2021/03/18 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > ハテグの主戦場
小競り合いという常戦が存在するだけの場所は、新若い者や向こう側で捕虜にした奴隷兵などを扱うのにうってつけといえる
砦や要塞のような場所と比べれば、現状維持 それだけが目立つ場所だ
比較的安全だからと、貴族のボンや肥えた指揮官が駐在していられる此処は割と人気といえるかもしれない

最も、末端にとってはどこであろうと死か辱しめが待っている。

互いの零れていく兵は攫われ、生け捕りをし、まるで野で喰われる女鹿のようなザマを見せつける王都兵
襤褸になればボウガンで胎を抉るような、世紀末染みた真似よりも娼館に叩きこまれるだろうか
中には金を優先にして、思わぬ美姫な面貌を捕まえたなら綺麗なままで売り飛ばすこともあるだろう

そして今日も、日のいい時間から戦場は続く
適度に攻めて、適度に勝ち負ける

「やり過ぎれば、やり過ぎて来る やり損えば損をする。
 何とも言えない戦場ですこと。」

久しぶりに訪れた古戦場
赤い瞳を細め、ギザ歯の奥から漏れる吐息は、未だ生ぬるい。
両手大盾という奇特な装備を身に着ける戦場貴族の令嬢は、足蹴にしていた鎧戦士を見下ろし、長い黒髪を後ろへ流した。

互いに損をせずして突出させた、傭兵と奴隷兵の先兵集団
そんな中を、武人など欠片も無い、柄の悪い貴族の子らと共に、令嬢は再度突撃する。
激突する砂と砂の群れのような中を、歪な何かが粉にしようとする。

「まぁでも、殺し合ってこそのダンタリオですもの。」

そう言って、悪魔的な笑みを口元は浮かべながら、先方の尖った場所へと、その極盾は振るわれる。
そう、まるで大剣のように、太い〘 〙な形の取っ手を握り、振り回す。
肉の産音 鉄の悲鳴 横薙ぎの重量攻撃は、人一人が、歪み跳ぶ。

メイラ・ダンタリオ > 戦場という場所ながら、ここでは互いに突兵を持ち出し、損をし過ぎれば腕の立つ火消しが燃え広がるような場を、鎮める
そうすることで互いにすり減らしを防ぐものの、メイラは火の中であろうと進む癖がある
魔と混ざり合う力の武勲 それだけが全て それだけでいい

しかし、やり過ぎれば向こうも躍起になる 焼野原にされようとすれば必死になる。
故にやりすぎるなと釘を刺されたのはいつのことだったか。
火消しに回らずに、こうして消耗するだけの兵に交じるのは、それだけ練度も気合も今回は無いと踏んでの補完だったわけだが。

そんな中で、盾を水平に構え、角の部分で突きの形で打ち据えると向こう側へと鉄の伸びる音
立てた札が倒れていくように、突き飛ばした者と共に崩れたのに対し
足を止めては片手が招く 五指を波打たせるようにして、挑発をする。
そんな中を、後ろで一人の六男貴族が声をかける。

『いつもよりおとなしいじゃないっすか。』

掻き混ぜるように、進みを凹ませるようにしか動かないメイラに、そう呟く仲間。
メイラも、瞳を細め、歯列をへの字にするように答えを返した。

「わたくしのようなイカレが来ない限り、決まり事を守ってほしいとの、“後ろ”からの懇願ですわ。」

肩をすくませ、珍しく他人の言うことを呑んだ姿
王にまで響けば答えは同じくして成ると思ったからか。

メイラ・ダンタリオ > 適度に寄せ、適度に叩く
うかつに弓も使えぬ群れと群れ

突如として聞こえたのは引き際を知らせる角笛の音

ピクッと、不完全燃焼を表すように眉を顰めるのなら
兵と共に退きにはいるとなるだろうか

再編も含め、今度は陣営にて足をとどめることになりそうだ。

ご案内:「ハテグの主戦場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。