2019/06/05 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍宿泊地」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 地図の上では領地の線がいったりきたり。
丘の上の王国軍宿泊地、並ぶテントには兵士たち。

その兵士たち向けの求めに応じて数々のお店が並んでいる。
食事、日用品、娯楽……兵士以外にも人の波は途切れることがなく活気に満ちていた。

「はいはい、もめごと起こさないのー」

最前線で戦うからだろうか、彼らにはもめごとが絶えない。
代金を踏み倒そうとした、だとか。
娼館でお嬢を傷物にした、だとか。

そんなトラブルの仲裁は本来は憲兵がやるものではあるが――。
攻勢を前にした兵の増員には追い付いていなかった。
というわけで、自分のような一冒険者にもお店側から声がかかるのである。

口と同時に手が出てきそうな兵士たちを相手によく回る口で。
それでも引かないのならば、彼らの上官様とのつながりをにおわせ――最終的にはそのつながりを示すお墨付きを見せながらさばいていこうか。

「ほんっ、と血の気の多いのばっかりで」

こりゃ兵隊は無理だわと、そんな彼らの様子を眺めながら小さく呆れるようにつぶやこう。

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍宿泊地」にエズラさんが現れました。
エズラ > 増員された兵は、当然ながら正規兵ばかりというわけではなく――荒くれ揃いの傭兵団も複数、テントを構えていた。
特に粗暴な輩を多数抱える傭兵団などは、とかくあちこちでトラブルを起こしがち。

「おうおう、こういう空気、たまんねぇなー。」

しかし、それを好ましく思う者もいる。
あちらこちらで喧噪の絶えない野卑な世界観で生きてきた者は、特に。
男もそんな一人であり、なんと言うことはなしに陣をうろついていたのだが――

「んおおっ、ありゃ確か――」

もめ事の仲裁に忙しそうな女の姿――
ムフフ、と笑みを浮かべた男が、気安い声で彼女の背中へと声をかける。

「よう、イリーナか?また会ったな――」

初めは娼婦として、次には冒険者として――
時折顔を合わせては、なんだかんだと同衾する仲のであった。

イリーナ > 「はぁー……ったく、もー」

小さく愚痴りながら聞こえてきた声。
ん?と眉を寄せながら振り向けば。

「あー………」

一瞬口の動きが止まったのは、こんな場所にいるとは思っていなかったから。
続いて、露骨に息を吐き。

「エズラみたいな連中も来るのなら、余計しんどくなりそう」

荒れくれ物の傭兵団。
悪い人たちではないのだが、正規軍とは割が合うわけがなかろうと。

「どーも。 ちょっと待つけど、中にいいこいるわよ」

親指で急ごしらえの娼館を示しながらそんな挨拶を返して。

エズラ > 「やっぱりイリーナか、冒険者つうのは本当に何でもやるんだな――」

とはいえ、戦のない時は自分も似たような生活。
彼女がここに居るというのも、そうおかしな話ではない。

「ほぉん、そりゃ結構結構――だがよ」

彼女の指す方向に一瞥はくれたが、男の足はそちらではなく――彼女の側へとにじり寄り。

「ど~せなら、旧交を温めたいもんだよなぁ……どーだよ、オレのテントに来ねぇか、ン?」

彼女が金銭に関して妥協しないことを男は知っていたし、それについて彼女を出し抜いたこともない。
とはいえその腕がすでに彼女の腰に伸びているあたり、男の誘いは半ば以上、拐かしに近いものではある――

イリーナ > 「雇われればどこでも、なんでもがモットーだからね」

と、そんなやり取りをしながら近づいてくる相手の姿。

腰へと回される伸ばされる腕は払いのけるような真似はしないのだが……。

「あいにく、お仕事中なんですけど?」

傭兵も冒険者も信用が第一の職業だ。
とはいっても、そう簡単に引き下がるような相手でもないのは知っているからか。

「雇い主と話しつけてくるから、ゴルド用意してテント戻ってて」

場所は?なんて付け足して聞きながら相手の返事を待とうとするが。

エズラ > なんだかんだと、いつも色よい返事をくれる――或いは、こちらの習性を知っての諦めなのかも知れなかったが。
そんなことを気にするような性格でもないので、男はニンマリ笑みを浮かべ。

「そうこなくっちゃよ――」

告げられた通り自身のテントのおおよその位置を伝えると、意気揚々とその場を後にするのであった――

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍宿泊地」からエズラさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍宿泊地」からイリーナさんが去りました。