2019/04/14 のログ
ご案内:「ゾス村/小さな施療院」にサウラさんが現れました。
■サウラ > いつか訪れたときと同じようによく晴れた昼下がり。
処方薬が尽きかけた為に、古い知り合いである老医術師の許へ訪れていた。
だが村人に急患が出たとかで老医師は未だ戻らない。
小さなハーブ園を散策するにも直ぐに歩く距離は尽きて、
今は施療院をぐるりと回った裏手にまで来ていた。
■サウラ > 施療院の石壁に背を持たれかけさせて躰を休ませながら、額に薄く浮ぶ汗を手の甲で拭う。
処方薬を服用してはいるが、今日は効きが悪い。
「……嗚呼、今日はそういう日なのね」
諦観交じりの小さな声で紡ぐ。
抑制効果は完全ではないが、己にはこれに替わるものはなく、
もしも飲んでいなければ、今頃誰かを押し倒して乗っかっているに違いない。
そんな下らない確信を抱く位には、この時期特有の強い欲望と衝動に振り回され続けている。
制御可能と制御不能は常に紙一重だ。
けれど己が己である限りこれからも続いてゆくし、矢張り抑え切れずに振り回されるのだろう。
■サウラ > 石の建物の向こう側から、誰かの話し声と蹄の音が近づいてくる。
老医師と応援に向かっていた看護人たちが戻ってきたのかもしれない。
勿論異なる可能性も考慮して、施療院の敷地内に声主たちが戻るのを待ってから、
石壁から預けていた背を離して施療院の表口へ足を向けよう――
ご案内:「ゾス村/小さな施療院」からサウラさんが去りました。