2018/08/04 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > ハテグの地にて獅子の旗が並び立つ。

数里先では異国の旗がその倍は並んでいた。
平原の上で対峙する両軍。

近隣国が我が国の混乱と戦力の低下を状況に今なら勝てるとばかりに挑んできたのだ。
早速私と第五師団に迎撃の命が下ったのが数時間前。

私を中心とした100名程度の部隊が現在敵側と魔法の撃ちあいを展開している。
といっても所謂魔道士の部隊ではなく、鎧を着こんだ重装の兵士によるマジックアイテムの撃ちあいだ。
こちらは魔力が付与された槍を用い、火球と電撃を。
相手方も似たような物を使用している。 どこでどう手に入れたのかは知らないがなかなか準備がいいではないか。

「これは辛いな。」

私は隣に居る指揮官の一人に笑いかけた。
彼も私と同じく辛そうな表情をしている。
相手方はこちらの3倍は居るのだ。
幾らこちらが魔法でシールドを張ったりして相手の攻撃をやり過ごすにしてもこう開けた地形ではいづれ撃ち負けてしまう。

ご案内:「ハテグの主戦場」にヴェルムさんが現れました。
フォーコ > 時間にして半時ほどだろうか。
味方側がいいかげん堪えることが難しくなってきた時に敵軍側で騒ぎが起きる。

敵側の後方から数百の部隊が現れたのだ。
その全てが獅子の旗を掲げている。
重装の騎兵を中心とした部隊。

第五師団の中でもとりわけ馬術に長けた物達を集めた精鋭だ。

彼らが平原を大回りで迂回し、後方に回った所で挟み撃ちにする作戦であった。

勿論、そんな案は私の頭から出てきた物ではないのだが。

ヴェルム > 「やぁ、アッサルト卿、元気にしてる?」

第五師団が圧されていると見せかけ、敵方の後方から挟み撃ちを仕掛け始めた頃合いに、第五師団の本陣のひょっこりと顔を出す一人の男。
実に呑気な雰囲気で彼女に声を掛けてきた。
しかもたった一人、十三師団の兵の姿はどこにも見えなかったが。

戦場にてまたしても敵側に動揺するかのような動きが起こる。
後方から挟み撃ちにされた敵部隊は混乱しつつも徐々に勢いを取り戻していき、左右に展開しつつこちらの本陣を包囲しに掛かるところだった。
だが開けたこの戦場の僅かな遮蔽物に潜んでいた、十三師団の弓兵たちが敵部隊の両翼から敵部隊への攻撃を開始。
完全包囲された敵部隊に残された道は、全滅か降伏かといったところか。

フォーコ > 「おお、ヴェルム殿ではないか。
貴殿も呼ばれたのか?
ここはそろそろ終わってしまうぞ。」

火急の事態なので他の師団には後から連絡が入ると聴いていたのだが。
彼はどこで情報を掴んだのか、はたまた足が速いのか。
私の隣でいつもの穏やかな顔を見せてくれる。

私や隣の部下など顔に汗が出ている状態だったのだが。
まあ、最悪私の奥の手を出す予定ではあったのだが今日は必要無さそうだ。

十三師団による思わぬ援軍は敵側には絶望を。
我々には希望をもたらしてくれた。
後は私の部下に任せても良いだろう。

「ところで、君は彼らから欲しい物は何かあるか?
無ければ膾切りにしてしまう所だが。」

相手のマジックアイテムも性能自体は我が方の品より多少劣っている。
将は言ってこちらに寝返る様な相手でもない。
それに私の中の竜が久しぶりに人の味を所望していた。

しかし、これらは全て私の都合だ。
今回の勝利に貢献してくれた彼らの意見も聴いてから決断を下すとしよう。
相手側の抵抗は目に見えて弱っていた。
じきに無力化ないし、殲滅も出来る状況だ。

ヴェルム > 「ウチには足も速いし耳も早い奴がいるからね。
独断だけど、まぁ問題はないでしょ」

事実連れて来たのは人間やミレーの足の速い弓兵くらい。
飛行隊を連れて来てもよかったが、主戦場であまり魔族を活躍させると後で角が立ちそうだという懸念から見送った。
まぁ第五師団の派兵についてたまたま話を聞いたがために様子を見に来たような感じだ。
彼女らの戦術を見れば応援はあまり必要なかったようだ、それに隠し玉の一つや二つ、フォーコなら持っていそうだし。

「決着のつかぬうちに戦利品の話をすると足元を掬われるとかなんとか…
まぁでもマジックアイテムなら必要無いかな、ウチ魔族いるし」

どこぞの偉い人が言ったような言ってないようなことを言いつつ、戦利品については特に求めるものは無さそうだ。
フォーコが何をするつもりなのかは知らないが、ここの始末は彼女に任せることにしよう。

フォーコ > 「広く門戸を開いているのが功を奏しているようだな。
ああ、おかげさまで先日飛行船は完成したぞ。」

耳も足も速いそうだ。 人材を手広く集めている十三師団らしい。
しかし、見る限り今日は人の眼を気にしての部隊選出をしているように見える。
射手のみの部隊で、主力は連れて来ていないようだ。
まあ、我々の援護だけを考えれば十分な戦力ではある。
私は彼らの耳の良さと運用の上手さに舌を巻いていた。
いや、うちの部下も今回の作戦は出来が良かったな。

「常に2手程先を読むのが上手らしいぞ。
ならうちで処分するぞ。 戦士の奴隷も最近は需要が高いからな。」

最早士気も落ち込んできつつある敵部隊。
私は部下に命じて降伏勧告をさせた。

指揮官はこの後のことを懸念していたようだが、明日をも知れぬ身の兵たちにはそんな余裕はないようだ。
結局、部下たちを行かせて30分程した所で相手側は武装解除を始める。
将校クラスも兵たちもうちの師団が縄をかけ、連行することになった。
身代金、もしくはバフートに売り飛ばすことを考えているので扱いはあくまで丁寧に行う。
故に時間はかかるのだが。

「後は部下たちに任せておけばいいだろう。
で、欲しい奴は居るか? 居ないならうちで全員売り飛ばしてしまうが。」

私はヴェルム殿に再度問いかけた。
援軍を出してもらって何も礼をしないと言うのも気が引ける。
実際、彼らのおかげで予定よりすんなりと戦いも終わった事だし、先日の飛空艇のこともある。

ヴェルム > 「その代わりしっかり首輪されるけどね。
完成したのか、おめでとう。飛んでいるところを早く見てみたいな」

ミレーや魔族を引き入れているのだから、上からはよく思われていない…なんてのはもう当たり前の話か。
ほとんどの人間が持つことのない、ミレーや魔族特有の能力を考えれば、恐ろしいと感じる人間がいても無理の無い話か。
故かどうか、いろんな方面に気を使わなければいけないのが、十三師団のネックなところ。

第五師団の飛行船が完成したと聞けば、ヴェルムの目を輝かせて喜んだことだろう。
大きな船にはロマンがあるものだし、それが飛行船となれば男心をくすぐって仕方が無い。
早く飛んでいるところを見たいし、乗ってもみたいのが本音だ。

そうこうしているうちに戦場では勝敗が決し、敵部隊の武装解除が始まっている。
捕虜の扱いについては思いのほか丁重だったのは、いろいろと考えがあってのことなのだろう。
負けるというのはこういうことだ。

「いや、そんなつもりはなかったから遠慮しておくよ。
礼がってことなら、こないだ言ってたパーティをやってみない?
ウチの拠点使って盛大にさ」

売られてしまうらしい敵兵たち。
命の奪い合いをしていた相手だが、今の彼らの絶望し憔悴した表情を見れば僅かながらに同情する気持ちが芽生える。
だからといって手を差し伸べてやるほど、この世界は甘くはない。
そんなことより、以前彼女との話で上がった、互いの師団合同のパーティについて、実施してみないかと誘ってみた。

フォーコ > 「うちも似たようなものだ。
先日海賊相手に戦闘をしてみたがやはり便利だな。
空を飛べない相手には一方的に攻撃できる。 ただ、君らみたいに飛べる相手との戦いまでは用意できていないのがな。」

私もあまりおおっぴらに切り札を使ってしまうと彼らのように警戒されてしまうのだろうか。
いや、既に一部は用心しているだろう。

彼が珍しく前のめりに食いついてくる。
空飛ぶ船はやはり男にとっては魅力的なのだろうか。
スケジュールが合えば今度十三師団のメンバーを集めて乗ってもらうのも考えておこう。

「そうか? 売られてから後で後悔するなよ?
それはありがたいがな。 で、いつやる?
城に戻ってすぐかな?」

捕虜を売りさばくことに心を痛めないわけでもないが、我々も常に王国にとって役に立つところをアピールしなければ
ならない。 手っ取り早くは金やそれに見合う物を配ることだ。
将校クラスは最悪身代金で送り返すこともある。だからと言うこともあって、うちは比較的扱いに気をつけていた。

そして、今度は私が目を輝かせる番だ。
なかなか時間も取れず、最悪流れてしまうかと恐れていたパーティーをやってくれるそうだ。
彼はやはりとても気の利く良い将軍だ。

ヴェルム > 「元から戦闘能力は最低限なんでしょ。
奇襲にさえ気をつけていれば第五師団の旗艦としてすぐに有名になるよ。
今度は飛行戦闘艦でも造ってみる?」

そう易々と沈められたりしないだろうが、やはり戦闘艦には向いていないため、魔族やドラゴンといった相手では被害を被りかねない懸念はある。
対空能力を高めたりなどいろいろ対策はあるが、ヴェルムとしては一隻のみならず、さらに船を増やし飛行艦隊みたいなのを期待していた。

「ノリが良くて助かるよ。
そうだね、戻ったら早速集まろう。
できるだけ団員を集めておくよ」

目を輝かせて誘いに乗ってくれるフォーコは、堅苦しくなくてとてもいい。
いつ何時呼び出しがあるかわからない以上、ささっと実行に移そう。
第五師団と十三師団の団員たちで行うパーティは、さぞ盛大なものとなろう。

「とりあえず夕方くらいから始めようか、食事や酒は用意するけど、持ち込んできても構わないよ。
それと…夜も耽ればパーティの雰囲気も変わるだろうし…」

さくさくとパーティについて話を詰めていく。
それに第十三師団は団員間での性交乱交を認めているどころか、推奨しているのは周知の事実。
ヴェルムの言葉の意味もフォーコならわかるだろう。

ヴェルム > 【継続になります】
ご案内:「ハテグの主戦場」からヴェルムさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からフォーコさんが去りました。