2017/06/06 のログ
ご案内:「ゾス村」にアインズさんが現れました。
■アインズ > ――ゾス村
郊外にいくつも存在する小さな村の一つである。
今宵はそんな小さな村の片隅に1体の魔物が入り込んでいた。
通常であれば排他的な気質の強い村民が気がつくか、自警団の人間の見回りに見つかりそうな物だが、今夜に限っては不幸にも魔物の侵入を許してしまっており、それがどんな悲劇を巻き起こすかなど、ゾス村の人間たちは知る由もない。
巨大な金色の目玉に無数の触手を生やした浮遊する目玉の魔物、名はアインズ。
エンカウント率も高く、冒険者であれば名前と容姿は一度は耳にした事があるであろうモンスター。
それはゴブリンやオークなどと違い、村に入り込んだからと言って略奪や暴虐の限りを尽くすことはなく、だからこそ村に容易く侵入し今まで損人の眼から逃れられて居たのだろう。
しかし、それは半分正解で半分間違いである。
巨大な眼球に触手を生やしたそのモンスターの能力の一つに催眠術がある。
それを行使した結果で有り、村人はアインズを目視しても認識出来ないという状態になっているのだ。
だから、誰も気がついていても認識出来ないし理解出来ない。
故にアインズはふわふわと人の頭部ほどの高さで浮遊しながら堂々と獲物を漁り、繁殖相手に十分な素質を備えている女を捜していた。
――ただそれも、新しく村に入り込んでくる者、魔法に対して抵抗力があるもの、アインズ以上の力の持ち主には効果は鈍いだろう。
それもある意味苗床の素質があるか篩いにかける事にもなっているが……とにもかくにも、今ゾス村には堂々と人の頭部ほどもある巨大な眼球に触手を生やしたそれが闊歩しているのだった。
■アインズ > 誰もが異様な姿に驚愕の表情を浮かべ……る事はなかった。
そのほんの僅か隣を歩いてすれ違っても、偶然肩と触手が触れ合っても反応は無い、まるで互いが道端の小石の如く気にする様子もなく、そのまま距離は離れていく。
ただ極稀に村人の子供だろうか、好奇心と探究心の強い若い人間だけが不思議そうに巨大な目玉を眺める姿を見る事が出来る、でもそれも一瞬の事でアインズが子供の姿を捉える前に子供の認識から存在ははずれ子供は何処かへと歩き去っていく。
こんな薄雲が月を覆い星が輝くような時間帯である。
そんな子供達の姿も滅多になく、アインズの存在を脅かすか異質を露呈される者など居らず、ただ好き放題に獲物を漁る事が出来ていた。
もし獲物がいれば路地に人気のないところに引きずり込み、獲物ごと周囲の意識から存在を隠してしまうだろう。知性はなくともそれくらい狡猾な事をやってのける、それがアインズという魔物である。
■アインズ > 暫くは村に滞在して獲物を吟味する事にしたようだ。
通りをふよふよと浮遊していたと思えば、近くに人気のない廃屋の方に移動していくと、その裏手に隠れえてしまい姿は見えなくなってしまう。
異常な平穏狂った認識
――巨大な目玉に触手を生やした魔物は瞼を閉じ、次なる獲物が訪れる瞬間をひっそりと待つことにした……。
ご案内:「ゾス村」からアインズさんが去りました。