2018/12/09 のログ
ご案内:「ゾス村」にエウロペさんが現れました。
エウロペ > 人気も無くなった夜の村の中を、一人の女性がゆったりと歩いている。
なぜ彼女がここにいるのかというと、時をさかのぼること数刻前…

冒険者の真似事としてギルドに赴いたところ、ゾス村への馬車に付ける護衛が確保できないとの話を伺い、では自分がと名乗り出たのだ。
見てくれは動きの鈍そうな婦人なエウロペの申し出に、ギルドのスタッフと行者は難色を示したものの、結局は彼女以外人手を確保できずにしぶしぶ出発することに。
しかし、道中に魔物や盗賊が出る可能性が高かったはずのその旅は、エウロペの認識阻害の魔法によって、これといったトラブルが起きることもなく村へあっさりと到着した。
行者の『あんたは幸運の女神だ!』なんて手のひらを返したお世辞と共に、一晩の宿代までおごってもらった。
日が暮れるのが早いこともあって、王都へ引き返すのは明日の朝、ということらしい。

「…ふぅ…風が冷たい」

いい部屋をあてがってもらったものの、慣れないベッドではなかなか寝付けなかったのか、一人宿の外に出て村の中を散策。
王都とは違って夜になればすっかり人気の無くなった村には、鳥や家畜の出す鳴き声と、風の音くらいしか聞こえなかった。
エウロペはゆったりとしたローブの上に、暖かな獣皮の上着を羽織り、村の入り口に近い家畜の囲いの方へ向かう。
彼女と同じように寝付けないのか、囲いの中を優雅に、のんびりと歩く馬や牛たちに視線を向けて、白い吐息を吐いてしばし彼らを眺めることにした。

エウロペ > 「ふぁぁ…ん、そ…そろそろ寝ないと寝坊しちゃうな」

しばし動物たちを眺めていれば、つい大きなあくびを。
恥ずかしそうにきょろきょろと、周囲に誰もいないのを改めて確認すれば、誰に言っているのか独り言。
そのまま宿へと戻る道を歩いていった。
翌日の王都へ戻る際にも、馬車は一度も襲撃を受けることなく帰還することができ。
冒険者ギルド内にて、「幸運の女神」だとか、ほんのちょっとだけ話題になった。

ご案内:「ゾス村」からエウロペさんが去りました。