2020/10/02 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)広場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > ゾス村広場
中継地点で利用されるゾス村は、軍が埋めるか旅団が埋めるかでしか無くなっている
バフートを地獄とするならここは辺獄と呼ぶべきだろうか
村から出ることすら敵わない村人らは、虐げられるまま

メイラはそんな惨劇は幾つも見てきている
子供が攫われ、老人が祈る姿で上顎から上が無く、女は輪姦される。
護衛役で訪れただけのゾス村ながら、身体が“欠けていない”だけで何も変わらない

しかしメイラは機嫌が悪そうに、広場で酔いどれ、村人を隷属のように扱う騎士数人の一人
それにズカズカと歩みを進め、肩に担ぎ携えていた病巣のような黒錆で覆われた特大剣を、横薙ぎに振るった。

「―――ッ!!」

音は鉄の悲鳴 横薙ぎに振るった怪力の一撃は、鈍らな黒錆に覆われた刃ではなく、その身幅のある面で打ち付ける
騎士の甲冑が胴を凹ませ、無様に転がったのを見て鼻を鳴らす。

一人が、仮にも同じ騎士を相手に奮ったメイラを、狂人と罵り剣を抜いた。
メイラは一人では済まず、二人目にも狙いをつけていた。
両手上段に既に振るい上げていた、切っ先が平たく折れた銀杏型の角を見上げ、騎士が叫ぶ。

『止め゛(ガゴォッンッ!)!?』

銀杏型に折れた切っ先は、まるで斧のように未だ先端を膨らませた一撃を備えている
鈍器、バトルハンマーの如く角を剥き身の頭に押し込まれ、甲冑胴体に半ば拉げて食い込んだ。

「……ふぅぅぅぅ。
 ああ、スッとしましたわ。」

両の手のみを覆う、蛇腹の黒いガントレットに包ませたそれが握る柄が緩む。
他の騎士らも動けない
恐怖とデメリットが大きい相手に、腐った騎士と雇われ傭兵が手を出すことはない

王以外に靡かない狂人相手に、それは無駄というもの。
癇に障ったかのように、その甲冑に靴底を添え、引き抜いた剣を地面に片手で振り下ろす。
食い込んだ地面のぶつかる音と掃われた血糊。

正義も憐憫もなく、ただの気まぐれ。
赤の他人ならいざ知らず、赤の他人な同僚だから起こした行動

「ぎゃあぎゃあとうるさかったですこと
 全く、王も何をお考えなのかしら。」

そう言って唾を吐きかけ、足蹴にする躯
他の顔ぶれを指さきでちょいちょいと呼びかけ。

「外にでも捨ててきなさいな。
 どうせすぐに処理されますわ。」

そう言って、まるで何でもなかったかのように振る舞った。

メイラ・ダンタリオ > 辺りは一面静かになるものの、この気まぐれなメイラは目ざわりだったから殺した
それだけの行動をもう咎めるものはいない
胴体に叩きつけられただけの相手は、悪態を尽きながら別の場所へ行き、それを見つめるメイラは冷ややかなもの。
髪をくるくると弄びながら、ギザ歯の口元を綺麗にかみ合わせ、への字にしたまま呟く。

「嗚呼、退屈ですわ……。
 役立たずの一人や二人殺したところで戦場が進むはずもなし……。
 おまけにまともな肉も食べれやしない。」

ゾス村へ来たのは中継地点としての維持の確認、及び補給物資の輸送
要塞で鼬を続ける部隊へ届ける物資にはゾスで卸すものもあった

娼館と酒場 村人の維持にはある程度の酒と食料が必要だった
何もなしに旅団から奪われるのを防ぎ続けろなどは、メイラももちろん不可能だ。

「要塞都市は今頃どうなっているんですの?。
 少しは進撃できているのではなくて?」

護衛で訪れた他の相手と、手持ちの水替わりの葡萄酒を革袋から口に運び、回し呑む
しかし返事はいつもと同じだ

まだこの周辺で脅かす旅団の斥候や魔物でもいたら殺すほうが、はるかに有意義だろう
顎にガントレットの切っ先を添え、それも一興かと思いながら。