2018/03/22 のログ
ご案内:「ゾス村」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 夜空は曇っていて、今にも雨粒が落ちてきそうだった。
遊牧民はひとり、松明を片手にひとけの無いあぜ道を歩いている。整備の行き届いていない小石と砂利だらけの小道にはその松明以外に明かりはなく。あたりは宵闇の世界だ。

「うん……。野盗の気配は今のとこ無いかな。
そろそろ……今日は夜回りを切り上げよっか」

小道の周囲に広がる森に視線を送り、じっと松明をかざした後にそう呟く。

――ゾス村周辺に野盗がうろついているという話が冒険者ギルドにもたらされ、村の警護の依頼を引き受けての夜回りである。実害がなかったためにギルドから派遣されたのは自分を含めて2人。もう1人とは別々に行動している。

ゾス村周辺を念入りに夜警をする事しばらく。野盗の気配が無いと判断すれば村へ引き返す事にする。
小さな足音だけ響かせて、暗い夜道をひとりきり。

ご案内:「ゾス村」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……ふむ」

虫の鳴き声が静かに響く夜。男は、自身の周囲の気配を探り、息を吐く。
そのまま、松明も無しに、夜の闇を走りぬけ……。ゾス村へと、あっという間に帰還した。

「……タピオカ、そっちはどうだ?」

村にたどり着く前に、今回仕事を一緒に引き受けてくれた相手に念話を送る。
この魔術の利点は、相手の名前と顔さえ思い浮かぶならどんな距離でも会話が可能な部分だ。

「こっちは盗賊二人を殺害。恐らく、本隊はもういないな。
 大方、置いてけぼりを喰らったか、独立行動してた小物だろう」

村へとたどり着きながら、待ち合わせをしていた宿の前に向かうまでに報告をする。
盗賊二人、といっても、男の奇襲により、何の抵抗も無く死んでいったので、被害はない。
そうして、男は集合場所へとたどり着き、パートナーを待つことにする。

タピオカ > 湿気を含んだ道をショートブーツで歩いていく。松明がぱちぱちと小さく爆ぜる音に、そよぐ夜風が枝を揺らす音。自然の音にふと混じった、相棒の声。

遠くにいながらでも会話ができる。
そして、自分この魔術を習得している必要が無い。
彼の魔法の便利さに思わず頬が緩みがちになる。

「おつかれさま!さすがだね、セイン!
ギルドの話だとそんな大きな組織じゃないみたい。
その2人が倒れてるのを見たら、あとの本隊も弱気になるんじゃないかな。
僕のほうは、怪しい人影無し。村のこっち側は静かだよ。
……そろそろ、今晩のお仕事は終わりって感じかな。
もうすぐ集合場所に着くから。後で」

手練の彼らしい報告と、さっそくのキルマーク2も頼もしい。彼の手柄を労いつつ、今日の探索を終える事にしよう。
話をした様子だと、怪我ひとつもしていないはず。
どうやら無事に済んだ1日目の夜に足元軽く、件の宿の前へと戻ってくる。

「ただいま、セイン!」

相手の姿をみかけるなり、ぱあっと笑顔綻ばせ。
やや小走りでかけていき。

セイン=ディバン > 男が松明を使わずに夜道を歩くのは、単純に居場所を特定されるのを嫌う、シーフ・レンジャー職としての癖のようなものだ。
奇襲や潜入を得意とする男としては、敵戦力が未知数なこういった仕事の時は、居場所を特定されたくないという思いがある。

「おう、そっちもお疲れ。なるほどな……。
 あるいは、ただの斥候の可能性もある。明日の夜までは様子を見たほうがいいかもな。
 ……ふむ。そっちが静かなら……」

歩きながら、地図を開く。パートナーが巡回した方角は、遮蔽物も崖もない平地だ。
対して、自分が調査した方は岩場が多かった。やはり、岩場などに身を隠しつつアジトを作り、村への襲撃ルートを構築していると考えるのが妥当だろうか。そう考えていれば。

「お、おかえりタピオカ。お疲れ様だ。
 とりあえず、宿でメシでも食いながら報告と、明日の打ち合わせ、かな?」

笑顔で駆け寄ってくる相手に声をかけつつ、頭を撫でる男。
怪我こそしていないが、自慢のバトラーコートには返り血が着いていた。

タピオカ > 彼が隠密行動のスペシャリストならではの手腕を発揮し、明かりすら晒さず闇に紛れるのに対し。
ファイター・ソードマンたる自分は松明が無いと夜間は行動が制限される。その分は遊牧民の生活で培った経験で補うのだが、男との実力の差は明らかであった。

「斥候を失って怒り狂った本隊が、明日の夜に夜襲……っていうシナリオもあるかも。
そうなる前に、明日の昼のうちに岩場のほうの捜索かな。
……とりあえず、ギルドから依頼を受けた期間はちゃんとお仕事しなきゃね」

参謀としても彼のほうが優れているから、念話なんだけれどこくこくと頷きを返しつつ。自分なりの意見を述べては急ぐ夜道。

「うん!じゃあ、中でご飯と作戦会議だね。
……ふふ。セインの相手になった2人は痛みを感じる暇もなかっただろうね」

頭を撫でられたら、ふにゃりと表情崩しつつ笑って同意する。彼のバトラーコートについた返り血に気づけば眉をひそめるどころか、くすくすと肩を震わせる。
頼もしそうに相手を見上げればそういたずらっぽく告げるのは、先の報告にあった2人の血だろうそれを見た上での想像。

そして2人肩を並べて宿の中へと入っていく。
村らしくこじんまりとした小さな酒場兼宿。
いくつかあるテーブルのうちのひとつにはすでに食事が用意してあって。村人達が夜警をする自分たちのために作ってあった夜食である。他の人の姿はなく。夜風に冷えた身体を温めるために暖炉には火がくべられており。

セイン=ディバン > 男は戦闘能力に関していえば、今回のパートナーたる少女には大きく水をあけられている。
そもそも男が組むパートナーは、男に不足している戦闘能力を補ってくれるフォワードが多くなってしまう。
単独で行動する冒険者ではあるが、そういう面では貧弱この上ないのだ。

「そうなー。それならそれで、昼間に罠を仕掛けておくか。
 あるいは本隊からケンカ別れしたチンピラだったならこれで終わりなんだけどな」

相手の言葉に、思わず男も姿が見えないのに頷いてしまう。この辺りは、人間特有な行動と言えた。

「よっしゃ、そうと決まりゃ食うぞ~。仕事の後はメシと酒だよなー。
 ……あのな、タピオカ。俺をなんだと思ってるんだ? 言っとくけど、暗殺は本業じゃねぇからな?」

柔らかく表情崩す相手の頭を撫でつつ、宿の中へと入っていく男。そのまま、相手の視線に気付き身体を見ると、服についた返り血に顔をしかめる。血は、洗っても落ちにくいのだ。
相手に言う言葉の通り。男は別段人を殺すのが得意ではない。
今回の二人だって、多少苦しんで死んでいったことだろう。なるべく苦痛を与えないつもりではあったが。難しいところだ。

「おー、準備できてるじゃん。正直この村嫌いだったけど……。
 ま、とりあえずは食おうか。いっただっきまーす、っと」

宿の中、食事の準備が整っているのを見て男は嬉しそうに言う。
決して豪華な食事ではないが、暖かい湯気が出ている食事は、心を満たすものだ。
男は手を合わせてそう言うと、がぶがぶと食事をとり始めるが、酒は自宅から転送呪文で取り出す。
流石に、ゾス村の酒場の酒では満足は出来ないらしい。

タピオカ > 前衛で曲刀を振り回す事に関しては誰にも引けをとらない遊牧民であった。あとは、野外で水や食料を得る方法なら。

「よろしくね、トラッパー!
あは……、そのあたりは敵の親分さんに直接聞いてみないとね」

頷く様子も、念話の会話呼吸でなんとなく伝わってくる。
たぶん、こちらが頷くタイミングも音声として伝わってるような気がする。

「そ!ごはんごはんー!
やる気はお腹から出てくるから、たっぷりたべて明日もがんばろー!
……あは!怒らないでー!
褒めたつもりだったんだよー。」

自分で労苦して得た食料でお腹を満たすのは何よりも幸せな事。食い意地がもともと張ってる遊牧民は声音明るくし。
顔しかめる彼にひらひらと両手を上げて。
単純に彼の技量を評価したに過ぎないとばかりに首を振る。

「ん。食べよう食べよう。
いっただっきまーす!
……嫌いだったの?」

テーブルの一角を占める食事は豪奢とまではいかないが、ギルドから派遣された2人をもてなそうとする心のこもった温かい食事。たっぷりと盛られたいくつもの大皿から漂う香りに目元綻ばせつつ、相手に習って手を合わせ。ポトフスープを口にしつつ、何かあったのかと小首をかしげる。

「わ……!そういう使い方もあるんだね。便利ー!
セインはお酒にこだわるのかな?
おしゃれだなあ」

自宅からお酒を召喚(しているようにみえた)する様に少し驚きつつも1人盛り上がる。魔法の利便さに瞬きしつつも、彼の好むらしいお酒の銘柄を物珍しそうに見て。

セイン=ディバン > 今回一緒に仕事をするにあたり、相手の実戦での実力もそうだが。
何より、相手の近接戦闘の方法を勉強させてもらいたい、という思いもあったが。

「任せとけって。罠解除スキルが高いってのはイコール罠も仕掛けられるからな。
 ま、聞くだけ聞いたら殺せばいいわなぁ」

相手の気配に自信満々に言いながら、クスクス笑う男。
声だけの伝達のはずなのだが。なぜか気配もわかるのは、付き合いが深くなった証拠か。

「腹ぁ減ってんのはダメだからな。心まで貧しくなる。
 やる気はお腹から……。なるほどそういう考えもあるか。
 まったく。殺しなんて、しなくていいならしない方がいいだろ?」

男も相手同様、食事にテンション上がりつつ、相手の考えに頷いてみせる。
しかして、相手が謝ればため息を一つ。無論、男の言葉は、人殺しなんて良くないことだ、なんて意味ではない。
労力とリターンが釣り合わない、という考えからきているものなのだ。

「はむっしゅ、んがっぐ。んむっ。
 なかなか、うん。地味だが美味い……。
 あん? ……あ~、嫌いだったっていうか。今でも嫌いだね。
 ……故郷の村を、思い出す」

暖かいシチュー(やや薄味、肉無し)。パン(ちょっと硬い)。サラダ(新鮮)。凄い勢いで食べる男だったのだが、相手からの質問に、表情を変え答える。
それは、真顔……というよりは、無感情。いっそ殺意すら吹き出ている。

「でしょ? 登録さえしておけば、でかすぎる物以外は呼び出せるからな。
 いや、だって安い酒飲むと悪酔いするじゃん?
 タピオカも何か飲むか? 酒以外でも色々登録してあるから呼び出せるぞ?」

相手の言葉に笑いながら、お気に入りのモルトを呼び出す男。
相手にグラスを差し出しながら、何か飲むか、と言う表情に。殺意は無くなっていた。

タピオカ > 声音だけでお互いの調子もわかりそうなもの。
最初の出会いからしばらく、少しずつ彼というものを知っていく途中である。

「うん。ギルドの人から聞いたしったかぶりだけどね。
間違っていないでしょう?
おなかぺこぺこじゃ、動く気にもならないもの。
明日は流れ次第で本隊とぶつかりあうかもしれないし。
……うーん。そうだね。殺さずに済むなら。
ちゃんと倒さなきゃいけない時もあるけど……。それをした時は寝覚めが少し悪いかな……」

「はむ……、はむはむ。
んーっ、美味し!
なんだろ。テントで移動しながら暮らしてた時に食べてたご飯みたい。
……そ、っか……」

白身魚のソテー、鶏肉の香料詰め、アスパラガスとベーコンのキッシュを頬張ってはむにむに頬を緩ませて。搾りたてのライチジュースを飲んでひとここちをつく。
大雑把でしっかり火が通った料理にそんな感想浮かべて。
殺意すら吹き出す相手の物言い。このゾス村と、連なる彼の故郷についてはあまり深く掘り下げないようにした。
その話題に関心が無いわけではなくて
せっかく彼といっしょの楽しい夕飯に、不味い気分を持ち込みたくなかったからで。

「悪酔い……。うーん。お酒は飲まないから僕にはよくわからなくて。
やっぱり高いお酒のほうが気持ちがよくなるのかな。
あ、いいの!?
じゃぁ……、僕もセインのお酒にお付き合いしたい。
飲みやすいお酒ってお願いしていい?」

差し出されるグラスに喜色も露わにして。少しはしゃぐとそうお願いしてみる。

セイン=ディバン > 思えば、ソロでの活動が多いこの男。バディを組んで行動する、というのは結構レアだったりするのだが。

「ま、実際調べた感じそこまででかい盗賊団ってわけじゃないってのは間違ってなさそうだしな。
 ふむ、確かに。腹ぁ減ってちゃやる気も力もでねぇ。
 そういう意味じゃ、しっかり腹満たしとかねぇとな。
 ……うん、そっか。タピオカは優しいな」

相手の言葉に頷きながら会話する男。冒険者の資本、情報、食事、休息。どれも大事である。
そうして、相手が寝覚めが悪い、という相手に男は優しく笑う。
この少女の優しさが、まるで伝播したかのようで。

「ん。まぁまぁイケるな。あ、そういや……。
 タピオカ、街の出身じゃねぇんだっけか?
 ……あー、気にするなタピオカ。よくある話だ。
 貧乏寒村で金に困った親が、ガキを売ろうとした。
 ガキは脱出していまや冒険者。な? よくある話だろ」

もぐもぐっ、と食事しながら相手の言葉に、出自を尋ねる男。
優先的に美味しい、暖かい食事は、相手に気付かれないように相手に勧め。
具などが少ない食事は自分のほうに引き寄せる。そうして、空気を読んだ相手に、男は笑いながら過去を語る。隠し立てすることでもない。

「ま、タピオカにはちっと早いかもだけど……。
 アルコールには慣れておいたほうがいいと思うぜ。冒険者ならな。
 いや、高い安いってよりは、合う合わないだな。こればっかは。
 ……ふむ。よっしゃ判った。ちょっと待ってな」

相手の言葉に、男は大人として対応しつつも、転送呪文で酒を数種類と、銀の筒を取り出す。
そのまま立ち上がり、厨房に入ると、まずは男はグラスに酒を入れ、混ぜ始める。

「ほい、マグメール・スリング。甘くて飲みやすいぜ?」

ジン・砂糖・チェリーリキュール・レモンジュース・氷を混ぜ、ソーダを足し、そこにチェリーとレモンを添える。
簡単に作れるカクテルの一つで、飲みやすい一品。それを男は相手に差し出す。
何気にバーテンダーの真似事もできるらしい。

タピオカ > 彼のバディ組となれたレアな幸運にこっそり感謝しつつ。

「ありがと。でもセインみたいに強くにはなかなかなれないよ。
自分に正直に居るのが精一杯……」

優しく笑う彼に、そっと微笑んで応じる。
自分だって人殺しを厭うほどか弱くは無いけれど、生命倫理をこえて損得勘定はまだ出来ないと
人生においても冒険者としても先輩の彼のほうを見上げる。

「うん。僕はマグメールの北のほう。気ままな遊牧民の出身だよ。
フェルトのテントで家畜といっしょに移動して過ごしてた。
だから、こういう素朴な味が懐かしいんだー。
――そっか。そうだったんだ。……セイン」

自分の出自について尋ねられたら、そう答えて。
淡白だけれどスパイスの効いた白身魚の味に目を細める。
ゾス村の料理と幼い頃から口にした料理がどこか似通っている理由を告げた。
――彼の口から故郷の事と不機嫌になる理由を耳にすると、再び「そっか」と小さく頷いた。
あえて、口ではそっけなく。けれど、食事の手をとめて。
伸ばした手先を笑ってる彼の頭の上へ。なで、なで。柔らかく撫でたがる。
気安い同情だと受け止められるかもしれないけれど「大変だったね」と相手の幼少の頃の労苦を慰めたかったからだ。

「あは……。他の冒険者パーティで打ち上げがあったとき、
慣れないアルコールをぐーって飲んじゃって。その後ふらふらになっちゃった事があるんだ。
僕も人並みに飲めるようになりたいや。
――わ!……わあああ……!すごい!
ありがと……。セインってお酒も作れるんだ……!
じゃあ、頂きます。マグメール・スリング……」

お酒に親しくしていない自分からは、彼の手先が奇術師の手付きに見えた。
身を乗り出すように厨房の相手を見ていると、お酒の錬金術がいつのまにか完成している。
目を丸めて声音を明るくすれば、両手でグラスを大事そうに受け止め。
嬉しそうに笑って、おしゃれな名前を呟くとグラスを傾け。

「ふぁ……っ、おいしい……!
えへへ……大人になった気分……!」

彼の手作りというのが、また嬉しくて。
大人になったつもりなのに、思わず浮かんだのは子供みたいな笑顔。
感想を告げればその飲みやすさ故にすいすい飲み干してしまい。
「はぁ……」満足そうなため息を吐くと、少し酒精を帯びて赤らむ頬。

セイン=ディバン > 男自身、優れたフォワードである相手と組めたのは幸運であった。

「別に強くはないけどな。つーか、俺は割りとザコの方……。
 うん? それでいいんじゃないか? 自分に正直、ってのも強さだぜ」

相手の微笑みに、男は苦笑しつつ言う。何せ、いいとこ中堅上位という実力の男。
まだまだ猛者とは言えないが、それでも、強さの定義についてはいろいろ思うところがあるらしく。

「そっか。なるほど……そっちの出身か。
 ははは、そりゃのどかで良さそうだ。
 ……うん? ……お……。
 あー、サンキュな、タピオカ」

相手の出身地を聞き、その姿を想像する。遊牧民的生活の相手。
似合うなぁ、と笑っていれば、頭を撫でられる。何だ? と思うが。
相手が慰めてくれているというのが判り、感謝の意を口にする。

「なるほどね。ま、そういう場所で酔っ払った可愛い子を送りオオカミするヤツもいるからなぁ。
 ある程度は飲みなれておきな。
 ははは、このくらいはまぁ、一人暮らしが長かったからな?」

相手の話に苦笑しつつ、見事な手つきで酒を差し出す男。
趣味で学んでカクテルテクだが、喜んでもらえて男も嬉しいらしい。

「ははは、そりゃよかった。なんなら、今後も酒くらいはつくってやるさ。
 ……タピオカはもう十分大人だと思うけどね」

相手の感想に、誇らしい表情になる男。そのまま男もモルトを口にするが。
ふと目を離した瞬間、相手が酒を一気に飲み干していて、おいおい、なんて思う。

「……一気に飲むのはお勧めしないな。食い物も一緒に胃に入れないと、一気に回るぜ?
 ……それに、そんなピンクの上気した頬なんて見せられたら……」

頬を赤く染めた相手に近づき、その身体を抱きしめる。
酔いの回った相手は、凄く色っぽく見えて。男は、相手にキスをした。

「我慢できなくなっちまうよ」