2020/03/20 のログ
ご案内:「ゾス村 馬小屋」にスミさんが現れました。
■スミ > 「はぁ、まぁ
ついているというのか、ついていないというのか…」
調査帰りに立ち寄った小さな村。
一軒しかない宿屋に訪いを入れてみれば、なんとも運悪くどこぞの討伐帰りの冒険者一行で少ない部屋はすでに満室とのことで、『馬小屋なら』と案内されて今に至る。
幸いというか、冒険者たちは皆徒歩、本来の主である宿屋の馬もどこぞへ借り出されているとかで、小屋の中は清潔な馬草の香りが満ちているだけだ。
それはそれでさみしい、等と思って立ち尽くす女に、宿の主人は頭を下げつつお追従をもごもごと口中で言って、最後に『お代は半額で結構ですから』と告げて更に低頭してから去っていく。
「……取るのね。
…………まあ、構わないけれども…」
半ば呆然と闇に遠ざかる主人の後ろ姿を見送って、溜息をひとつ。
よろよろと馬草の山のほうへ近づいて、ぼすんと腰を降ろす―――落とす。
「イタタ」
かなりフカフカな部分を選んだはずなのに、お尻が痛い。
兎に角も背負った荷物、ぱんぱんに膨らんだリュックを肩から降ろして、首を左右にぐりぐりと揺らす。
小屋の中はさっき主人が置いて行ったランプの灯りひとつだけ。
月明りも細々とはあるので不自由はしないが………
遠くから犬の遠吠えなんかしたりして、やっぱりさみしいはさみしい。
■スミ > こういう時は早く眠ってしまうに限る。
幸い今日は長い距離歩いて瞼ももう重い。
ふわっと欠伸を漏らしながらリュックに止めてある野外箔用の毛布を引っ張り出し、乱暴に身体に巻き付けてぼんと馬草に横になる。
今度こそフカフカな感じがする。ほんのちょっとちくちくもするけれども。
そうやって馬草の山から赤毛の巻き毛を覗かせながら、静かに眠りに落ちていく…
ご案内:「ゾス村 馬小屋」からスミさんが去りました。