2020/05/30 のログ
■ティクス > 事実、壊れてしまったと。そうとしか言えないのが、事後の少女の状態だった。
知覚が、神経が、脳細胞が。正しく焼き切れてしまった…のだろう。牡を締め付ける、という当たり前の動作すら、此処まで来れば成立しなくなり。
ぬるりと粘付きながら引き抜かれていく肉棒は。あっさりと、緩んだ肉孔から外れてしまう。後には、子宮口から、膣口から、粘付く塊のような白濁を、垂れ流すばかり。
これが通常の輪姦、陵辱であったのなら。どれ程の数に、どれだけ使い回されたのなら、こうまで壊れてしまうのか…といった有り様だったが。
実際には全て少年一人の凶行であり。誰よりも少女を追い詰めたのは、彼女自身の暴走させられた欲望。
一旦、地面に横たえられれば。…流石に結合が解かれたともなれば、少しくらいは、絶頂感の反復も、マシにはなってくるのだろう。
あわや止まりかけていた呼吸が、徐々にだが、再開される。それでも半ば以上は、声にならない声で喘ぎ、吐き出すばかりが、回数を重ねていくものの…
「――っ゛っ…!!っげほ、っげ、っぅ゛、っ、っぁは、が、 ――がは……!?」
急速な呼吸機能の復活は。この侭では息が途絶えてしまう、酸素が足りず死にかねない――呼吸が、酸素が欲しい、と。脳が何より欲する物を求めた為。
それは即ち。必要な物を求めるという、欲望の優先順位が戻って来た…肉欲一辺倒を加速暴走させられた、少年の魔術が解かれたという事だった。
…流石に。だからといって、焼き切れた心が蘇生するには程遠く。打ち上げられた魚のように跳ね回り、悶えながら、呼吸を求めて。
人間らしさなど欠片も戻って来ないまま、生き残る為に生き足掻く、相も変わらず獣レベルに留まったまま。
多少なり、少年が身支度を調え直している間。ずっと、悶絶させられ続けてしまうのだが。
「 っげほ、げ、 ふ、…は ――っあ っぁ゛ ……は …… 」
抱き上げられる頃、やっと。正常に戻りつつある吸排気が、酸素を頭に補ったのだろうか。
空冷された脳細胞が、快楽の炎にメルトダウンし通しの少女の体を…意識を、シャットダウンする。
今までは気絶するという自衛すら侭成らなかったのだから。漸く、真っ当な人体としての機能が、回復し始めた証拠なのだろう。
――灼熱に焼け爛れた、真っ白な意識が。急速に漆黒へと切り替えられていく、その刹那。
囁き掛けられた少年の言葉は、果たして届いただろうか。
勿論、例え音声として、鼓膜に届いていたのだとしても。言語として、発話として、理解するだけの理性は。未だ戻っていなかった筈。
だから少女が、聞いた筈もない少年の挑発を、ほぼ忠実に思い浮かべる事が出来るのは。ずっと、ずっと後になってから。
次に気付いた時、その身が村の宿に預けられていた事。肉体的なダメージは、少なくとも癒されていた事。
再度、勘繰られる事の無い程度に、村人や傭兵達を探ってみれば。自身が被害者として保護されたらしい事。
そういった幾つかの事象が。少女に理解させてしまうのだ…あの少年に見逃されたと言うべきか、それとも…より正確には。
一度のみでは無く引き続き。次が有ればもう一度でも遊んでやると。そう、最後まで見下されたままで終わったのだという事を。
「…つくづく、癪だ――…覚えてろ…なんて陳腐な台詞。吐く趣味、無いけど――」
それでも。思い知らせてやりたい、というのなら。これ以上に最適な台詞は無いだろう。
…次は。次が有ったら。鼠の怖さを思い知らせられるか――少女の、人としての何かを、刻み込めるか。
どうなるかは分からないものの、少なくとも、少女の方が。彼を忘れる事はない。
立ち上がれるようになり、数日もすれば、少女の姿は村から消えた。
当初の予定通り、情報の収集が何処まで出来たかは分からないものの。
…同じ被害者同士、気にするな、と言う宿屋に対して。それでも代金代わりに置いていった幾つかの貴金属は…少年が残していった外套の物。
賊としてそれを自分の物としていかなかったという事実が。他の何でもなく、一人の人間として、という。決意の表れだったのかもしれず――。
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