2022/11/02 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にグァイ・シァさんが現れました。
グァイ・シァ > 月の光の乏しい夜。昼間の戦闘の残り火が未だくすぶる丘は、うごめく影が散見されることがある。

死骸を食らう夜行性の獣、または魔物
彷徨う死体
または辛くも生き延びたもの

珍しくもない光景で、こういった夜は所謂『死体漁り』を生業にするような者は近づかない。
そういった死と近しいものたちは大概がのろのろとした動きだから、今宵乏しい明かりの下で刀を振るう女の姿は大変目立った。

「―――――ッ」

薄闇でも目立つ紅い髪が翻る。白刃を振るって飛び散るものはどす黒く、女の衣服と肌に降りかかって染める。

戦場跡で目覚めることはままあったが、こういう場合が一番厄介で忌々しい。女が求めるものとは対極の存在たちに力を振るうのは徒労しか感じない。
それでいてうごめく影たちは女の生命を散らすことを欲する。

(…こいつらに恵んでやるほどおめでたくはない)

緩慢な動作は切って捨てるのに苦労はないが、数が多い。
もたもたしていればさらに群がってくるだろう。