2020/08/09 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)広場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > ゾス村 広場にて
豊かとはいえない閉鎖的な村であるゾス村が血の旅団の占領から解放されて幾日
王都マグメールから馬で中継であるこの地点までやってきているものの、未だ城塞都市は遠い。

況してや内部に侵入することすらできていない話も聞いている。
王はなによりも、今後の魔族との闘争も兼ねてあの城塞都市を、あの元団長を絶ち憂いを掃おうとしている。
馬を休ませている間、通常の騎士らと違い魔獣の革製の鎧は金属とは違い異質。
鈍器や斧を携えればバーバリアンと言われてもいい風貌だった。

だが周りでそれを口にできる者はいない。
狂っているダンタリオと呼ばれる家系人物故でもあり、広場で今事を起こしている本人は苛立ち気味に、娘一人を
娯楽性の薄いこの場所から持ち出してお楽しみしようとしているのに感けてサンドバックに仕立てていた。

「わたくしの目の前で! 癇に障るものを! 見せるんじゃ! ねぇっ! です! わっ!」

相手は騎士である。
メイラもまた、騎士である。
しかしそれが王ではない限り、メイラは戦場と血力を高めることにしか費やさない狂人一派。
両腕を硬く握りしめ、腕に掘り込まれた黒い入れ墨がまるで装甲のように両腕に浮かび上がると、轟っ!と肝臓部位へ。
還す一撃も脇腹へ向けたものながら、ぼっこりと凹ませるまでいき、地に伏せる相手を踏み砕く。

ただでさえ名高い元団長を相手に未だ城塞都市から出ずる旅団一派と戦うのみ。
そんな状況の中で、身体を持て余すメイラは目の前で勘に障る相手を踏みつける。
腐敗騎士を踏みつけてもなんら拙いとは思わない。

「失せろですわっ!」

ごいんっと鎧事蹴り上げて転がすなら、その端正なギザ歯からふしゅうううううと白い吐息を漏らす。
混ぜ物らしい演出を含めながら、ずんっずんっずんっと広場で飲み売りをしていた男の前でゴルドを数枚渡し。

「なんでもいいですわ。
 軽いのをよこしなさい。」

そう言って適当な温い酒精を樽グラスで喉と胃袋に水気を与えた。
周りは引く者と、笑って腐敗騎士の末路を見ながらサムズアップするものまでいる。

メイラ・ダンタリオ > 生ぬるい酒
その程度でも持て余す体は熱を引かせる。
王都での休みでは純粋にプライベートを。
戦場では闘争を。
この体はどこまでも使い尽くすに限った。

故にメイラは戦線へ赴くための途中で、目に煩わしいものを鎧越しに変形させ、断ち切らなければ脱げないようにすらしていた。
それですら貴重な戦力だろうと諭されようと、その屑の分まで首を取ればいいだけだと、投げやりに返すのみ。

共に来ていた部隊に声を賭けられれば一度招集がかかったらしい。
既にグラスの底まで乾いていたそれを返すのなら、ギザ歯の歯列を舐めながら微笑んだ。

早く戦場を 敵方ならばどうとでもしてもいい。
途中地点で娘を冒す暇があるのならと、広場から抜けていく。

何人かの空気が抜けながら、変形された騎士は歯ぎしりをする。
狂人の背中を見送るだけながら、その顔もまた狂気だった。
戦場で矢を向けてくる意志は、結果的に戦場で戦働きをするための、地力となることに。

ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)広場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。