2017/07/17 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にハンさんが現れました。
ハン > 戦が終わったばかりの戦場へと道士はやってきた。
大地は朱に染まり、周囲は死体が至る所に転がっている。

「いやいや、死にも死にたり……といったところじゃのう」

道士は背負子を下ろせば、紙と木を取り出して観音開きの扉を組み合わせる。
そしてまだ閉じられている扉の前に立てば、懐から黄金色の鈴を引っ張りだして鳴らす。
鈴の音の節に合わせ、道士が口を開いた。

「お主らはすでに事切れておる。今は迷わず冥府に向かい、裁きの後に新たなる生を得る道を選ばれよ」

死者の霊が続々と集まってくる。
ある程度集まったところで道士は扉をあけた。
不思議なことに扉の奥は光に満ちており、霊は安らかな顔で光の中に溶けていく。

「これで無事に済めば良いのじゃがのう」

戦場は大勢の恨みが溜まる場所だ。
恨みは霊を悪霊へと変える。
できるだけ恨みに感染する前に霊を導きたかった。