2018/09/08 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 戦場へと続く小道。荒く、黒い岩肌ばかりの谷底。
昼なお暗く、今にも雨が振りそうな道をラバで進む人影があった。ラバが引くのは小さな馬車だ。

「魔導機兵とも、他の国とも戦ってて、武器もお薬も足りないって言ってたね。……早く届けてあげないと」

ギルドから請け負った依頼は野営地への物資の輸送。
大型の農業馬車類はすでに出払っていて、ギルドから貸し出されたのは小さな荷馬車。
それほどモノが足りなくて状況が差し迫っているという事だろう。
荷台に医療品や酒類、武器や防具を積んで黒ずんだ空の下、戦場へと向かっていき。
谷間にラバの足音と車輪の軋む音がいやに響いている。

タピオカ > 間に合わせに作った荷馬車の床板が鳴っている。乗せた荷物が重すぎるのだ。
突き破って、ここまで運んできたものを地面にぶちまけてしまなわないように歩幅を緩める。
頑固者のラバの背を撫でて、漂ってきた戦場の血の匂いに怯まないように落ち着かせる。

「……っ!」

その右前方から、不気味な音立てて石が転がり落ちてくる。
とっさに御者席で立ち上がり、曲刀を抜く。
しかし、人も魔物も機兵の気配もない。ただの石の気まぐれだったらしい。
ほっと息ついて座り直せば、懐の地図を取り出して見遣った。
野営地までもう少しだ――。

ご案内:「ハテグの主戦場」からタピオカさんが去りました。