなって、そーっと離脱してきたところ。

庇い立てしてあげられる実力もないし、何より背景も良く知らないから口出しは藪蛇になる可能性もある。

(…てのは言い訳かな)

心に澱を残す光景を見る前に避難してきて、柵に腰掛けて酒で火照った頬を夜風に嬲られている。
空を見上げれば見事な星空。
篝火が無ければもっと見やすかっただろうな、なんて思ってから視線を下に落として
草笛でも吹こうか、と足元の草を爪先で探ってみる。

ジギィ > ごそごそ。
探ってみるけど意外と見当たらない・
平べったくて細目で、繊維がしっかりしたやつ…

「…ンン――――…」

ついつい夢中になって、視線が柵の外。森の方へ。

(あ――…あれとか、丁度良さそう)

そっと出れば、大丈夫かも。
女は柵の傍にしゃがみ込むと、そーっと策の外側へ手を伸ばし…

果たして、女は本当にそれを行ったのか
それとも思い留まって他の草を探し当てたのか

しばらく後に呑気な草笛の音が聞こえてきて
それは篝火の爆ぜる音とともに空に吸い込まれて、村の不穏な夜は更けていく…

ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からジギィさんが去りました。