2017/06/06 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にウィルバーさんが現れました。
■ウィルバー > 隣国と王国軍との合戦の最中。
流れ矢がギリギリ届くかどうかの微妙な距離で手持ちサイズの望遠鏡を手に戦場を眺めていた。
太陽はまだ真南の位置で煌々と光輝いているので、僕は大きな木の陰に身を隠していた。
「第1射、大きく反れる。 第2射、命中。 第3射、砲身の損傷により発射できず。 これ、砲身そのものを作り直す必要あるかもね。」
僕の周辺には、以前試射実験を行っていた大砲をもう少し大きくした物が 一門。
魔力の装填速度は術式を書き直すことで実用的なレベルに向上し、威力も申し分ない。
事実、相手方の陣地に上空から巨大な火球を落とし、混乱に乗じて王国側の軍勢が包囲攻撃をかけている。
戦そのものは大きな損害も出さずに勝利できるだろう。
「はぁ~~、こんな暑い場所に顔を出すのも疲れるね。」
観測の仕事を終えたので、僕は木陰に座り戦の成り行きを見守っている。
戦闘要員ではないものの、この重たい荷物を運んでもらうには兵士に声をかける必要があるからだ。
■ウィルバー > はるか前方では、戦の音が響くが、僕はわれ関せずにと木陰で寝転がることにした。
戦況はもう体勢が決していたし、砲身が壊れてしまっては僕にはどうすることも出来ない。
そもそも、僕はどうも荒っぽいことは止めた方が良いようだ。
加減が上手く取れない。 それは昨日の夜に学習した。
緊急事態とはいえ、敵兵の身体を文字通り貪り食らう魔術師なんて、どうみても社会的な死しか起こらない様に思える。
「物理的には死なないんだけどね~~~~。」
草の上でゴロゴロと、自然の感触を満喫している。
■ウィルバー > 突如、空を切る音がする。
気が付くと、僕の頭の真上を矢が飛んでいた。
こえぇぇぇぇ!! ここまで届くのかよ。 撃ったの誰だよ。
寝ているどころではなくなったので、大樹の後ろに身を隠しながら顔だけ覗かせる。
土ぼこりが凄まじく、どこから撃たれたのかは最早わからない。
「早く終わらないかなあ。」
まともな反撃すら出来ていなかった相手の部隊が、組織的な反攻に繰り出していた。
砲で点けた火はいつの間にか鎮火されている。
優秀な指揮官がいるようだ。
まあ、3発撃つ予定が1発しか撃ててないしなあ。
■ウィルバー > もうしばらく樹の後ろから戦況を見守り、落ち着いたら残った兵士達と合流して城へと戻ろう。
こっちの部隊が負けてしまったら? その時はその時だ。
ご案内:「ハテグの主戦場」からウィルバーさんが去りました。