2017/02/05 のログ
ご案内:「ゾス村」にアランさんが現れました。
■アラン > 王都の郊外にある小さな村々の一つ。
ゾス村と呼ばれているその村で、白いコートを身に纏った一人の男性が一軒家の玄関で話をしている。
二人で仲良さそうに話している間には一人の子供がこちらを不思議そうに見上げていた。
「…はは、ではこれで」
話に区切りがついた所で微笑みながら別れを告げる。
後ろを振り向いて歩き出そうとした時、「待って」と声を掛けられる。
何かを思いっきり期待しながら少し勢い良く、嬉しそうに振り向いて「何か用ですか?」と問いかける。
「………パンか」
場所は変わって村の通りにあるベンチ。
先ほどの女性から渡された紙袋を覗いて、いいのか悪いのか微妙な表情でそう呟く。
紙袋に手を突っ込み、パンを一つ手に取って口に含む。
「…んまい」
案外、美味しかった。
■アラン > ゾス村への物資の搬送。その護衛ということでこの村へとたどり着いた。
仕事自体はそこまで手間を取らなかったし、野盗が数人襲い掛かってくるだけであった。
無事に物資の輸送が完了し、せっかくだからと村を自由に見て回っている時に先ほど、自分と女性の間に居た一人の子供と出くわした。
どうやら、迷子だったようだ。
見過ごすわけにもいかず、家を探す手伝いをして…
それからは家を見つけ、子供の母親と思わしき女性からパンを受け取り、現在に至る。
「さっきの奥さん、美人だったなぁ…」
微妙そうな面持ちでパンを見つめる。
お礼に何かを期待しては居たが、それがまさかパンとは…
思いっきり何かを期待していた自分を恥ずかしいと感じつつ、手に持っているパンを食べきる。
「…ん?」
ふと、後ろから視線を感じてそちらを振り返る。
視界には数人の村人が行き交うだけで特に自分に視線を向けている存在は見受けられなかった。
恐らく、村人以外は信用しない人もいるのだろうと閉鎖的な村だと思いつつ、もう一つパンを食べ始める。
■アラン > 昼下がりという時間帯もあり、陽が当たって心地よい。
手に持っているパンを食べながら、陽を浴びて辺りを見渡す。
王都の忙しない日常音も良いがこのように静かにのんびり出来るのも良い。
「よし、残りは取っておくか」
パンを食べながら、紙袋に入った残りのパンを覗き込み、そう呟く。
あの美人の奥さんが作ったパンだと想像すれば何個でも食べれる。
しかし、パンだけじゃ流石に味気ないと持ち帰って何かの調味料で…と考え始める。
「…村かぁ」
のんびりとしながら、周囲を見渡す。
たまにはこういう雰囲気も良いとリラックスしつつ考える。
ゾス村。頭の中で復唱しながら、ここの存在を確認し、また来ようと決心した。
ご案内:「ゾス村」からアランさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」にタマモさんが現れました。
■タマモ > あれから、何だかんだあっての後のお話となる。
何があったかって?うん、秘密だ。
やっと村に到着した少女…いや、まぁ、2度目だが。
今度こそはと宿を取り、今はそこで兼業している酒場の一席に腰掛けている。
目の前に広がるのは、決めていた通りのこれでもかという料理の量だ。
ちなみに言っておこう、量的には普通の人間より少し多い程度…小食なのだ。
「ふふんっ、山の中を歩いている間は下手に贅沢も出来なかったからのぅ。
たっぷりと食べるのじゃーっ!」
声を上げ、やってやるぞ!な感じを醸し出す。
今は食事の時間時、人の目もあるのに声を上げる少女に視線が集まる。
…え?気にしないよ?
という訳で、さっそく並ぶ料理に手を付け始めた。
■タマモ > とはいえ、少女は猫舌、熱いものは後回しである。
ざっと見てみると、シチューと肉料理とパン類といった感じか。
スプーンを片手にシチューをぐるぐると掻き回し、冷ましに。
その間に空いた手に持つフォークで肉を、パンは手掴みで食べ始めた。
…行儀?諦めろ。
別に、そんなものをして食べるような型式ばった場所でもない。
「ふむ…こうした料理も少し間を空ければより美味しく感じるものじゃ。
あむ…もぐもぐ…んむ…五臓六腑に染み渡るとはこの事じゃのぅ?…ぷあーっ」
更に食べながら喋る始末である。
時折、間にエールを挟み飲みながら、料理を平らげていき。