2021/02/23 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)畜舎」にジギィさんが現れました。
ジギィ > アスピダ攻略の拠点のひとつとなっている村。
夜というのにあちこちに篝火が焚かれ人影が行き交い、村には不似合いな鎧や武器のこすれ合う音が響いている。
中でも宿屋は司令塔の集まっている事もあって、今宵も賑やか―――たまになぜか女性の嬌声も聞こえる―――に人が出入りして、即席の不夜城と化している様子だ。

その、中心部から外れたひとつの畜舎。
篝火も及ばない場所にランプひとつで、建物のなかに佇む姿がひとつ。

ここ最近物資の盗難が続いているとかで、本来集められている筈のそれらは今、この畜舎に積まれて夜は見張りがつくようになっていた。

「…可愛そうに」

ランプを少し掲げて、女がぽつりと零す声は遠くの喧噪に紛れるくらい小さい。
入口から真ん中まで鎮座した物資に追いやられて、本来の使い主たる羊たちは畜舎のなか奥の隅のほうへとぎゅうぎゅうに囲われて、それでも何とか眠りにつこうとしている様だった。

女は手にしていたランプを地面に置くと、ごく小さく歌を口中で歌いながら、そっと羊の群れに近づいてく。
柵越しに中を覗くと、そっと柵の扉を開いて。

「―――おいで」

逃がそうという訳ではない。
物資の合間だとしてももうすこし、ひろびろと使わせてやったとていいではないか。

ジギィ > 「――――ぅは…」

しばらく何事も起こらずにもそもそと毛玉たちが呻くように鳴いていた。
女がすこし不安そうに唇を開きかけた時
柵のそばに居た一匹が柵の外にのそりとこぼれると、つづいてのそり、のそりと、急ぐでもなく悠々と小屋の中へと散らばって行く。
足元を行くもふもふがくすぐったくて女からは思わず声が零れる。

羊たちはあるものは干し草の寄せられた隅へ
あるものは物資と物資の合間へ。
たまに物資を包んでいる藁が毟られている音がするが、たしか此処に置かれているのは食料ではないから構わないだろう。

(――――さて…)

思い思いにくつろぐ毛玉たちの様子を見渡すと、女は満足げに微笑んでランプの上に屈み込んで、その灯りを吹き消す。
それから出口ちかくに悠々と寝そべる大きな羊の一体の傍へ行くと、そのすぐ傍らへ寝転んで

こういう時は、動物たちのほうが余程敏感で聡い。
見張り代わりは羊たちの動物の感にまかせることにして
女は干し草の香りに包まれて、朝までゆっくりと休養を取らせてもらう事に――――

ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)畜舎」からジギィさんが去りました。