2022/05/14 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 主戦場の一画、既に戦闘後の拠点、そこの一帯にいたのは所謂王国軍側の雇われ部隊。武器も装備もバラバラ。人種すらバラバラ。統一感など全くない。中には正規兵も混じっているのかもしれないが。大半は雇われだけで構成されている。
 ただただ練度だけで磨き上げた部隊。それはその一帯を抑えていた。敗残兵の行方は様々だろう。別にそれを助ける道理はない、これは戦争なのだから。覚悟してここに来た奴らなのだろう。
 そんな中、手紙を読んで苦い顔を浮かべる男が1人。

「……おいおい、冗談キツいぜ。桁がひとつ足りないんじゃねぇのこいつ」

 雇い主から追加の仕事が来た、その内容はこのまま進撃し、さらに勢力圏を広げろというもの。傭兵だからと無茶な作戦をしてくるものだ。
 その手紙を破り捨てると使者と思われる人物に二つに分かれたそれを突き返す。

「このクレイ様をその内容で雇いたいならもう桁1つ増やして出直してこいって伝えてきな」

 傭兵風情が! なんて言葉を投げかけて使者は走っていくが、場所が場所だ周りからは嘲笑の笑いが生まれる。傭兵も大勢いるのだから。
 とはいえ。正規の部隊が来るまでここを抑えておくという仕事はしなければならない。だが、退屈なのは事実だ。酒を飲んだり賭けをしたり。話したり、できるのはその程度だろうか。
 クアァと大きな欠伸をひとつ。

クレイ >  正規兵の前に訪れるのは行商部隊。酒や食料、それに楽団やらといったのを積んだ部隊だ。移動式娼館なんて呼ぶやからもいるが、所謂そういう職業の人達も乗っているのは事実ではあり。部隊メンバーも色めきだつ。
 これらが到着すれば普通の町と大差ない、なんていうと少し無理があるが、普通に店員なども募集されるし医者なども来る。つまり兵士以外の一般人もそれなりに乗った馬車というわけだ。
 言い方を変えれば守るのが余計に大変になるわけだが。
 そして帰ってくる使者。正規軍もそれなりに近くに来ているということなのだろうか。手紙ではなく金の入った袋を持っている。

「ん、返事は良いよ。それみりゃわかる。またのご利用を」

 なんて受け取って手をヒラヒラ。無言で叩きつけるように使者はお金の袋を渡していったがこの男はヘラヘラ笑うだけだった。
 つまりは仕事は終了だということ。戦場のど真ん中で解雇である。酷い話だ。
 だが言い方を変えればもう守るという仕事すらする必要はなくなったわけで。完全自由時間の開始であった。
 だがまずはお金の計算。依頼の内容と中身があっているかどうか。それを確認している。

クレイ >  
 報酬は数え終わった。流石というべきか、報酬を誤魔化す事はしなかったらしい。まぁもしそんなことをしようものならこのまま敵に寝返って依頼主をうっぱらう事で補填させてもらうだけの話だが。
 お金の入った袋を懐にしまい込む。さて、今からすることはいくつかあるが。ふむと。

「よう、悪いけど帰る時載せてってくれや。勿論報酬は弾むし帰りの道の護衛もするぜ?」

 と行商部隊の馬車の1台をひっかける。小さな規模の行商人だ。つまり早くに帰る馬車という事でもある。
 流石に1人で戦場をブラブラあるくわけにもいかないし、面倒臭い。つまりこれが1番良い選択だと個人的に思っただけである。
 そうしてその馬車と交渉を済ませて、帰るまでの間飲んだり賭けに興じたりと自由時間を満喫したのである。

ご案内:「ハテグの主戦場」からクレイさんが去りました。