2020/09/13 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にエミネさんが現れました。
エミネ > 「クソッ!南蛮が…」

今日もまた繰り返された王国と帝国の小競り合い。此度は帝国の敗北に終わり、敗軍の将兵達が捕虜として連行されている。その中には指揮官の女武官もいた。

「…必ず…皆殺しにしてやるわ」

エミネはにやにやと笑みを浮かべながらシェンヤンの捕虜を見る王国兵達を睨み、舌打ちをする。そして、手枷を外せないかと引っ張ってみるが、ビクともしないのを確かめまた舌打ちをした。

「どこに連れて行こうってのよ…さっさと殺すなら殺しなさいよ」

しかし、王国兵達は手を出そうとはしない。流石に敵とはいえ将クラスともなると下っ端が勝手に手を出すわけにもいかないらしい。
どうも、王国側の指揮官のもとに連れていかれるようだ……。

ご案内:「ハテグの主戦場」にセリアさんが現れました。
セリア > 本来、自軍は対魔族専門…の筈だった。が、人手不足なのか何なのか。
言葉巧みに駆り出された戦場にて一先ず勝利を収めた後。怪我人がどれくらいいるか調べ終えたところ。
兵士達が捕虜を連行してきたので、溜息混じりに向き直る。

「…正直、どう判断すべきかわからないんだけど……まぁ、いいわ。とりあえず王都へ連行しましょ」

その場で殺すようなことはしないで、と厳命し、連れてこられた捕虜の顔を一人ずつ確認する。
大体は一般の兵士のようだが――将らしき女性が紛れ込んでいるのを見、意外そうに瞬く。

「へぇ……お手柄ね。指揮官を引っ捕らえてくるなんて、やるじゃない」

そう部下を褒めると、女武官のもとへ近寄っていく。

エミネ > 近寄ってくる女の容姿を見て、不機嫌なエミネの顔はさらに不機嫌なものになる。

「アイツ…」

見覚えがあった。先ほどの戦いでこちらに大損害を与えた女だ。どうも王国軍側の指揮官らしい。エミネは女を睨んでいたが、近寄ると侮蔑の笑みを浮かべた。

「あら、アナタが蛮族どもの頭目かしら?」

捕まってる身であるのに怯える様子もなく、それどころか見下した風に。
部下の帝国兵達は、はらはらした様子で二人を見ている。

セリア > 近寄ってみると、怯えたり許しを乞うどころか、侮蔑の笑みを浮かべる女。
その度胸というべきか、豪胆さに思わず女騎士もつい笑ってしまった。

「ずいぶんなご挨拶ね。自分の立場を忘れてなければいいけど」

揶揄うように言葉を返すと、彼女の目の前に腰を下ろす。
部下には大丈夫、と手で合図して他の見張りに戻らせた。

そうして、これからのことを考えているのか。
言葉を発さぬまま、少しの間視線を彷徨わせていた。
が、何やら思いついたように笑うと、彼女の顔を覗き込む。

「……王都まで大人数の捕虜を連れてだらだら向かうのも味気ないわね。
…これから言うことに、貴女が従ってくれるなら。解放してあげてもいいわよ」

受ける?と試すような眼差しを女武官に向け、女騎士は微笑む。

エミネ > 「立場?私とアンタで直接戦ってたら逆だったに決まってるじゃないそんなの」

再び不満気な顔をして、そう返す。そして、帝国兵達の方をちらりと見る。
一騎打ちを行う前に包囲され、彼らを思うと降伏するしかなかったのだ。
尻尾が、威嚇するように持ち上がる。

「従え?無礼極まりない南蛮人ね。帝国の情報なら渡さないわよ。それぐらいなら死を選ぶし、また化けて出てアンタを殺してやるわ」

そうは言うものの…。
少し、目線を怯える部下のほうに向け、ため息をついた。

「……兵の安全は保証しなさい」

吐き捨てるように言った。

セリア > 「大きく出たわね。でも私だって、伊達にこの地位にいるわけじゃないのよ」

戦場の状況を思い起こすと、彼女は存外に部下思いだと言うことは想像がつく。
威嚇するような尻尾の動きに笑みを深め、覗き込むようにしていた顔を一旦引いた。

「化けて出てきたならもう一度叩くだけの話よ。
……勿論。こう見えて、私は約束はきちんと守ることで有名なの」

冗談めかしながら、彼女の部下の安全については保証すると承った。
そうして本題に入る。

「さて。じゃあ肝心の『言うこと』だけどね……」

セリアは、目の前の女武官の耳元に唇を寄せ、彼女にだけ聞こえる声で囁いた。

「……貴女と私で、誰の邪魔も入らないところで勝負しましょう。武器は無し、素手だけで。
そしてどちらかが勝った暁には…相手の身体を好きにできる、という条件付き」

どう?と一度顔を離して様子を伺った後、妖しく笑って再度囁きを落とす。

「戦場で戦えていないから…純粋に腕前が気になったのもあるけど。
貴女も私と同じ性志向だってのは一目見て分かったからね」

エミネ > 「……は?」

耳元で囁かれ、びくりと身体を震わせながら思わず顔を向ける。
しばらく疑問符を頭に浮かべていたが、何を言われたか理解したのか顔を真っ赤にして叫ぼうとし、周りの兵を見てやめ、幾分トーンを落として話す。

「そ、そんな騎士みたいな恰好のクセにとんでもない趣味ね!それとも王国の騎士ってのはみんなアンタみたいな性格なの!?」

周りに聞こえぬよう小声で話しているつもりだが、自身はない。
尻尾は警戒心をあらわに逆立っている。

「だいたい!シェンヤンの誇り高き武人が南蛮の女なんか…女なんかに……」

女騎士の容姿を見て、言葉が詰まる。悔しいが顔が良いのだ。身体も、鎧の上からでもわかるぐらいに良い。

「……ふ、フン、どっちが勝っても恨みっこなしよ」

目線を逸らすと、外せとばかりに手枷を差し出した。

セリア > 周囲の兵士達は、一体なぜ彼女がそんなに怒り出したのかわからず、疑問符を頭上に浮かべていた。
警戒心を露わにしていた様子が、次第に落ち着いてくるのを見つめて…
やがて手枷を差し出したのを見、部下にその鍵を取ってくるよう指示を出す。

「とんでもない趣味ねぇ……でも、そうすれば貴女もその部下も解放するって言ってるのよ。
悪くない条件じゃない?」

ふふ、と悪びれず笑う。こと、女のことになるとこの騎士は積極的になるのだ。
やがて部下が持ってきた鍵を手枷の穴に差し込み、その腕を解放する。

「じゃ、行きましょうか。…大丈夫、きっと楽しめるわ。お互いにね」

残りの兵士達を見張っておくよう部下に命じ、女騎士と女武官は揃って戦場を後にした。
向かう先は、誰の邪魔もない、二人きりになれる場所…

セリア > 【継続】
ご案内:「ハテグの主戦場」からセリアさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からエミネさんが去りました。