2018/01/04 のログ
イグナス > ひと段落した戦場を尻目に、ゴーレムの残骸に腰を下ろした。
ほう、ともう一度吐き出す息。
それにしてもここは一年中の戦場だ。年も明けたというのに。

「……ん。あるいはそういうものか?」

そういう属性の場所なのかも。かくんと首を傾けてひとりごちる。
なんにせよ、傭兵の小銭稼ぎとしては悪いものではなかった。
同様に傭兵として配置された諸兵は、指示に従い撤収の準備をしているようだった。

「酒でも飲みてエなあ。」

それらを眺めつつ、ぼやく。今日は朝からだから、だいぶお預けになってしまってた。

ご案内:「ハテグの主戦場」にアイリスさんが現れました。
アイリス > 「……?」

ずーり、ずーり、ずーり……と重々しい音をあげて荷台を引きずってくる少女。
ふと、座り込んだ男を見つけ、首をかしげてから。

「大丈夫ですか? けがでもしましたか?」

ずーり、ずーり、ずーり、と荷台を引きずりながら近づいてきて。

イグナス > 聞こえる声 ――の前に、ずりずりと引きずる音。
重々しいそれにぱちくりと瞬きして、視線をそちらに遣った。

「いや、……酒でも飲みてエなあって。」

戦場においてはだいぶ、素っ頓狂な答えになってしまったか。
それはそれとして、どちらかといえば彼女の引きずる荷台が気になったよう。視線をそちらに向け。

「…それは?」

補給車?こんな、女の子独りで?はて、と不思議そうに首を傾けて。

アイリス > 「お酒、ですか」

目をぱちくり、とし返せば。
背負っていたバックパックをごそごそ、と漁り。

「……火酒でいいのなら?」

消毒やらなんやらによく使われるような度数の高いお酒。
それを持ちだしつつ。

「あ、これですか? 殴り倒したのはいいですけど重かったので、借りて引きずってきたんです」

ふぅー、重かったー、と荷台の上に載っているのは。
3m弱程度の魔導ゴーレムの残骸。
ところどころが拳やらつま先やらの形にべごんべごんにへしゃげていて。

イグナス > 「お?なんだ、あンのか。――いや、なんか悪いなァ。」

でも遠慮するつもりはないらしい。持ち出されたやつを受け取って蓋を開けて、ぐびり。
だいぶ高いアルコール度数が、びりびりと喉や内臓を焼く感覚。
はー、と若干満足そうに息を吐いた。どうもこの程度でも、問題はないよう。
改めて問いかけたその荷台をのぞき込み、つつ。うえ、と変な声を出してしまう。

「なに、これ。お前さんがやっつけたの。
 ――はあ、見かけによらず、すげえなあ。
 おうおう、ぼこぼこにして、………ハンマー…じゃあなさそうな?」

かくりと首を傾け、やや呆れたように言う。
彼女の姿を見ればどうも、己の武技によるものだと知れる。
もう一度、はあ、とだいぶ感心するように息を吐いて、彼女とゴーレム見比べた。

アイリス > 「はい、消毒とかに便利ですから。飲まないんですけど」

ほわ、と笑いながら尻尾のような髪を揺らして。
にこにこ、としたままその様を見やり。

「あとでちゃんと支払ってくださいね?
あ、はい。ぼこぼことこう。」

しゅっしゅっ、とシャドウボクシングをして構え。
確かに武骨なガントレットとグリーブをつけており、打撃戦に相当使いこんだように見えるソレ。
しかし、巨人の血を引く彼からすれば相当に華奢にも見える体。

イグナス > 「まあ普通は飲まンわな。いやあ、やっぱり仕事終わりはこう、酒でぱーっとするに限るなあ。」

そもそもアルコールはほとんど効かない性質ゆえに、どっちかといえば仕事終わりの気分を味わいたい所存。
ちゃっかりと支払いを要求する様には、もちろんと喉を鳴らして笑って。

「はー……、すげえなあ。このサイズのやつだったら、だいぶ強いンだろ、お嬢ちゃん。
 ……格闘家?…その細い線でよくやるもんだ。」

己にしてみれば華奢で小柄、だけどもこんな場所で嘘をいうものもいまい。
確かに武具は使いこんでおり、彼女自身の技量も見て取れる。
やっぱり感心したように言って。

アイリス > 「はぁ、私はあんまり飲まないんですけど、男の人ってみんなそう言いますよね」

こてん、と首をかしげて怪訝そうにしたまま。
私はぐっすりと寝たい派なんですけれども、と呟き。

「んー……足が遅かったから割と気楽でしたね。
硬いのは何度も叩いてればどうにかできますし。
ほら、刃と違って滑らないですしね。
色んな仕事道具もありますし!」

ぐっ、と胸の前で両手のガッツポーズ。
背と年の割に豊かすぎるそれがむに、と腕のせいで歪み。

イグナス > 「なんだ飲まンのか、損だぞ損。――ま、気が向いたら言うといい。美味い酒を飲ませてやろう。」

たぶんきっと、お互い理解し合えない部類のアレなんだろう。
好みを無理強いはせぬも、やってくるならウェルカムといった具合に伝えて。

「なるほどなあ。がちんこでの殴り合いだと、…ンー、おれならもっと殴らにゃ無理かもなあ。」

腕力はともかく、技術が伴わない。残骸を眺めつつぼやく。
…尤も、視界の端にはだいぶ豊かな胸元がむに、と。
それを見つけて数秒ほど、…んむ、と腕を組んで。

「これ、詰め所に運ぶンだろ?
 良かったらそっちで落ち着いて、もうちっと話を聞かせてくれよ。
 …俺はイグナス、というンだが。ここじゃあ傭兵だな。」

アイリス > 「んー、飲めないというかなんて言うか。すぐに潰れちゃうので!
と言ってもそちらのがおっきいですよね?
こっちだとさすがに厳しかったと思います。」

大きい魔導ゴーレムの残骸を見やり、頷いて。
切り札も使わざるを得ない状況に追い込まれていたであろうことを思うとうーん、と首をかしげてから。

「はい? いいですよ。お話大好きです。
私はアイリスです。魔法で肉体強化して戦う拳屋です!」

イグナス > 「ほん、なるほど。
 ――こっちな、さすがにでかい分だけ、いろいろと裏の手みたいなのがなあ。」

視線を己の倒した魔導ゴーレムへ。
かなりの重武装が施されていたが、こっちは持って帰る気にもならない。大きすぎる。
それはそれとして、彼女が同意してくれるなら嬉しそうに。

「おう、よかった。アイリス――拳屋か、珍しいな。
 っと、それじゃあ立ち話もなンだしな、行こうか。」

そうして二人で荷台を引いたりおしたり、詰め所へ向かい

アイリス > 「はい。流石に拳でぼっこぼこにするのは難しそうです」

笑ったまま、ぴょこぴょことして。首元から尻尾のような髪が跳ね。
それに合わせ大きなそれも大きく弾む。

「はい、ではいきましょう!」

ずーり、ずーり、ずーり、とまた荷台を引きずり出して。

ご案内:「ハテグの主戦場」からアイリスさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 「年が明けてもやってるのか、飽きないものだ」

そう呟いたのは、戦場を見渡す事の出来る場所に佇む少女だった。
その背後に数人程の法衣を纏った術者らしき者を従えている。
内一人が何かを言い掛けるも、それを止めるように片手を上げた。

「仕上がった術を試すに丁度良い場所だと考えて態々来たのに、困った連中だ。
このままやってしまっても良いが、王国の連中を巻き込むと五月蝿そうか…」

当然だと表情で語る背後の術者達、少女はそんな者達へと顔を向けてこう言った。

「あの王国軍の連中を指揮してる奴に、すぐ引かせるように伝えてくれ。
引かないなら引かないで別に良い、死んでも自己責任だとな」