2017/12/15 のログ
イグナス > 「ああ、くそ、酷い目にあった。」

男は、巨躯の獣は一人ぼやいた。ひとまずの終わりを告げた戦場の一角。
普段とは違う簡素なプレートアーマーを着て、その重さにため息をつく。
周囲を見ればしかばねの山。味方も敵も、人も魔もぜんぶ一緒だ。
傭兵としてたどり着いた時にゃもう見方は全滅、いくら気張ったところで負け戦だ。

「…か、はあ。……給料さっぴかれッかなあ。」

己の如きは戦局を変える一役として雇われるのだ、負け戦じゃあどうなるものか。
久々に傭兵なんぞやれば、ロクなことはない。苦笑いをひとつ。
転がっている肉山の上にどっかりと座って、あたりを見回した。
もう夜間に近い、噎せ返るような死臭はケモノを引き寄せよう。
さっさと己も引き上げるに限るが、どうも面倒が先に立った。
ずしりと重い、人の半身を優に超える片手斧、二振り。
己の傍らに放り投げるように置いた。どすん、と音。

イグナス > そうしてどれだけぼんやりとしていただろうか。
いつまで経っても、この血なまぐささが変わるワケもない。
腰は重いが、仕方あるまい。やれやれと呻いて立ち上がる。
やっぱり重い足を引きずってそのまま、自陣へと帰投して――

ご案内:「ハテグの主戦場」からイグナスさんが去りました。