2018/10/01 のログ
ご案内:「ゾス村」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > (ゾス村の夜。村に1軒だけある宿を兼ねた酒場にて。
いつもは仕事を終えた村人が一杯飲む程度でしめやかなその酒場は、人で溢れんばかりだった。それもそのはず、先日この地域に吹き荒れた嵐が街道を荒らし、その上に魔物が現れるようになったらしい。事態が落ち着くまで街道を通ろうとしていた商人や冒険者たちはこの小さな酒場に身を寄せるようになったわけで)
「明日も足止め食っちゃいそうだね。
ダイラスに物を届けるお仕事を引き受けてるんだけど、仕方ないや」
(酒場の主人たちは大量注文におおわらわ。
賑わう中、カウンター席でゆっくりとハムチーズサンドとポトフを食べる遊牧民がぽつりと呟く)
「せっかくだし、明日はお休みの日にしよう!
今晩ものんびり過ごそうー」
(そう決めつつ、スープ皿にスプーン差し入れてひとくち。
おいし、と頬が緩む)
ご案内:「ゾス村」にニアさんが現れました。
■ニア > 人で賑わい騒がしい酒場
隅の席にフードを深く被り酒を飲む盗賊が一人。
マグメールへの帰路を探って彷徨っていたところ辿り着いたこの村で
もう何日過ごしていることだろうか。
もう今更王都へ帰ったところで自分に帰る場所などないのだから気にすることじゃないのだが…
それにしても平和な村だ。
この村じゃきっと、自身の身分を明かしても捕らえようなどと考える輩はいないだろう。
念のため、顔を隠しての来店ではあるが…
「…一体、いつになれば帰れるんだろう」
マグメールを出てから早1週間以上が経過している。
いろんなことが度重なって貧民地区への期間を妨げられている状況が連日続いており、そろそろ彼女にも焦りが見えているようで…
苛立ちと焦燥感が現れるかのように体を震わしていた。
■タピオカ > 追加でペパーミントティーを頼みながら、酒場の賑わいに耳を傾けている。すべての雑談を聞き取るほど耳の数が多くはないけれど、商談や今後について話す声、ただ雑談に花を咲かせる声、人が集まるこの時を機会とばかりに女の子に声をかける軟派な声。
そんな中でぽつりと聞こえた気がする、苛立ちと焦りの呟き。見れば隅っこの席で目深にフードをかぶった人影がお酒をあおっている。何か深刻そうな空気。
瞬きひとつすると、たべかけの食事を手に持ちカウンターを離れて彼女のほうへと向かう。
「ね、隣座ってもいいかな?
……あと、何か困りごとでもあるの?
僕は冒険者なんだ。よかったらお話、聞くよ」
相手を驚かさないようにそっと声かけた。
にこにこ、同性を落ち着かせようと笑み浮かべながら。
■ニア > 「…冒険者?
……どうぞ、座って」
最近は良く人に話しかけられるものだ。
王都じゃなるべく人目に付かないように生活していたのだが、
これじゃ帰った時自分の身も危ぶまれるな……
フードを外すことはせず、席を詰めて指を指す。
冒険者なら王都へ帰る他のルートを知っているかもしれないと思ったからだ。
悪意を全く感じないその笑顔を頼りに、一度目線を少女へ向けた。
■タピオカ > 「ありがと!
今日の酒場は男の人多くて、同じぐらいの年の女の子居なくて。
ちょっと心細かったんだー」
ぱあっと表情綻ばせて、うきうきとお皿を彼女の横で並べる。
頼んでおいたティーもこちらに運んでもらい。2人の間に漂うハーブの香り。
自分へ向けられた目線に、きょとんと睫毛を弾ませた。
「何か聞いてみたいって顔してる……?
いいよ。何でも聞いて。
……それとも、お腹がすいてるとか」
どう反応しようかと困りつつ、少し首を傾けて。
お皿に乗せていたはちみつワッフルを勧めてみたりし。
■ニア > 「…酒場なんてどこもそんな感じだよ
……むしろ貴方みたいな子が一人でうろついているのは危ないと思うけど……」
明らかに見た目も中身も子供のような反応を示す少女
冒険者と言っていたが……
いくらここが平和そうな村だとしても、少女が一人でいるような場所じゃないのは明白だ。
現に、周りの男達は少女の姿をニヤニヤと凝視していた。
「…この村の近くの大通りを抜ける以外にマグメールに帰れるルートなんて、ないよね?
今すぐ帰らなきゃいけないわけじゃないんだけど…もう1週間も家に帰ってないから心配で…」
勧められたワッフルは素直に受け取るがそれは後だ。
他に帰れるルートがあるのかないのか、それを知るのが先だ。
大通りは魔物で溢れ返っているという話だし、できれば戦闘は避けたい。
他に平和的なルートがあれば今すぐにでも王都へ向かうのだが…
■タピオカ > 「そうだけどね。今のはむしろ……。話しかけるための口実。
何か悩んでそうだったから。
……ふふ。僕が、そんなひ弱に見える?」
事実、お酒を求めて酒場に繰り出すのは男の人が多い。
痛いとこつかれたなあ、と笑いながら。彼女へ声をかけるための言い訳じみていたことを告白して。
凝視する視線をまるで気にせず、腰に挿した曲刀の柄をとん、と叩いてみせる。
「マグメールに行くルートだね。
そうだね……。あるよ」
どうぞ召し上がれ、とワッフル差し出して。
彼女の問いにこくんと頷く。
ごそごそと懐を探れば、油紙で補強された小さな地図を取り出して。
「ゾス村はここ。マグメールはこっち。まれびとの道は通れない。……で、ゾス村から真下に行くと小さな漁村があるんだ。その村の人に頼めば、沿岸にそって小舟で王都の近くまで送ってくれるよ。――ただ、嵐が過ぎたばかりだから、海の波が落ち着く明日以降にならないと小舟は出せないかな」
地図のあちこち指し示しながら海路を提案してみる。
どのみち今晩足止めは食らうけれど、と眉根を下げて。
■ニア > 「…口実、ね
……ナンパにしては可愛い女の子って感じだけども…
…そんな物騒なもの、こんなとこで使ったら駄目だよ」
冗談じみた口調で笑みを含めた返答。
女の子にナンパされたことは過去に数回あったが、ここまで歳が低い相手は初めてかもしれないな。
確かに素人相手じゃ少女を取り押さえることはできなさそうだ。
これが魔族ならまだしも…
「…なるほど、ね。
……結局明日にならなきゃ帰れないことに変わりはないか…」
拡げられた地図とルート
その案内は的確だったが、事実先日の嵐は凄まじかった。
あの嵐の後の荒波を超えるのは自殺行為と見ていいだろう。
飛んで帰るという手もあるが…間違いなく人間に目撃されるだろうし、変に魔族に目を付けられるのも嫌だった。
溜息を一つ零し、財布の中身を確認。
あと一泊泊まれるか泊まれないかくらいの金銭。
1週間も外泊をして居れば当然かもしれないが…
■タピオカ > 「うん。だから今日はここでお泊りだね。
無理やり道を通ったら帰れるだろうけど、木が倒れてたり岩が崩れてたりしてるみたい。
きっと余計に時間かかっちゃうと思うよ」
しばらく地図を見せてから、再びそれを懐に仕舞い込んだ。
頷きつつハーブティーを口にして。
彼女が飛行できるとは知らないが、どうあれ強行軍はやめたほうがいいと首振って。
「……路銀、心もとないのかな。
よかったらさ、僕がとっておいた部屋で相部屋にしない?
1人用の小さな部屋だけど、宿の人に頼んで2人で泊まったら半額で済むよ。
もしよかったら……、だけど」
彼女のため息に察すれば、すでにとってあるこの酒場の二階の部屋にて、ルームシェアを提案してみる。
ベッドも2人で使う事になるものの、相手の負担は減る。
会ったばかりで信用してもらえるかどうかは、彼女にかかっているけれども。
そっと伺うようにフードの奥の目を見つめ。
■ニア > 「ん……そうね」
暫し悩んでいたが、別に急いで帰る必要もない
家のことは心配だが、急がば回れともいうだろう。
ここは少女の言う通り、大人しく足止めを食らった方がいいかもしれない。
「…いや、でも……
…貴方の迷惑になりそうだし……」
提案してきた少女に対し凄く申し訳なさそうに呟く。
信用していないわけじゃないが、会って大した時間も過ごしてない自分が甘えてしまっていいのだろうかと葛藤。
少女が言う通り、金銭的に余裕があるわけじゃないため、ありがたい話なのだが…
暫くどうしようか考えるように俯き
納得がいく考えを探るが、結局少女の提案を縦に振るしか方法はなかった。
「……せっかくだし、貴方の言葉に甘える。
…ありがとうね」
■タピオカ > 「ううん、迷惑なんて。
僕は自分がしたいことをしてるだけ。
今は、困った人を助けたいなって思ってこう言ってるよ」
その日会った旅の人に何を提案しようが自分の自由。そして、彼女がどう答えようが彼女の自由だ。
それを守る限り迷惑になることは無いとばかりに小さく、に、と八重歯浮かせる笑みで相手を見る。
「あは、どういたしまして!
同じ部屋に泊まるんだから、自己紹介ぐらいしないとね。
僕はタピオカ。ずっと北の田舎から出てきて冒険者をしてるんだ。よろしくね!」
彼女が首を縦に振れば、旅は道連れというもの。
こうして彼女と出会えた縁に喜びながら、どこかうきうきと名を名乗って。相手の名前を求める。
「――ごちそうさま、っと。
……ねえ、今日はもう休むんでしょう?
そろそろ、部屋に上がらない?」
やがて自分が食事を終えて、相手もお酒をあけた頃に宿の二階へと一緒に向かう事を提案する。
■ニア > 「…なら、お願いするわ」
真っ直ぐなほど純粋な返答に多少戸惑いつつも頷いた。
正直この寒空の中を野宿するのは嫌だったし、これも何かの縁という奴だろう。
「…私の自己紹介は……部屋に着いてからする。
……あまり、名は聞かれたくないから」
いくら王都から外れた小さな村とはいえ、誰が聞いているかもわからない。
ここでタピオカを危険に巻き込みたくはなかった。
もちろん、あとで二人きりになった時正直に答えるつもりだ。
こんな子供っぽい少女でも一応冒険者をやってるとなれば、少しは警戒も抱くものだが、別段問題はないだろう。
何を根拠にかはわからないが、タピオカはそんなことをするような子じゃないと思っている。
「…ごちそうさま。
……そうね。お邪魔するわ」
これ以上この村をほっつき歩くのもいい加減飽きてきたことだし
今晩は出歩くこともせず、少女と共に部屋へと……
その提案にはすぐさま頷き、立ち上がった。
■タピオカ > 「そっか。ごめんね、気が回らなくて。
部屋をシェアするんだし、こっちのスープもシェアするよ。
お腹があたたまって、きっとポジティブになれるから」
何やら事情のあるらしく口を閉ざす相手へ、ぺこりと頭を下げて。
名前に何かあるように、これまでも何か色々とあったのだろうと思う。
深くは聞かないものの、小皿に入ったマトンのあったかシチューを少し勧めたりもして。――そうして食事を終えたら、宿の人に事情を話して2人で泊まると宿帳を改めてもらった。彼女の名はとりあえず、適当な偽名にしておく。
「ちっちゃい部屋だけどね。寛いでよ。
……さっき聞きそびれた名前、聞いていい?」
連れてきた部屋は木張りの床に白い壁。
家具は小さな木造りの机と椅子ひとつ。そしてベッド。
窓には簡素なカーテンが下げられている。質素だけれど、小奇麗な部屋だった。
ベッドに腰かければ、相手が落ち着くのを待ってそう尋ねる。
ご案内:「ゾス村」からニアさんが去りました。
■タピオカ > ――酒場の夜が更けていき。
ご案内:「ゾス村」からタピオカさんが去りました。