2020/11/10 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 要塞都市やシェンヤンではなく、決められた戦場で勝ち負けのみを得るハテグ
統率の取れた連弩や突撃槍 中には火薬を用いた発射装置もあるかもしれない
大規模な戦場をするほど燃えず、消極的な中でも空気を読まない輩は居る者

メイラを含める、問題児を集めたような集団的キチガイはそれに当てはまっていた。
完全な統率や規律の取れた進撃 それらを拒んだのは戦貴族なメイラだ。
誰彼であれ平等に扱い、王以外に平伏することはありえない。
そして暴れまわる。

扱いづらい上にその血の混ざり具合が、暴れに拍車をかけている存在。
メイラ自身は、携えている愛剣が集団戦闘に向かず、切込みを志願した。
適当にかき混ぜてこい そんな髭を整えた戦場の一部を任されている男の声

「ええ、了解しましたわ。悦べる首の数だけお持ちいたしましょう。」

両の手でスカートをつまみ、脚を交差させて爪先で地面を叩く
その両手と足先が、堅い殻で覆われたような黒鉄の色と音を帯びていなければ、ただの貴族令嬢だっただろうに。
そして、戦場では仲間と距離を取りながらも、暴れまわる

これが杖の両端のような剣ならばよかった。 しかし、柄のない剣身をつなげたような鉄塊のそれ。
真上からの振り下ろしができず、袈裟な斜線と真横からの一文字。
または独特な両剣ゆえの構えで集団へとぶつかり、質量攻撃を与えていく。

そのギザ歯で笑む、黒でまとめた身なりと手足のみを覆った装甲
戦好きや狂人と陰で言われようと、メイラは気にしない。

ご案内:「ハテグの主戦場」にエミネさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > メイラ自身の身長を超える両剣
血と膂力が行う鉄塊のような剣からの打ち込みは、両手で握られた柄から起こる独特な剣線
左右に伸びてしまったそれは、通常の剣線とは違う。
左右から起こりうる、撃を打ち込めば、次の撃は逆からくるような、荒々しい力任せ。

杖術仕込みとは違い、片側に寄せられた柄はさらに独特なものへとかえていく。
多勢に一だからこそ通じるように、ギザ歯を噛み合わせ、凶悪な笑み
三日月のように笑んだ口元と精巧なジグザグを描く中で、空気が漏れる

「シ、ィッ!!」

真横一文字に右から左へと振るわれた身体ごと廻すような一撃
胴体を赤く泣き別れにさせた兵らが目の前にいる中で、堕ち転がるその部位で鈍る第二面
逆の左から振るわれた、身体ごとの一撃がさらに泣き別れを作っていく。

響く剣の音は鉄の悲鳴 鉄の撓みが引き起こしたかのような音だった
肉の音なんて、既に聞こえはしない
突きという攻撃時代も、質量からくるそれは相手に縦に大穴を空ける。

後ろから囲もうとした者ですら、引き抜きざまに充てれば刺さる
両剣の数少ない強み 左右前後で切込み、突き刺せる。

鉄の質量と剛力で行う頭上のみをがら空きにさせたような展開
狂人家系のダンタリオ
あれは女を狙う気持ちではない 魔物を狙う気持ちでいけと、誰かが言った。

「今更過ぎますわ……! 逃げる者なら口を開けばよろしいのですわ!ダンタリオは魔性だと!」

そう赤い瞳とギザ歯が、相手を射抜く。

エミネ > 「またヤバそうなのが来たわね…ダンタリオ家の令嬢だったかしら?」

対するシェンヤン軍、エミネは望遠鏡でその様子を見ながら隣の副官に聞く。
周りにはシェンヤンの誇る精鋭重装歩兵。今前線で戦っている兵より装備も良質だ。
火消しの為の予備戦力として待機していたのだ。

「とりあえず、油断せずに当たりましょうか。あと騎兵隊にとっとと回り込むよう連絡」

矢継ぎ早に支持を飛ばす。伝令がその度に走っていく。

「今戦っている連中を下がらせなさい!アレは私達で食い止めるわよ。連弩前へ!」

整然とした足並みで、連弩を持った重装歩兵が前に出ると、一斉にメイラに照準を向ける。

「前列放て!」

エミネの号令で、一斉に矢弾が放たれる。
空気を切る音を立てながら、一直線にメイラに向かっていく。
連弩による面制圧。実にシェンヤン軍らしい戦い方と言えるだろう。

「後列放て!」

放ち終えた連弩兵は一斉に後退し、後ろに立っていた連弩兵と入れ替わる。
一糸乱れぬ統率で、鮮やかに連続射撃を放っていく。

メイラ・ダンタリオ > 荒れ狂う
メイラの剣術は背中を任せる者すらいない
浪漫だけしかないと言われてしまうような両剣の鉄塊

ダンタリオの血力が起こす、鉄塊を扱い膂力と戦場でこそ生かされる狂気が、メイラの感情を加速させる
既にこの戦場 勝ったところで国を削ることも褒章を莫大に得ることもないというのに。
メイラの表情は、ギザ歯と三日月型の口元からなる凶悪な笑みを浮かべ、満ちていた。

薙ぎ払う 突き刺す 斬り落とす
鉄塊という重量は、何も泣き別れだけを経験させるだけじゃない
吹き飛ばすだけでも相手を戦えなくさせてしまえばいい
鎧越しに食い込んだ刃がどこまで食い込めばいい?

腕から身体へかけて拉げた相手はどこまで戦おうとする?
そういう簡単は話だった。
切込みという名の、暴れ狂い達が掻きまわし、数を減らしていく。
シェンヤンとの小競り合い

こうも張り切る馬鹿を相手に、相手はどれだけ損な気持ちを抱くだろう
本物のイカレを相手に、どこまで気乗りできるのだろう?
答えは冷徹な判断という攻撃だった。

「あら……。」

―――流れが変わりましたわね。
―――意地の張り合いはお嫌い?

気づいたメイラは戦場の流れを、その赤い瞳で見る。
目の前の有象無象が退いていく。
蹄で駆けていく音が聞こえる
目の前から迫る装甲歩兵が弓を構えているというのに。
メイラが感じたことは、背中を撫でる冷たい舌のようなそれ。・

もうすぐこの戦場の一幕は過ぎるようだ。
しかしまだ終わらない。
目の前に、冷徹な指揮で下そうとするものが、メイラという的を狙っている。

「あは……。」

メイラは、思わず燥いだような声を出す。
瞳は歪み、足元の躯を一つ突き立て、片手へ。
さらにもう一突きした躯を目の前で差し出した。

突き刺さる感触
弾かれる音。
床へ刺さるそれらも気にはしない。
黒いスカートが一部矢で裂けたのですらも、笑みを浮かべて流してしまう。
肉の壁を果たした矢面二体。

「綺麗すぎますわぁっ!」

そう言って、躯をその怪力が投げつける。
隊列の一人二人が倒れ込むか、構わず剣を振るい、赤が線を描きながら隊列へさらにぶつける。

弩という、クランクハンドルや足かけで矢を番えるまでの時間を、与えないように。
獣のように迫るメイラ。
両剣を片手で握り、突撃していく。列に入ってしまえば、弓の隊列などどうともよくなってしまうだろうと。

エミネ > 死体を使ってこちらの矢弾を防ぎ、さらにはそれをこちらに投げつけてくる令嬢に、エミネは舌打ちする。

「やっぱりダメね、連弩下がれ!」

半ば予想していたとばかりに見切りよく指示を飛ばす。
倒れた兵も隣の兵が素早く助けおこし、連弩を躊躇なく捨て、一斉に後退する兵士達。
そして、その後ろに控えていたのが…、

「盾、前へ!」

全身を覆う大盾(タワーシールド)と長槍を備える重装歩兵。
鎧を着こんでいるとは思えぬような速さで連弩兵達の前に躍り出ると、
素早く整列、隙間なく盾を並べ、構える。

「前進!!」

エミネの号令のもと、一斉に槍衾を作ると、ザッザッと音を立て一糸乱れぬ行進を始める。
連弩を捨てた兵達も盾と槍を受け取り、次々に戦列に加わっていく。
その中心に、エミネの姿もあった。

「間合いを保つこと!ヤツは速いわよ!」

普段は騎兵を相手にするような槍だ。メイラの剣より遥かに長い。
付かず離れず、抑え続け消耗させる。
懐に飛び込まれても、槍隊の後列には少々短いがその分取り回しのいい方天戟を持った兵が控えている。
数の力を最大限に活かす構えだ。

メイラ・ダンタリオ > メイラは突撃する。
もはやそれは単身に近い。
両剣という鉄塊は長さはある
しかし欠点がある 間合いだ
両側から生えて長くなったそれは、片方で例えればその間合い、半ばまで削られる。

集団の中で、指示を飛ばす冷徹なそれを見たメイラ。
あれの首を取らない限りは、撤退を潔く決めなければいけない。
しかし、相手の有象無象が退き、こちらの狂いもまた前進しているのは事実。

集団を意識し、確実な勝利を求めるシェンヤン
暴れ続け、ダンタリオという名を示すメイラ。
長槍と大盾というそれらと重圧な装甲

「ファランクス……!」

―――嗚呼、たまりませんわ……!
―――あの指揮者の首、獲らなければ!

メイラは指示を飛ばすという真似はしない
王にのみ平服する暴力装置は、戦場にひたすら傷と罅をいれていくだけ。
長槍を構え、間合いを保ち、安全な位置から突き殺してやるという意志を切っ先に秘めた奴輩
メイラがとった行動は、槍衾にされる間合いの外から、穂先のみを意識するというもの。

安全な位置という間合いから 大変結構な手前だった。
故に、距離を保ってくれるのならば、その穂先、次々と拉げさせていこうという力業。
盾を構え、槍を伸ばし、前進するだけならば、叩き潰す。

況してや大盾持ちの片手操り。
片手と、メイラの腕力では穂先が次々と折れていく。
刃砕きですらあり得たかもしれない。

中には、突き入れてくるそれと両剣が切っ先を弾き、片手で掴むままに逆に押し込んだ。
そう、引き、押し込み、倒す。
力業が為せるメイラ故の荒業。

穂先を壊し、列を乱させていく中で、天戟と呼ぶ独特なハルバート型がチラリと見えた。
徹底的な安全地帯、メイラは槍が棍擬きとなる中で、一本強引に脇に掴むと、後退しながら抜き取って見せる。

「往きなさいっ!」

轟っ!と片手投擲。
それは穂先を砕き、隊列を倒すことで崩した上で見えた、指揮者への挨拶。
背中に駆け巡る冷たく這う感覚。 後ろからくる気配が先ほどから強くなっていき、メイラはこの状況。
ギリギリまで楽しもうとしていた。 そのメイラの笑み、指揮者に見えただろうか。

エミネ > 「はぁ、少しは躊躇しなさいよね…」

猪突猛進に突っ込んでくる単騎を見て、エミネはため息を漏らす。
穂先を切り飛ばして無力化、槍衾に対する剣の常道だ。
こちらの兵も槍を保持できるだけの力はあるはずだが、
相手は見かけに似合わぬ怪力らしい。掴まれ列を乱される。

だがエミネも、兵達も慌てない。あちらが前に進むならその分こちらが退けばいい。
戦列はまるで機械のごとく、折れた槍と真新しい槍を入れ替えながら、
距離をとったまま後退する。

しかし、その時だった。
こちらの槍を一本無理やり奪い取る令嬢。
そして、次の瞬間には、その槍はエミネ目掛け、真っ直ぐに…、

「…!」

傍らに立っていた兵が二人、素早く戟で槍を叩き落す。
エミネはさも当然とばかりに、全く動じずそれを眺めていた。
その顔にはニヤリと笑みすら浮かべ。

「真っ直ぐ指揮官狙いね、重畳重畳」

己も、指揮だけでは飽きてきたところだ。
周りの兵がじりじりと後退する中、エミネはその場に立ち続ける。
必然的に、暴れる令嬢との距離は縮まる。

「中央は退いて、左右は前進。背後にまでは行かなくていいわ」

後続もなしに突出するなら、包囲に持ち込もうとするのは当然のこと。
メイラに槍を向けたまま、戦列は湾曲する。
正面のみならず左右からも槍が彼女を襲うだろう。

「連弩も左右へ。隙があれば放っていいわ」

連弩兵が走っていくのを見て、改めてエミネは令嬢に目を向ける。
正面の槍は次々穂先を切り飛ばされ、ダメになっていく。
もうそろそろ、彼女の笑みも見える頃。とても楽しそうで何よりだ。
そのまま正面に釘付けになってもらおうか。

「じゃ、私はちょっと相手してくるわね」

エミネは前に歩く。駆けだす。
そちらがこちらを狙うなら、狙いやすいよう前に出てきてあげよう。

エミネ > 【継続します】
メイラ・ダンタリオ > 【後日継続です】
ご案内:「ハテグの主戦場」からエミネさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。