2016/12/22 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 戦争は今も行われている。
終わりの見えないそれは、今でも血と涙と命を零している。
そんな場所に居るのは、身元の怪しい全身鎧の男。
ギルドに頼れない、身分を提示するものもない、しかして金が要る。
そう言った者が選ぶとすればこういった傭兵の道であろうから、いて当然とも言える。
誰もが叫び
誰もが憎しみをぶつけ。
誰もが、命を奪う。
そこに違いはなく、ただただ闘争と逃走が繰り広げられている。
仮面の男は槍を片手に、走る。敵陣の中を走る。
男に課せられた役割はなく、人数合わせでしかない。
一人でも多くを敵を倒せ、その指令には戦術も戦略もない。
正規軍でもない傭兵に期待するのは、頭数合わせだから当然でもあろう。
だから、目立つように一人で敵軍の中に走り込み、鉄の槍を振るう。
大きく振り回せば面白いように人が倒れていく。
倒れたところに槍の穂先で首を貫く。
槍の技術ではなく、鉄の塊を振り回しているといって良いだろう、粗雑な動き。
■ゼロ > 振り回す。
叩き潰す。
突き殺す。
作業のような行動は、暴風のように続けられていく。
倒せば、殺せば、その分報酬ははずむと言われている。
男が動きを止める頃にはその大隊は壊滅していた。
そして、少しだけ困ったな、と思う。
さて、これだけの戦果をどう報告したものだろうか。
人の首を持っていくというのは、まあドン引きものだし、保存も面倒くさい。
そもそも、一人で大隊分の首を全部を持っていくこともできまい。
耳であれば小さいが……現実的な分量じゃなくなる。
こういう時は、正規軍の誰かを連れてきたほうがよかっただろうかと思うものの、そんな伝手はない。
結論 殺り過ぎはいけないネ。
まあ、ひとつの部隊がまるまる消滅すれば、斥候か何かが来るだろう。
その時に報告をすればいいのだろうし。
敵の斥候なり、増援なり来れば、その時対応すればいいだろう。
とりあえず、休憩、とばかりに男は槍を地面に突き立て、くるり、と周囲を見みる。
未だ、近くから、遠くから怒声だの罵声だのいろいろ聴こえてくる。
■ゼロ > サボっているように見えるだろう。
サボってるつもりはない。
報告の方法が分からずに途方にくれているのである。
しかし、このままでいれば、他から見ればサボっているように見えるだろう。
超、どうしよう。
ここから離れて戦いに行ったほうがいいか。
むしろ傭兵なんだしそういう方がいいのかもしれない。
今回自分の配置された傭兵部隊に自分の動きについてこれるのがいなかったのが失敗だったのか。
もしかしたら別の依頼、確か洞窟探索だったかなにかか。
そっちに行ったほうがよかったのかもしれないと思っても今更な話である。
報告に戻ってもいいけれど、洗浄は少し移動して少し離れている。
幾つか考えられる方法。
1・過小報告して別の依頼にする→報酬安くなるけどすぐ動ける。
2・ちゃんと報告する→信じてもらえないとお金もらえない&次の仕事心配
3・過小評価しつつ次の部隊倒しに行く→割に合わねけど、すぐ動ける
あれ?これ詰んでね??
■ゼロ > 結局の話。
3・過小評価して次の部隊に
にすることにした。
理由は、今回は損をして繰り返して信用を勝ち取っていくしかないなと思ったから。
そのうちちゃんと評価してもらえればいいや、今は装備の維持と、薬代さえなんとかできればいいだろう。
最初はそんなものだ。
そうと決まれば、少し多めにだけ耳を切り取り、袋に詰める。
そして、編成された舞台のいる方角へと走る。
戦争は終わることがない。
終わらなければ食い扶持を失うこともない。
それだけが、今のところの安堵というべきなのだろう。
そのために作られて、その技術しか、今はないから。
乱戦の中に、白銀が乱入していくいき、人の塊の中に消えていく。
ご案内:「ハテグの主戦場」からゼロさんが去りました。