2020/06/28 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場 帝国軍陣地」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 無数とも思える大小のテントが立ち並ぶ帝国軍の陣地。
陽も落ちて所々で篝火が焚かれる中を、凱旋したばかりの騎馬やら兵士、はたまた非武装の伝令や騎士の従者などが忙しなく行き交っている。
騒めきは意気軒昂なものが多い。

(おそらく、戦況は有利なまま終えられたのだろうな…)

そうして足早に人や軍馬が行き交う中を、すこし場違いにゆっくりと足を進める女がひとり。
時折過ぎる軍馬へ視線をやったりしながら、人びととテントの合間を縫っていく。

頼まれた書簡は既に目的の将軍へ届けた。
あとは夜が更ける前に此処を去るか、来客用のテントへ行って休むか。

(―――その前に)

周囲の熱気のせいばかりではない、じっとりとしたものが肌に纏わりついている。
それを如何にかしたくて、作られてある筈の水場を探している。
散策ついで、人波の様子で辿り着けるかと思って案内を請わないまま、こうして歩いて暫し。

(――――これ以上掛かるなら、今日ここを去るのは諦めなくてはいけない)

女は不図足を止めると、藍色から漆黒へと滲みつつある空を見上げた。

ジナイア > 星は既に煌めきを露わにしつつある。
今すぐここを発っても途中で野宿の必要は出て来るであろうが、戦場からは十分に離れないと不足の輩に囲まれる虞がある。

「――…さて」

時間の猶予は無い。
翠の視線を空から下ろすと、周囲へと視線を向ける。丁度目に留まった平服の従者らしき者に視線で脚を止めさせて

果たして女は念願叶えて更に陣地を去ることが出来たか
それとも今宵は戦場にて夜を過ごすことになったか

ご案内:「ハテグの主戦場 帝国軍陣地」からジナイアさんが去りました。