2019/04/04 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍陣地」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 王都から北へ、メグ・メールの自然地帯を超えた向こう側。
常に人間同士の血で血を洗うような戦闘が繰り広げられる戦場。
夜ともなれば無数の篝火が焚かれ、其処此処で興奮冷めやらぬ兵士たちのざわめきが聞こえて来る帝国軍の陣地―――

「…確かに、預かろう」

その無数にあるとも思えるテントの内比較的多きな設えのものから、扉代わりの布を潜って外へと滑り出る女がひとり。
戸口で呼び止められたようで、振り返ると中の人物から紙片を受け取った。
それを懐に押し込みながら今度こそ外へと踏み出して布を下ろす。
そうして数歩、そのテントから離れてから振り返ると、緑の双眸を少し眇めるようにして溜息を零した。
女の周りのテントの其処此処、戸口に鮮やかな色彩のシェンヤン風の提灯が掛かっているものが幾つもある。
―――勿論、女が今しがた出てきたテントにも。

ジナイア > 最近、騎士の中でもシェンヤンの女を娶ったものが多数おり、なんと戦場へも連れ込んでいるのだとか……噂は聞いていたが

「……噂以上だな」

勿論、提灯が下がっているのがすべて『そういう』騎士のものだとも限らないだろうが。
それでも、派手な光を零す提灯がちらほらと目に入ると、いつもの無粋な篝火だけの陣地と比べて雰囲気が大分……

(…和らぐ、と表現しておこうか……)

たるんでいる、等とは少し厳しすぎる気がして、苦笑めいたものが女の唇から零れた。

ジナイア > 踵を返し、自分のテントへと向かう。
通り過ぎるテントからは兵士のがなり声、談笑している声、混じって睦言を囁く声。
視界には、篝火と極彩色の提灯が横切っていく。

(……悪くない)

寝床のあるテントへと辿り着くころにはそう思えるようになっていて、思わず苦笑を漏らした。
……さて、今回の謀。
手の上で踊るのもヒト、その踊るための手もヒトのもの。
成るか、成らないか

「…楽しみだ…」

そう、独り言ちて。
女はテントの中へと滑り込んだ。

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍陣地」からジナイアさんが去りました。