2021/07/18 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場 戦場近くの森」にウーズさんが現れました。
ウーズ > 昨今、戦場にとある噂が立っていた。
小競り合いが続く戦場から少し離れた森に向かった者が帰って来ない、と。
最初は給仕のために水を汲みに行った少年達。
次は、彼等を探しに行った下級兵士達、その次は調査を命じられた傭兵達。
まるで森に飲み込まれたように、誰も帰って来なかった。

ぐじゅ――ぐず――ずぶ―――。

そんな森の奥に泉があった。
噂のはじまった場所。そして以来誰も帰って来ない其処。
ちゃぷん――と沈んでいくのは白くて細い、ちょうど指先程度の長さの塊。
月明かりに澄んだ水の中に混じるのは黒い汚濁のような質感の何か。
小山のように盛り上がるその頂点には汚れ、壊れかけているけれどもまだ昔日の輝きを喪っていない鎧姿があった。
まるで祈るように指先を組み合わせた指。面貌の中の視線めいたものは月を見上げていく。
まるで、その足元に転がる剣や甲冑など目に映らないように。