2022/05/28 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にクレイさんが現れました。
クレイ >  戦場、と言ってもいいのかわからない現場。もはや一方的な虐殺と行った方が近い様相をしていた。
 治療兵などの非戦闘員の部隊。護衛はわずか、そんな時に敵対勢力が突入。戦力差など途方もなく。治療部隊の大部分がやられた。だがしかし、ひとつの計算違いがあるとしたら。

「おらおら、どうした! 非戦闘員相手に奇襲してこの様かてめぇら!!」

 剣を1振りするごとに5人ペースで吹き飛んでいく。左右の剣はまるで獣の爪のごとく。少数で敵陣を貫いていく。
 流石にこの戦力差で勝てるとはおもっていない。だがせめて依頼、即ち護衛対象である治療部隊の撤退の時間は稼ごうと殿を買って出た次第。それにいい恰好させられるかとついてきたのが数人。
 数に物を言わせ上から雨の様に降る矢と魔法。

「この程度で俺が取れるかよ!!」

 地面に剣を突き刺し振り上げれば土砂が上に舞い上がり、それが壁となり雨や矢をはじき返す。剣が折れる。

「それ、寄越せ」

 近くの敵兵を強化した拳で殴り飛ばすと剣を奪い取り、それでさらにもう一人。剣を奪い取り元のロングソード2本に戻る。
 返り血で血まみれのその姿正に鬼。
 
「フゥゥ……!!」

 魔力で上がった体温は汗を蒸発させ、煙のように全身から白い煙が立ち上る。もはや魔族かと見まごう様であった。

クレイ >  
「俺も死にたくねぇし。お前らだって勝ち戦で死にたかねぇだろう……どうするよ。え? どうするよ!!」

 ズンズンと大群相手に踏み込む小集団。矢や魔法や近接戦で確実に消耗しているその部隊。
 だが、誰一人戦意は失っていない。むしろハイになっているのだろうか。全員の目がギラギラと光る。
 この男も例外ではない。矢が1発腹を貫いている。だからどうした、腹に刺さっただけだ。
 その矢を乱暴に引き抜くとそれを投擲。弓兵の集団に投げ返す。1人が倒れた。

「やり合うなら相手になってやるよ、良いかお前ら。1人20人だ、そうすりゃ勝てる」

 んな無茶なと殿部隊から笑いが起きる。だが、その程度やってのけろというのがこの男だ。
 ニィと狂暴な笑みを浮かべる。

「じゃ、援軍が来るまで耐えるこったな。いいかお前ら、敵を飲み込め。周りから全滅させるなよ」

 敵の集団の中にいれば敵は矢や魔法を撃ってこないの理論。戦場で1番怖いのは矢や魔法だから理屈はわかるが理論滅茶苦茶である。
 だが、それが1番の生存戦略。全員がニヤリと笑うと同時に敵陣に飛び込む。
 最終的に殿部隊はなんとか生存したもの被害甚大。この大暴れした男もしばらく戦場に出るなと釘を刺されたとのこと。

ご案内:「ハテグの主戦場」からクレイさんが去りました。