2017/09/27 のログ
ホウセン > 多少引っかかる点がないでもないが、取り立てて騒ぎ立てることもせず。
気分を切り替えるため、王都の賑わいより大分寂しい、村の明かりに誘われて。
橋の復旧作業が終わるまで、まだしばらくは滞在する筈で――

ご案内:「ゾス村」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 王国軍から物資の輸送を請け負った一団の逗留は、まだ続いている。
橋梁の修繕が終わって安全な通行が担保されない限りは足止めを喰らうのを避けられず、こうして野営地と村の旅人向けの施設で時を過ごすしか方策がない。
まったくもって歯痒いが、一介の商人としての振る舞いをせねばならぬ以上、致し方のないことだけれども。
今日も今日とて休暇に入る者と職務に戻る者の交代を見届け、妖仙当人の仕事は終わる。

「しかし、贅沢な悩みじゃが…三日もすると、少し飽きが来てしまうものじゃなぁ。」

街道沿いとはいえ、極々一般的な集落。
人も物も集まる王都の繁華街なり、港湾都市の娯楽施設なりと比較するのが間違っている。
故に、村へ駆け出すことはせず、荷馬車の幌の上で胡坐をかき、愛用の煙管を取り出す。
慣れた手つきで煙草を詰め、指先に火気を集めて着火し、大きく一服。

ホウセン > 黒漆と銀で細工の施された煙管を、唇の右端に咥えて、先端をピョコピョコと上下に揺らす。
見た目どおりの年齢の子供ならば、とうにベッドの中で夢の国に旅立っている頃合だが、不健全極まりない邪仙の活動時間は、寧ろこれからといえる。
尤も、差し迫った何かがあるでもなく、月を見上げながら星読みの真似事をするだけ。
基礎知識として修めてはいるものの、専門として精進している者ほど先々を見通す力はない。

「はてさて、平穏を望むべきか、無聊を厭うて騒乱を望むべきか…」

商人として、或いは依頼を受けた者としては前者だが、個人的素養は後者を求める。
とはいえ、ここまで特筆するべきものがない村が舞台では、大掛かりな何かが繰り広げられるというのは想像しにくい。

「…いい所、どこぞの誰かが悪酔いして粗相をするのを止めるなり、仲裁に入るというのが関の山かのぅ。」

妄想の域まで翼を広げなければ、トラブルなんてその程度だ。
ゆるりと、柔らかそうな唇から紫煙を吐き出す。
秋の冷涼な夜風に吹かれ、何かを形作る前に、夜の闇へと散り散りに。
その様を、見るとはなしに見ながら、極少の可能性を紐解く。
依頼人の手によって、何ぞ当て馬なり、囮なりに仕立てられたのではないかなんて、陰謀説に思考を向ける。
思考は十秒に満たず、失笑を伴って破棄される。

「ま、それならそれで、愉しみようもあるんじゃがな。」

残念、残念と口の中で呟く。

ホウセン > 幸か不幸か、妖仙の望むような彼是は起きず、静かな夜が続く。
この村での滞在見込みもあと少し。
無聊を慰める手段を探し、暫し思考に意識を委ね――

ご案内:「ゾス村」からホウセンさんが去りました。