2016/08/30 のログ
ソル・グラディウス > 「…心配してくれんのはありがたいがな」

語尾が弱まっている彼女にそのように言う。
その言葉に自分自身、少し恥ずかしさを覚えたのか、帽子で顔を隠す。
服を払ってるところにその女性が手を貸しているところを見て、「助かる」と一言かける。

「なるほど……ふむ」

女性の着ているドレス。そしてその話を聞いて合点のいった様子でそう返す。

「あぁ、王都から来た。…不服だが俺も買い物で来た。とは言っても御使いって形だけどな」

頭を抱え、苦い顔をしてそのように返す。

ノア > 目に見える汚れを手のひらで払うと、最後に自分の膝をパンパンっと適当に払い。方々に転がった包みを一つずつ拾い上げつつ、返ってきた意外な返答には目を瞬いて。

「 おつかい ? .....ってことはー 」

三つの包みを抱え貴方の傍へ戻ると、楽しげに斜め上の顔を覗き込み。

「 恋人からの、リクエストとか ? 」

女性向けの名産品が多い村の為、とんだ勘違いをしては「 はぁ.. そんな優しい恋人が欲しい... 」と、夜風にかき消されそうな声量で溢し。遠い目。

ソル・グラディウス > 「はぁ?んなわけあるかボケ!!」

楽しげに顔を覗き込む女性にその様に返す。
何故だかその声には怒気より羞恥の方が感じ取れるだろう。

「依頼だよ。…色々事情があってな。織物がどうしても欲しいんだが…」

遠い目をしている彼女にそのように返し、手に持っている袋を注視する。
それを見て、何かを決意すると口を開く。

「お前、王都まで帰りたいんだろ?俺が王都まで送ってやるから織物を少し分けてくんねぇか?」

頬をかき、そのように聞く。
どうやら恋人が欲しいという発言は聞いてなかったようだ。

ノア > 「 ぼっ.. ボケ?! 」

貴方の即答に一瞬ビクッと肩を竦めるも、覗き込んだ表情から少しの羞恥が垣間見えれば、ぷっ と小さく吹き出して。

「 なんだ、違うの。.....ん、織物ならいっぱい衝動買いしちゃったからイイよ。けど.. 」

送ってくれるという特典につられ二つ返事で頷くも、いかにも旅慣れていそうな貴方の風貌に一瞬戸惑い目を細め..

「 歩いて、帰る感じ.. です ? 」

へにゃり、眉が下がる。というのも、華奢なヒールを履いた脚は既にクタクタで、情けない表情で貴方を見上げ..

ソル・グラディウス > 帽子で顔を隠し、女性に背を向けて周囲を見る

「笑ってんじゃねぇよ。…よし、交渉成立だな。じゃ早速…」

女性の了承を得ると早速、王都へ向かおうと足を進める。
しかし次の彼女のセリフに突如立ち止まってそちらに振り向く。

「そのつもりだが…あぁ、確かにその靴じゃ歩きづらそうだな。どうするよ?…おんぶでもするか?」

眉が下がり、疲れた表情の彼女を見下ろしてそう返す。
最後の言葉はニヤニヤして発するが彼なりのジョークなのだろう。

ノア > 早速背を向けて歩き出そうとする貴方に、ますます表情はへにゃりと崩れ.. 駄々を捏ねる餓鬼の様、唇を尖らせて。

「 旅慣れた屈強な戦士じゃないんだから、王都まで歩くなんて絶対無理ー ココまでだって馬車で来............... え、おんぶ.. ? 」

静まり返った通りで一人、ぶんぶん首を横に振って拒否するも.. 聞こえてきた魅惑の言葉、おんぶ。其れが冗談である事には残念ながら気付かず、ニヤニヤと意地悪な笑みさえも慈愛に満ちた微笑みに見えて。

── そこからは、一瞬の出来事。黒革の細くしなやかな鞭で手早く包みを一つに纏め、獲物に飛び掛かる獣の様な素早さで貴方の背中に飛び乗ろうと.. 避けられれば、今度こそ地面に突っ伏す勢いで。

ソル・グラディウス > 「わがまま言うんじゃねぇよ。現状徒歩が最良の方法…うおあっ!?」

駄々を捏ねる彼女を何とか説得しようとそう口を開く。
が、突如として背中に飛び乗られ、驚くと共に転ばないように前のめりになる。

「っ!?何だよ!?マジにおんぶしろってのか!?」

何とか体勢を整えると頭を回転させ、横目で彼女を見る。
剣の鞘のせいでわかりずらいが女性の膨らみが背中に当たり、少し照れてしまう。

ノア > 「 我儘じゃなくて、話し合い。」

剣の持ち手が飛び出ていない方、貴方の肩に顎を乗せ。屁理屈を返しつつ、捕らえた獲物を離してたまるかというように、ぎゅぅ、と腕を回して。密着した部分から感じ取れる鍛え上げられた逞しい肉体に、安心して身体を預け。

「 何よ、提案したのはソッチでしょ ? .....あ、名前聞いてなかった.. あたしノア、上等な織物譲るから。道中よろしくね♡ 」

男の背に女、女の背に包み。迷惑なタイミングで名乗っていなかったと思い付けば、顔を肩に乗せたまま にこりと微笑みかけて自己紹介を。

ソル・グラディウス > 「…全く」

腕を回され、肩に顎を乗せられてそのように発されれば、女性の足を掴んで支えて完全におんぶの体勢へと移行する。
彼女の言葉が片耳に集中に何だかこそばゆい。

「ノアか。俺はソル・グラディウス。ソルとか適当に呼べ。…しかし、こんなんじゃ割に合わねぇよ。もっと報酬を上乗せしてほしいね。」

自己紹介をして微笑む女性とその背中にある包みを見て、そう返す。
荷物もあって少し重たい気もするがそれにすぐ根を上げるほどこちらも弱くない。
しかし、これらをすべて一般人に背負えるかと言われれば難しいものがある…はず。
そして口を開いた。

「例えば、お前の体を自由にする…とか」

背中に乗った彼女にニヤニヤと厭らしい笑みを向けそう返す。
完全にセクハラ発言だ。

ご案内:「とある村」にノアさんが現れました。
ノア > 「 ソルね、よろし く ── って.. なぁに、随分交渉上手なのね。」

膝裏に手が差し込まれれば、其の頼もしさに甘え ぴったりと密着して。自己紹介が返ってくると其の名をご機嫌に復唱するも.. 続く言葉に、琥珀色の瞳はジィっと貴方の表情伺い。

「 第一印象最悪だし、ボケとかワガママとか言うし、あたしみたいな女好きじゃないと思ってた。」

貴方の首筋に唇を掠めるくらい近付けて、先程より小声で、吐息混じりに言葉を続け..

「 そんなに魅力的な報酬なら.. 上乗せしてもいいよ、ソル。」

ソル・グラディウス > 「別に…俺はただの冒険者だよ。商人の方がいくらか上手だ」

ぴったりと密着され、やけに甘えられているような気がする。
名前を復唱されその瞳でこちらを凝視されると少し動揺する。

「…じょ、冗談のつもりだったのに…マジでいいのか?」

彼女の吐息が首元や耳に掛かり、少し動揺してそう返す。
その表情からは気持ちの悪い笑みが消え、動揺したような顔になる。

「魅力的って…何か?お前は痴女なのかよ?」

それを誤魔化すように言葉を続ける。

ノア > 冒険者と聞いて( だから、か.. )と、其の鍛え上げられた肉体に納得する。重力から解放された脚は膝から下をゆらゆらと揺らしご機嫌、だったが..

「 何、冗談だったの ? 」

再び唇がつんと尖る。不服そうな目付きで視線逸らしたなら、続く言葉にも素っ気なく返して。

「 アホの次は痴女 ? あたしだって.. 好みくらいあるし。前言撤回、上乗せなんてしないんだからー 」

「 .........っ!? 」

それこそ噛み付きそうな勢いで、貴方の耳元へ不満げな声を上げるも.. 前方の茂みが夜風にガサっと音を立てると、必死にしがみ付くビビりっぷりで。

ソル・グラディウス > 「は?いや、それは…その…」

急に声色が変わった彼女に動揺して、発現しようとするも
上乗せしないと言われ少し落ち込む。

育ちの良さそうな服装、魅力的な身体に顔なだけにそれだけ無念さも大きい。

「…ただの風だ。何もいない」

突如として音を立てた茂みを注視するが気配を感じないためにそのように返す。
必死にしがみつく彼女に少し苦笑いする。

ノア > 「 ..... ? 」

はっきりしない言葉だけでは貴方の気持ちを汲み取れず、追求はせず疑問符浮かべ。其れより何より魔物や獣が潜んで居るやもしれない茂みを、青ざめた顔で凝視。しかしただの風だとわかれば、細く長く息を吐き出すも..

夜道を王都まで徒歩で戻るのだと再認識し、無意識に強がった口調で呟いて。

「 冗談ならなにも、身体じゃなくたって.. 無事に王都に着いたら、報酬上乗せするから..... ちゃん と、守ってよね.. 」

ソル・グラディウス > 青ざめた顔をしてしがみついてきた女性。
でもこちらの発言で安心したように息を漏らす光景を見て苦笑いをする。

「守るって…俺の長所は約束だけは守ることだ。お前を無事に王都まで届けるし、しっかりと織物は頂く。
 …出来ればお前とやりたいけどな」

最後にそのように付け加える。
この女性が魅力的というのは変わらない事実だ。
報酬の上乗せが別の物になると思っているのか、何とか機嫌を取り直してもらおうとそう発言する。

ノア > 「 それならイイけど......... ぇ ? ソル、本気か冗談かわかりづらいっ ! 」

約束は守るという頼もしい貴方の声に少しは緊張も和らぎ、無意識に力の入っていた腕を緩めるも.. 最後に付け足された言葉の、其の真意を確めようと再び肩に顎を乗せ表情覗き込み。

「 また冗談なら、ムカつくし思いっきり噛むけど。もし本気なら.. いいよ、好きにして も... 」

最初は生意気に、後半は僅かに熱っぽい声色で、貴方に問い掛けて。

ソル・グラディウス > 「うるせぇ!悪かったな本気か嘘かわかりづらくて!!」

女性の言葉にその様に返せば少女の腕の力が緩まったのを感じる。
信頼してくれたのか、と確認するように振り向こうとするが肩に顎を乗せられていたために顔が急接近し

「噛む!?…あぁ、本気だよ。全く…」

その言葉に驚きつつも、後半の声色の変化に反応してそう返す。

少し楽しみになってきた、そう考えつつ、そのまま王都へ向かって暗闇を歩き進めていく。

ノア > 「 うるせぇ なんて言われても、色々言われたしもう慣れた。」

アホとワガママと痴女を経てきた経験値によって華麗にスルー、折れない心を手に入れた様子。何よりも其の後の返答が気になって、期待を含んだ眼差しでジっと貴方を見詰めれば..

「 ん、嬉し♡ っ.. 」

望んだ返答が嬉しくて、堪らなくなった唇は素直な言葉を漏らし。序でに口約違反、悪戯に貴方の肩を甘噛み。

ソル・グラディウス > 「…そうかよ」

慣れたと言われ華麗にスルーされればバツの悪そうにそう返す。

「ん?…っ!?おいおい…!?」

肩を甘噛みされ、ビクッと反応する。
嬉しそうに悪戯する彼女に対抗しようとこちらは右手を少しずらし、彼女の尻を揉もうとする。

ノア > 「 .....ん、まだダメっ.. ちゃんと、王 都に.. 着い て、から..... 」

はむ、と甘噛みすると、仕返しに伸びた手にむにっと尻を揉まれ。言葉だけは拒みつつも、其の声色は熱っぽく。

互いに悪戯をし合いながら、すっかり夜道の怖さも忘れて楽しげに王都まで戻るのだろう.. 無事王都に辿り着いたなら報酬の織物を選んで貰う為、宿の部屋に誘おうか。其処でどんな "上乗せ" がされたのかは、また別の話で ──

ソル・グラディウス > 「っ…はは、そうだな」

右手に伝わる女性の尻の柔らかさと熱っぽい声色に興奮する。
しかし、真夜中の野外で行為を始めるわけにもいかず、その感触だけでとりあえずは我慢する。

夜道を抜け、王都の灯りが見えれば彼女を降ろし王都へと入っていく。
彼女に誘われるがままに宿へと入っていけば報酬とその『上乗せ』をいただくことだろう―――

ご案内:「とある村」からソル・グラディウスさんが去りました。
ご案内:「とある村」からノアさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」にカノンさんが現れました。
ご案内:「ゾス村」にドルクスさんが現れました。
カノン > 留守番を言われて…
おとなしく待ってる。
床にお座りした、灰色の毛並みの狼。

首輪を外して、主の帰りを待つものの…どこか心がソワソワ落ち着かない
本当に帰ってきてくれるのか、耳をピンと立てて外の物音を探し聞き耳をたてながら

ドルクス > 「っとぉ、流石にちょっと疲れたな…」

連続転移とダッシュを使った王都とここまでの往復をやり遂げた
目的の物も買えたので満足はしてるが早く帰らないと
泊まっている宿、カノンに留守番を頼んだ部屋へ向かう
寝てるかなぁ…と考えながら

「ただい…カノン、もしかしてずっとそうしてた?」

遊ぶでも寝るでもなくただ待ってたという姿勢のカノンを見つめる
確かに待っててとは言ったが…まだカノンに対して判断が甘かった
取りあえずちゃんと留守番してくれていたので頭を撫でておく

カノン > 聞こえた物音、匂い
覚えた主の足音の癖、部屋の扉が開いたら

「おかえりなさいっ」

尻尾が左右に振られながら、飛びつくように腕を伸ばしたのは
人の姿へ変化してから、頭を撫でられると
得意げに顔をあげる、その首元はスッキリしていて

「ちゃんと待ってたよ」

ドルクス > 「うん、ありがとうカノン。あれ、首輪はどうしたの?」

よしよしと撫でていたが首元に何もないのに気付く
確か出ていく前はあった首輪が今はない、形見の品でもあった筈なのに

「でもここにさえいてくれたらいいから、寝てても本読んでるとかしててもいいからね?
流石に座って待ってろなんて鬼畜命令は出さないからさ」

苦笑と共に言っておく
本を読む、寝る位なら自由にしてて構わないと
ただ座って待つというのは自分にはキツイ、と言うか無理なので心配だ

「さぁ新しい首輪だけど…ほら、結構おしゃれでしょ?」

当初の予定より少し奮発した白のチョーカーを取り出す
シンプルなデザインだが素材と作りは一流の物
耐久性に優れていないと何かの拍子に壊れそうなのでそこを重視した

カノン > 「置いてきた…だって、主さまがいてくれるから」

昨日たまたま見つけた教会の中に、宗教とかわからないけど偶然なこと
1人考えて決めたこと、それなら気持ちも精算のように区切りをつけて

「うん、ちゃんとお迎えしたかったから」

頃合をみてのこと、好きにしていいという言葉をもらえば、
次は安心して寝ちゃってるかもしれないけど

「これ、首輪?」

始めてみたチョーカー、アクセサリー…思わず綺麗なものに少し目が女の子らしく
キラキラした感じで見つめて驚く
今までつけてたのと、随分ちがってたから

ドルクス > 「そっか…よくやったね」

偉い偉いとまた撫でる
過去との決別はそう簡単な事じゃない
できる事なら昔の事は忘れてこれからを生きてもらいたいと思っていた

「はぁ…確かにこれは犬だね」

お爺さんとやらに居ぬとして扱われていたせいかとても忠犬
狼としての本能を取り戻すのはまだ遠い未来みたいだ

「そう。さすがに見たまんま首輪だと色々面倒だしね
首に付けるんだからこれだって首輪でしょ?」

これならもう奴隷とは間違われない
ここ数日それを結構気にしていたので良い機会だった
一通り眺め終わったであろうタイミングでカノンの首にチョーカーを着ける
首輪の装着はやっぱり主人がやらないとね

カノン > 撫でてくれる手が触れて、暖かい
自分と向き合ってくれる主人の言葉も手も、どんどん惹かれていきながら

「首輪…主さま、うれしい」

細身で綺麗で今までつけてたのとは対象的な印象

首につけられることに大人しく動かずで
ちゃんと主人のものになれた気がして、動かないようにしてたのに尻尾だけは
我慢できず…揺れてるけど

ドルクス > 「ちゃんと約束したんだから当然
それにずっと首輪だと落ち着かないでしょ?」

ずっと何かを着けてていきなりなくなると心身どちらでも寂しい
それにカノンの場合特別な意味も含んでる
尻尾も嬉しさを表してユラユラ

「よし、思った通り似合ってる
新しい首輪の着け心地はどうかなカノン?」

チョーカーを着けたカノンを一歩離れて見つめる
まだ服は少しボロのままだが、これなら見た瞬間奴隷と思われることもないだろう
小奇麗なチョーカーを着けた奴隷なんて見た事ないし

「鏡で確認すると良いよ」

部屋に備えられた小さな姿見
よく村の宿屋にあったなと驚いたけど今では感謝だ

カノン > 「うー…」

思わず主人に背中をむけ、かけてくれた言葉、呼ばれる名前に
嬉しくて泣きそうになったから
ごまかそうとしてのこと

首元につけられたのを指先で触れたら、確かに…
今までと違う感覚のものがあって

鏡の目の前に立って、ゆっくり顔をあげたら
白くて綺麗なものが自分の首についてる

「わぁ…綺麗……」

着けてくれた主人その姿も鏡に映りこんでるのが見えたら

我慢できなくなって、ボロボロ青い瞳から涙がこぼれてしまう

ドルクス > 「はっは、唸らない唸らない
こういう時は喜んでくれると嬉しいな」

照れ隠しか背中を向けられてしまった
チョーカーに触って実際に見て…気に入ってもらえたみたいだね

「はぁ、可愛い顔が…まぁ台無しでもないか」

涙を流す姿も綺麗だったので素直にそう告げる
まさか泣く程嬉しかったとは

「これで実感できたでしょ、新しい主人ができたってさ」

カノン > 首を触ったまま、唇をぎゅっと噛み締めるように
鳴き声は我慢して

鏡にうつる主人、くるっと振り返りまた
くっつくように腕を伸ばして

「宝物できた大事にする。主さま、だいすき」

どこかで不安が残ってた心の疑いも
確かに感じた実感に変わった存在。
うれしいのを言葉にするには難しく、尻尾が止まることなく揺れ続けてて

ドルクス > 「あぁ、大事にしてくれると僕も嬉しいよカノン
あと僕も大好きだよ」

抱き着いてきたのをしっかり抱き留める
不安が消えて安心できたんだろう
まだ獣人とはいえ若く一人で不安だったのは間違いない
こうして頼れる相手が欲しかったんだろう
言葉にしなくても尻尾はごまかせない

「尻尾が正直なおかげでカノンは分かりやすいなぁ」

カノン > 「うー……」

素直に泣き声にできないから、小さく唸ってしまうけど
抱きついて、受け止めてもらえて
(また、名前呼んでくれた。大好きの言葉ももらえた)
聞こえる言葉1つ1つが自分だけに向けられる言葉なのが
一人ぼっちじゃなくなったことと感じて

嬉しさと安心と主人を好きなことが自分の中でわからなくなってきた
主人の上着の背中のとこをしがみつくようにして

言葉にできないかわりの尻尾が止められない

「主さま、私もなにかよろこぶことしたい…なにかない?」

目元を擦りながら、主人を伺うように見上げて

ドルクス > 「また唸った、やっぱり狼だねカノンは」

可愛らしい唸り声が素直に可愛いのでそう言っておく
にしても抱き着いたままがっしり掴まれて動けない
甘えん坊だなぁで済ませればいいんだけど…美人にこんな至近距離でじっとされると色々あるので困りものだ

「喜ぶ…なら色々覚えてほしいかな?
これからはカノンにも僕の手伝いをして欲しいからね、街で買い物とか狩りの手伝いとか」

直接武器を持ってたたかわせるのはトラウマを刺激するのでさせないとして
それ以外は手伝ってもらったほうが良いだろう
仕事を与えるというのは相手を信頼していると言っているのと同義だ

「色々覚えたらそのうち街でデートもできるしね」

上手く話しを運べてひとまず安心
それと大事な理由が一つ
勉強やそっちに話を持って行かないと色々不味いから
カノンみたいな美人と一緒に居て僕はまだ手を出していない
よくやってるよホント…喜ぶ事したいなんて言われた時は不覚にもドキリとした
溜まってるのかなぁ…

カノン > 「じゃあ……今できること、ない?
 今、主さまが喜んでくれること…なんでもいいよ」

自分にできることなら、なんでも応えたいと感じる
主人を見上げたまま小首をかしげて見つめて

覚えることは楽しく、それが主人が望み、
喜ぶことなら
余計張り切れるだろうことで

「デート…主さまと?」

当然したことがないこと、主人の冗談かもしれない言葉にさえ
照れてつい、顔が赤くなるのを抱きついてた腕を離して
自分の頬の熱を冷まそうと両手で押さえて

ドルクス > 「…じゃぁ、後でブラッシングさせてくれない?
実はその尻尾見た時から触りたかったんだ」

理性と本能の戦い
一秒にも満たない戦いだったが自分の中では大きな戦いだった
謎の満足感を覚えつつやり遂げた表情を浮かべる
主人になってすぐに手を出したなんて情けない真似は流石にできない

「そうデート、食事したり買い物したり結構楽しいんだけど…あ、意味は分かってるね」

顔を抑えてても指の間から赤い肌が覗ける
デートの事は知っていて意味は伝わった様だ

「カノンみたいな美人を連れてデートは男ならだれでもやってみたい事だからさ
その時はばっちりエスコートするから楽しみにしててよ」

カノン > 「しっぽ?…そんなことでいいなら…」

後ろで揺れてたものを手前に持ってきて、自分の手に乗せて
主人に差し出すように後ろを向いて
その手に暖かい毛並みが乗るだろうけど

「デート知ってる、聞いたから…でも、私したことないよ?」

この土地にきて聞いたから覚えてた
主人の口から出るとは思わなかったから
嬉しさとテレが混じって、思わず驚いて

ドルクス > 「そんな事でも大事なんだよ、普通は尻尾なんて恋人にしか触らせてもらえないし」

自分が出会った獣人の女性は尻尾は気安く触らせてくれなかった
なので今獣人の尻尾に触れられるのはまたとないチャンスなのだ
予想よりも暖かく…何と言うかふわふわだ
ただ大きな尻尾という訳でもない、これは何と言えばいいのか

「初めてかぁ、じゃぁ楽しんでもらわないとね
デートは楽しいってことをしっかり覚えてもらうよ」

デートとか軽いお付き合いが大好きなのでカノンを楽しませる事はできる筈
いや、必ずやってのける
上手くいけば第二第三のデートに繋がるんだ

「痛かったらちゃんと言ってよ?丁寧にはやるけどさ」

椅子に腰かけカノンの尻尾にブラシを入れる
チョーカーのついでに買ってきた
櫛はもちろんだが尻尾は櫛が通らない可能性もあったので一応買っておいてよかった
痛みを与えない様に探り探り進めていく

カノン > 「知らないヒトには、私も触らせたくないけど、主さまだもん…」

椅子に腰掛ける主人のそばに寄り、その膝のうえに尻尾を置いて
安心して信用した主人だから抵抗もなくできて

「私は、主さまといれたら…なんでも楽しい」

後ろを向いてると尻尾に触られる感触

「ンっ…ふっ…」

敏感でもあり、感情が伝わるとこだから、ブラシの感触が
ゾクゾクしたものを背筋から全身に伝わせて

思わず後ろを向いたまま、両手を胸の前ににぎって
気持ちよくて、くすぐったいような、ゾクゾクした感覚を耐えて

ドルクス > 「主の特権って素敵だよね、悪い気分じゃないや」

膝の上の尻尾、ブラッシングを初めて数分もしない内に大きな満足と小さな後悔を得られた
尻尾の手触りや自分の手で綺麗にしていくのにはとても満足できた
けど、その反面カノンの出す声が激しく理性に罅を入れてくる
まさかこれが尻尾に触らせてもらえなかった理由かと長年の疑問に終止符が打たれたりもしていた

「カノン、とても良い声で鳴くね
おかげで尻尾もこんなに綺麗になったよ」

元々綺麗な尻尾だったが今では手櫛で簡単に梳ける程に
後ろを向いたままだったカノンの手を引きこちらを向かせる

カノン > 「私、できることなら…ンぅぅ。叶えたいから」

ブラッシングされていれば、気持ちよくて声が震える、おじいさんのときは…犬(狼)
の姿だったから、全身をされたことはあったけど

人の姿では、始めてのことだったから
こんなにも感覚が違うことに驚いて
主人の手で毛並みは柔らかく、ふわふわして光を吸い込み少しキラキラしてて


「だって、主さまが…優しく、触るからぁ…気持ち、ぃぃ…」

尻尾を動かさないように集中してたから
余計、感覚が鋭くなってたからかもしれない
手を引かれ、主人に向き直ると、
気持ちよさに耐えてた瞳が少し惚けたように主人を見つめて

ドルクス > 「健気だね…益々可愛がりたくなるよ」

初めて会った時とは全く違う
主に尽くす、信頼されたからこそここまで言ってくれるのだろう
美人がこんなに初心な事を言って尽くしてくれる
男冥利に尽きる

「おかげで楽しめたよカノン、ありがとう
カノンのおかげで最近はとても満ち足りてるよ」

潤んだ瞳、赤く染まった頬
段々と近づけ短く唇を重ねる
キスくらいは飼い狼とする事は…ある筈だ

カノン > 「…だって、主さまが、一緒にいてくれるって言ってくれたから」

人に慣れた生活に失ったこと
差し伸べてくれた主人の言葉に救われたこと
頼るべき相手を失って心細かったこと
全部を変えてくれようとしてることを感じていたから

「私は、主さまのこと、好きだし…」

近づく言葉と、距離が重なる唇に先の言葉は続かないけど
短い口づけに離れたら、顔の熱が引くことなく赤く熱く…なったまま
瞳をまたたかせて

ドルクス > 「言ったね…もちろん、一緒に居るさ
それに秘密も知られちゃったんだから逃がさないよ?」

バラされてもいいのだが、それでも一応秘密は秘密
幻覚や催眠のおかげで街には入り放題
けれどそれを理由にしてカノンを縛る
主になると言った時からその気持ちは変わらない

「僕も好きさ…あれ、どうかした?」

キスをしたらカノンが固まった
まぁ、少し勢いに乗った行動だったから驚いたのかも?
少し悪い事をしたかな

「えっと、大丈夫かいカノン?
だいぶ顔が赤いけど…」

先程よりも赤くなった頬に触れる
熱い…けど触り心地は満点
このまま触っていたくなったのでしばらくそのまま

カノン > 「逃げないもん…」

伸ばした手が、主人の上着を掴もうと伸ばされて、触れてると安心するのに
触れられて安心が、ドキドキしたものになって

「…なんでも、ない」

おじーさんには感じなかったドキドキしたもの
胸に感じて掴んでない片手で胸元をきゅっとして

「主さまに、名前呼ばれたら、嬉しくて、ドキドキして…変になっちゃった」

頬に触れられて白く柔らかい肌をその指には伝わるくらい

ドルクス > 「知ってる、信じてるよカノン」

思った通りの答え
それでもはっきりそう言われると嬉しくなってしまう

「流石にそれは嘘かな」

顔がこんなに赤いよ?と鏡を見せてみたい
上着を掴まれたまま頭を撫で

「変、か…本当にカノンは可愛いな」

まだ青かった頃の僕だったら狼狽してたな
こんなに真っ直ぐ好意を告げられここまで分かりやすく感情を行動で示されてる
あとは自分が逸れに応えるだけか

「カノン、僕は君が好きだ。もちろん主とか抜きにしてね
これからも一緒に居たい、離したくないとはっきり言えるぐらいには愛してるよ」

カノン > 今の自分に頼れる唯ひとりの人
主人の言葉1つ1つが優しく響いて

「可愛いくなんかないもん、美人でもないもん、そんなの言うの
 主さまだけだけど…
 主さまに言われるのはうれしい」

てれて否定ばかりしてたけど、少し素直になってみる
掴んでた手が離れて
主人の続く言葉を聞けば、またひとつ、唸ってしまう。

「うー…」

唇を噛み締めて泣くのを我慢の声

「わたしも、主さまのこと大好き。
 ずっと一緒がいい、離れたくない」

恋愛感情を初めて自覚したから、先ほどからのドキドキの鼓動は早くなりっぱなしで
座るままの主人の首元に抱きつこうと身をよせて

ドルクス > 「いや、それは…鏡ちゃんと見よう?
…なら何度でも言うよ、カノンは綺麗だ」

もし仮に可愛いは違うとなっても美人ではないというのは認めない
これは一度自分の事をしっかり認識させないといけないか

「また唸ったね、そういう所が可愛いんだよ」

狼の唸り声とは明らかに違う
たとえるなら子供が拗ねる様な
そんな声を出されたら可愛いと言っても仕方ない

「ならずっと一緒に居ればいい
僕はこれでも魔族だしね、勝手に離れないし居なくなる事も無いよ」

それにそう簡単に死なない
そう言い切る前に抱き着かれてしまう
密着したままのカノンを抱きしめ頭に手をやる
こうして密着するとカノンの鼓動が感じ取れる
こっちまで鼓動が早くなりそうだ

カノン > 「もう…照れるから、だめ…顔、ゆるんじゃう」

耳をペタンと伏せて近くで聞こえる声に照れが混じって声が小さくなる

「だって…幸せすぎて」

くっついて離れない距離、聞こえる鼓動が自分のか主人のかわからないけど
同じ鼓動が体に響けば、生きてる証の音さえも心地よくて

「主さまの音がする。私とおんなじ音。主さまは、主だけだから」

魔族だろうとヒトだろうと、誰でも関係なくて
先ほど、ブラッシングされた毛並みのいい尻尾が揺れるほど
少しは落ち着いてきたようで

ドルクス > 「幸せそうな顔を見るのはいいね、こっちまで嬉しくなる」

自分に頼り、信頼してくれる相手
そう言えば何の思惑も無しに信頼してくれた相手なんて生まれて初めてかもしれない
これが幸せ…腕の中の幸せを守る決意は固まった

「その主様は中々しぶとくて強いって覚えておくと良い
好きな相手一人くらいは守れるぐらいにね」

英雄みたいに誰しもは守れなくても自分の腕の中ぐらいは守り切れる
笑顔で決めた後はまた唇を重ねた
先程より少しだけ長く…今日はそれで我慢だ
これ以上は少し眠れなくってしまう

カノン > 「私だって主さま守れるからね」

顔を摺り寄せるように
抱きつき頬を寄せて

また重なる口づけに、今度は瞳を閉じて受け止める
数日前までの、空っぽな気持ちが
満たされるように暖かく感じて

「主さまのいくとこ、ついていくからね…どこでもいくからね」

前に少し口にしてた村の定住でなくても
主の所在を置くとこに連れそいたくて
それは、王都でも魔族の国でもどこへでもの覚悟で