2016/08/01 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にリリアさんが現れました。
リリア > (――最早見ていられない。初めてあった時は、強くなってこの国を守るのだ、と。貧しい人たちも安心して暮らせる良い国を作るのだ、と息巻いていた可愛らしい兵士であったのだが・・・力を得て、権力を得た今はどうだ。必死に最前線で戦っていた時の意思も、引き締まった身体もなく、無駄にきらきらと目立つ勲章で飾り付け、すっかり前線に出なくなった身体は代わりに出席するようになったパーティーで肥え太り、自分より上のものには媚を売り、下のものには威張り倒し、力にものを言わせ、若い兵士の功績すら奪う始末だ。欲望に忠実なのは良い。勲章で飾るのも好きにすればいいだろう。しかし――アレはよくない。若手に最前線に突撃させ、自分は後列でふんぞり返り、配下の功績を奪う。これで、いざというときはかっこいいところを見せてくれたらまだ許せる、と思い眷属の魔族をけしかけたのだが・・・過去の栄光は既になく、剣を持ちながらもへっぴり腰で最早戦うことさえままならない様子だ。)

――もう、あの子いらない。

(そんな、かって目にかけていたこの陣地の司令官の住む無駄に豪華にかざりつけられたテントを見下ろし、満月が見下ろす夜の中吸血鬼は降り立つ。美しかった魂を黒く染め、外道に堕ちた 醜い 人の子を、屠殺する為に。一時でも、目をつけていた情けだ。せめて、私の手で殺してあげよう――。そう決意し、吸血鬼はその小さな、しかし無駄に豪華に飾り付けられた野営地に侵入する。野営地を守る兵士にも魅了をかけて、何事もなくその場に入り込む。くすり、と小さな笑みさえ浮かべてその歩く姿はただ、懐かしい友人に会いに来た。そんな様子で・・・。)

リリア > (――悠々と、吸血鬼は凱旋する。目的のテントへたどり着けば、流石に顔見知りだ。その堕落した指揮官からは歓迎するような声を受けるだろう。吸血鬼は、ふぅん と、周囲を見渡した後・・・侍らせた女性たちを一瞥し・・・)

――寝てなさい。

(そう宣言し・・・魅了の魔眼を発動させた。侍らせる女性は騎士でもなんでもなく・・・ただ、見目が麗しいだけの女性だ。多分、娼婦か何かだろう。それはあっさりと彼女たちの身体に浸透し、そのまま とさり、とその場に倒れこむように眠ってしまうだろう。そうなれば、あとは簡単だ。最早戦う牙を失ったその指揮官に、槍を突き刺し首を撥ねるだけ。しかし、まぁそれではつまらない。やはり、ここは吸血鬼らしく爪を突き刺し、その血液と体液を奪ってゆっくり、とその生命の灯火を奪うとしよう。)

――ねぇ、レオナルド。私、初めて会った時にいったはずですよね。 ・・・魂の醜い子はいらない、って。

(そう最後に彼に語りかけて・・・彼から全ての血液を、体液を、魔力を奪い・・・豪華に飾られた椅子に彼であったものを・・・骨、だけを残して討伐を完了しよう。)

さて、と・・・。

(・・・正直、色々恨みを買っていたようであるし、自分が直接手をくださなくても誰かに暗殺でもされていたかもしれないが。あとは、適当に人払いの魔術をその場に刻んで、軽く時間稼ぎでもしつつ・・・ふらり、とその野営地から外に出て戦場でも軽く見物してみようか。あの子は堕落してしまったが、もしかしたら将来が楽しみな原石がその辺りに転がってるかもしれない。最前線から少し離れているのが残念だが・・・帰るにしても、少し見物してからにしようか。)

リリア > (しばらく、その辺りをうろうろと自由気ままに歩いてみたが・・・目につくようなものはなく、そのまま何事もなく帰っていったそうな。一つの、遺骸だけを残して。)
ご案内:「ハテグの主戦場」からリリアさんが去りました。