2019/02/09 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > タナール砦と違い国の違う人間同士が戦う戦場。
尤も、勝ち負けを繰り返すと云った処では似た様なものか。

そんな戦場の中に居るのは味方軍隊を後退させた一人の少女。
撤退と勘違いした敵兵達が挙って追撃と向かって来ているのが遠目に見える。
後退させた理由は実験の邪魔に為るからとの名目だ。
其の実は、偶には自身が傑作である魔導機械を使ってやらねばとの理由だが。

「人間同士で起こす悲劇、其の舞台に上がってしまった君達は不幸極まりないものだね。
さあ、始めようか…『ガーディアン』、久々の起動だ」

少女の言葉に反応してか、其の左右に二つの球体が現れた。
頭二つ分上の高さで其れ等は今まだ静止している。

ミリーディア > 「此の位置から後方5m以上進ませない事、条件は以上だ。
もし進める様な存在が居たら捕縛、嬲ってでも大人しくさせ給え。
後々モルモットにでもしよう」

平然と其の球体に伝えれば、少女は其処から少し距離を置いた位置へと下がって行く。
何時の間に用意したのか場違いのテーブルと椅子が其処に在り、少女は寛ぐ様に腰掛ける。

そんな遣り取りをしている間にも、敵兵達は目前に迫っていた。
後数分も経たずして球体の浮かぶ位置に迄到達するだろう。
其れでも、少女は余裕の表情を浮かべた侭にティータイムの準備に移っていた。
同じくしてテーブルの上に並ぶティーセットや菓子類の数々。
此れこそを楽しみにしていたかの様な表情を浮かべ、少女は手を伸ばす。

ミリーディア > 『サーチ…サーチ…種族名、人間。
9割は危険性皆無と判断、他の1割は魔法障壁展開中。
此方は魔法弾射撃に依る殲滅を開始』

片方の球体から無機質な音声が発せられる。
次いで何も無い周囲の空間から閃光が煌き、埋め尽くす様な光の弾丸と成って敵兵達へと一斉にばら撒かれた。
此方の危険性皆無の判断は魔法障壁の有無。
降り注ぐ光弾に依ってだろう、其れが収まる頃には宣言通りに約1割を残し地面に転がる事と為る。

『了解。他の1割に対し魔力貫通弾射撃開始』

そして、もう片方の球体から同じ様な音声が発せられる。
其のタイミングは光の弾丸がばら撒かれたのと同時。
此方は敵兵達の居る側に穴の様な空間が幾つも開く。
耳を劈くような破裂音が響き渡れば、目に見えぬ弾丸が他の1割を指す敵兵達へと射ち放たれた。
魔力に依る干渉を一切受けない弾丸が其れである。
此れを含めた事で、敵兵の全てが地面に転がっている事と為るか。

ミリーディア > 「惰性でしか動いていない連中なんてこんなものだ。
メンテナンス後の試運転にはもってこいだな。
『ガーディアン』、稼働状況はどうかね?」

幾つか目の菓子を頬張り乍、少女は球体へと声を掛ける。

『異常在りません。魔力放出率、微調整も問題は無さそうです』
『同じく異常無し。空間開放、並びに転移調整も問題は見られません。
転送元の弾丸射出用固定砲台も万全です』

其の言葉を聞き、満足そうな笑みを浮かべて紅茶を啜る。

「惜しむらくは、抜けられる様な存在が居なかった事か。
まったく儂等は其の手の運には縁が無い事だね、本当に」

静かに為った戦場、続けていたティータイムを終えた少女が椅子から立ち上がる。
そして二つの球体に戻る様に指示を出せば、後退させていた味方軍隊の元へと向かう。
実験の終了を伝え、王都へと戻る為に。

ご案内:「ハテグの主戦場」からミリーディアさんが去りました。