2018/08/04 のログ
ご案内:「ゾス村/廃屋」にギィギさんが現れました。
■ギィギ > ゾス村の片隅にひっそりと佇む今は使われていない廃屋。
なのであまり村人が近寄る事は無いのだが、稀に宿が満室の際に旅人や冒険者に貸し出すらしく、一応ベッドは清潔に保たれ、家具なども定期的に掃除されている様で、生活観こそ無いが宿の一室の代わりくらいにはなるそんな廃屋なのだが……
ずず……ずずずず…………ずり………ずずずり………
今宵は何故か物音がする。
ベッドの下から、天井から、衣類を収納する棚から、申し訳程度に存在するバスルームの方からアチラからコチラから、廃屋の様々な場所で何かが這いずる音が……。
その音の主はスライムの亜種であるギィギと呼称されるスライムが蠢き這いずり廃屋を己が領域に変えようとしている音で、頼りないだろうが天井から下がるランプに火を灯し、良く屋内を見渡せば所々にナメクジの這った後に似た輝きが見え、明らかに何かがいる事が判るだろう。
何故こうなったのか。
それは村人の一人が無名遺跡に近づき、度胸試しにと浅い階層を進み、其処でギィギに出会い命辛々逃げ出した結果、ギィギの身体の一部がその村人に引っ付いて……と。
最初は村人も持ち帰った事には気がつかないほどに小さな塊で、誰もそれに気がつかず偶然ギィギが井戸に落ち、井戸水と言う水分を得て、身体の体積が戻り始めると今度は水分だけでは物足りず、本能を果たすために栄養を得る為に手近な建物に潜り込み、その身体を役目を果たすだけ成長する為の領域にしようと廃屋の内部に隅々まで身体を広げて、近づき入り込んだ人を襲う心算のようである。
だからだ。
廃屋のあちらこちらに這いずった跡が残滓が。
今だ耳を澄ませばそれが蠢く音がするのだ。
■ギィギ > 廃屋をまるまる一つ自らの領域に罠に変化させて満足したのか、粘液生物はスライムの亜種であるギィギと呼称されるスライムは最後にバスタブにぞるるっと音をたたせ潜り込み、その陶器のバスタブいっぱいに埋め尽くすと、意識を手放して眠りにつこうとする。
もし廃屋に侵入者があれば張り巡らせた己の身体の一部が反応しすぐさま覚醒するだろう、もし誰も来なければその時が来るまで仮死状態となり、時が来るまで静かにバスタブで過ごすだけ……。
今宵は廃屋に入り込む者は居ないようで、ギィギは時折揺れながらバスタブの中で意識を手放していく。
ご案内:「ゾス村/廃屋」からギィギさんが去りました。
ご案内:「ゾス村/廃屋」にギィギさんが現れました。