2016/11/09 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にアケロンティアさんが現れました。
アケロンティア > 細く焼けた枝木に両腕両足を絡ませてカメレオンのようにじっとして、目を丸く開かせて口を閉じ、特別な感想はなさげに周囲を眺めている。燻る火と人の成分で温められた風が髪と襤褸衣を煽って。足に貼りついた衣の脇を捲って若年齢の木の幹に似たまっすぐな腹が露出して、汚れもないのを確認次第、風は衣を翻げて戻し。
誰が助けを求めていようと、人数の多さゆえ顔の判別はつかずに興味を覚えはせぬ状態。人がするように目を瞬いて、掴まる木を抱き締め耳を宛がい木の葉の燃え残りを探す動作。

「ふわ。人が黒い」

アケロンティア > 「燃え滓と斃れたのはひと。
タールまみれで勝ったのは、真っ黒い悪いやつ。ふふっ」

どこかで剣の切っ先が、この荒れ地に不似合いな眩しい輝きを弾いたので驚いて足が狂って木からぶら下がってしまうが、両腕を交差させた木が一箇所の力点で重たくしなり、焼ける泥砂に足の指先が着地して。
有象無象に地面から沸く腕が、地獄の使者じみてさらに狩る肉を求めて彷徨っているが、煤まみれで微笑む人蜘蛛の匍匐前進を見ると多少足が竦む思いがす。

アケロンティア > 匍匐前進で狙いを定めて這い寄る者が、牙を剥いてもこちらは動じる気配がない。植物などとよく似た気持ちでいる。

「わあ。吸水されそう。」

素直な感想が自然物に着彩を加えた程度の唇からこぼれ。白い皮膚が肘の内側へ深い皺を作り、木に腕を食い入らせたが、やにわに目を細ませ無邪気に微笑み状況を楽しんで。
背中と足が肉感的な蜘蛛人が果てたのを皮切りに、眠るように瞼をこわい茨毛で覆い、まなこを隠して世界から一旦己の生気を外して薄い存在と化し。木にぶら下がった襤褸布が棚引いているのはどこででも見られる光景で一箇所を探そうとしても難しいだろう。

ご案内:「ハテグの主戦場」からアケロンティアさんが去りました。