2019/03/21 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にロズさんが現れました。
ロズ > 遠くから剣戟と兵士の怒号が聞こえる。此処は戦地から馬で一刻も離れちゃいないから無理もない。
周りにあるのはだだ広っぽい広場と兵士達のテントだ。
自分がいるのはその中心。月を燻す焚き火を囲んでいる兵士達の一人。現状はそんなところか。

自分の周りには4人の兵士がいる。焚き火を囲んで照らされた顔は一様にして明るい。

「これ美味いな。誰が作ったんだ」

俺はシチューもどきの入った木の椀を傾けながら問う。
すると一人が自慢げに手を挙げた。同じく木の椀を傾けてシチューを啜っている。
此処には人数分のスプーンなどないので当然だ。

「よーし、今回の炊事番が決まったな」

しまったという顔を兵士がしているがもう遅い。
くっくっと喉を鳴らして笑いながら椀を飲み干して、二杯目に差し掛かろうと火に掛けられた鍋に近寄る。

ロズ > 「ちっ」

鍋には肉が残ってなかった。野菜だけが煮立ってごろごろと泳いでいる。
しかも中身が減るごとに材料を継ぎ足していくので煮崩れたヤツも生煮えのヤツも一緒くただ。
仕方なしにお椀にドロドロの汁だけを注ぐ。これはこれで美味い。ハマる。
東方出身の奴らなんかはこいつをライスにぶっかけて食べたいと言っていた。美味いのかそれ。

「で、敵さんはいつこっちに来るんだ。斥候のヤツはなんて言ってる」

椀を片手に半分に割った木に腰掛けながら問う。
俺達は兵士だ。気楽なキャンプに来た訳じゃない。だが帰ってきた答えはキャンプ続行を告げた。
そうなると奇襲にこそ備えるが暇を潰すために兵士達が立ち上がる。おう、素早いなお前ら。
目当てはどうせ後ろのテントに連れ込まれている女か何かだろう。順番?まだ回ってこない。畜生。

ロズ > 見計らったようなタイミングで馬が群れを成してやってくる蹄の音が轟いてきた。

「んで、敵襲か。こいつは密偵がいるパターンだな。
 誰か見つけたら尋問しろよ。俺はやらないからな。それと出来れば殺すな」
『もう見つけたよ。尋問にも掛けて自白させた』
「仕事が早いな。装具点検。不備なし。スパイはどいつだった」
『不備なし。後ろのテントの女だ。組み敷かれながらぺらぺら喋ったぜ。炊事番が吐かせた』

やるなあ、あいつ。そう言って兵士達の馬鹿笑いが馬の足音に負けじと轟いた。

戦争が始まる。

ご案内:「ハテグの主戦場」からロズさんが去りました。