2016/03/14 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍幕営地」にスヴェンさんが現れました。
スヴェン > 王国軍が陣を張る丘の直ぐ側
年中、周辺諸王国と小競り合いを繰り返すこの地は近隣から集まったマグメール王国の諸侯の軍勢や傭兵、
それらに食事や娯楽を提供する屋台に娼館、捕虜の売買を行う人買い、更には敵国の貴族を捕虜とした際に
敵国側と身代金などの交渉を行う仲介人まで凡そ戦争に必要なものが揃い、小さな村を形作っている

戦争を生業とするあらゆる人間がごった返す中、部下を3人ほど引き連れ、木陰に陣取り行き交う人々を眺めては、
酒の肴に『アイツはティルヒアでも見かけた』だの、『王国側のとある男爵は寝返るらしい』だの、どうでも良い
話をしている部下達のうわさ話を聞き流しつつ、自分は良い女でもいないだろうか?いないよな…なんて思いつつぼんやりと
行き交う人を眺める

スヴェン > 『大将はどう思いますか?』
通りかかった貴族の子弟が腰に下げていた短剣が美しく眼を引く…機会があれば、奪ってやろう、等と考えていれば
不意に部下から質問が飛んでくる…話は確か、先日、王都からやってきた新しい指揮官の話だったか?
じっくりと腰を据えて構えるタイプらしいが、これがまた評判が悪いらしいとの話であった
まず決断が遅い、攻めるのか、守るのか、ハッキリとしないうちに敗走する敵をまんまと取り逃がすだとか、
敵側の攻勢が増しても功名心に囚われたのか、中々引こうとせず手痛い逆撃を喰らい、殿を任された知り合いの
傭兵部隊が損害を被ったという

「半月もすれば、王都からお呼びがかかるんじゃないか?
もしくは、過労で倒れて護送されるとか?
「最高」なのは流れ矢にあたって死ぬ…戦場ってのはこえーよ、矢が飛んで来るのが前からとは限らねえもの」

陶器のグラスに手酌で安ワインを注げば、喉を潤す
酷い味のワインであったが、戦場ではそう贅沢も言ってはいられない
通りがかった金髪青眼の娼婦が此方に気がついて手を振れば、杯を持った手を軽く上げて返事を返し
巨人族の血が混じっているらしい2m程もある部下の杯に安ワインを注いでやると黙ったままぐい、と一息に飲み干した
全然、酔わないな…コイツ、とほくそ笑み、全部やるよ、と瓶ごとワインを渡してやり

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍幕営地」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 王国軍側の陣営の頭上を、大きな影が通り抜けていく。
空を見上げれば普通の隼より遥かに大きなそれが、翼をひろげて飛翔しているのが見えるだろう。
陣営の少し外側、傭兵達からもそう遠くない場所。
そこに旋回しながら降り立つと、その背中にしがみつくように騎乗していた少女がぴょんと飛び降りる。
風除けのゴーグルを外すと、青く丸い瞳があらわとなり、疲れたねと隼に苦笑いで語りかけながらゴーグルをポーチにしまっていく。
そこへ地図を持った王国の兵士が近づいてくると、差し出されたペンを受け取り、じっと地図を見つめる。
攻め込んできそうなところを偵察に出たのだが、やはり地上から探るより、頭上から広く見通せばいろんな情報が入る。

「こことここ…ぁ、ここも見たことがない人達がいましたよ」

説明しながらチェックを入れていくと、兵士はお礼とともに立ち去り、久しい偵察業務は終わり。
ぐっと背伸びをすると、右に左に体を傾けて細い体のこりをほぐすと、かかとを地面につけて使役獣へと振り返った。

「喉乾いたな~…何か飲んでくるね、ザムくんもお腹すいたでしょ? また後でここで待ち合わせね」

いい?と隼に問いかければ、少女にだけ聞こえる思念の声で承諾を返すと、翼をひろげて何処かへと飛んで行く。
ちょっと獣がいそうな場所まで移動し、鳥らしく狩りをして腹拵えをしてくるそうだ。
いってらっしゃいと隼を見送ると、どうしようかななんて呟きながら陣営の中央へ向かって歩いて行く。

スヴェン > 『王都に召還に200』
『ストレスで倒れるに240…大将は?』

どうして、自分まで金を賭ける事になっているのか?
そうさなあ…と気のない返事をしながら、頭を掻きつつ、素焼きの瓶から直にワインを飲む、巨体の男を見る

「…じゃ、コイツと俺は名誉の戦死に2人で400…ほら、お前も出すんだよ」

どうして俺まで…と巨体の男のつぶらな瞳が言っている
渋々、といった様子で金の入った革袋を出せば、よしよし、と頷きながら自分も同じように200ゴート払う
部下に金を一時的に預けて当たった奴が総取り、とルールを定める…仮に誰も当たらなかったらどうするか?
とルール決めが白熱すれば、薄茶色の波打つ髪を揺らしながら歩く姿が見え…

「お前ら、程々にな。少し用事が出来たから行くわ…」

と彼らの元を後にする
背後から『女ですかい?』だの『司令官をやっちまうてのはナシですぜ?』とか聞こえるがひらひらと片手を振って
駆け出せば戦場には不似合いな小さな背中を見つけ出し、ぽん、と軽く肩を叩くべく手を伸ばした

「リズ、リーゼロッテ…お茶汲みの」

仲間内で話をする際、少々母国の訛りが入る所為か、若干聞き取りづらい声で彼女の名前を呼んでしまうと
直ぐ様、言い直し彼女が振り返れば、この前は助かった、と笑みを向けるだろう

リーゼロッテ > 視線に気付かぬまま、急ごしらえに作られた酒場へと進んでいく。
といっても酒やら食事やらを出すだけで、席もなければ屋根もない。
外に必要最低限に作られた補給所といったところか。
またオレンジジュースとか頼まれたら、嫌な顔されちゃうのかななんて、苦笑いを浮かべていると肩を叩く感触に気付く。

「ぁ、スヴェンさん! お久しぶりです」

振り返った先には王城で出会った青年の姿があり、驚き目を丸くしてから微笑みを浮かべる。

「いえいえ、大した事してないですよ? こちらこそお菓子ありがとうございました」

緩々と頭を振って微笑むと、こちらも軽く頭を下げてお礼を返す。
酒場の娘たちにお土産と持って返った時は、皆大喜びだったのが蘇り、一層笑みが深くなる。

「今日もお仕事……ですよね?」

戦場近くの野営地なのだから、観光というわけではないだろうしと思えば、確かめるように問いかけてから苦笑いをこぼす。

スヴェン > 食料などを兵士や傭兵などに売る酒場の前でようやく彼女を呼び止めることが出来た
振り向いた少女の浮かべる微笑みは戦場に似つかわしくない穏やかなものに見えれば自然と此方の表情も緩む

「元気だったか?城では本当に世話になったな…
残念ながら仕事はひどい失敗だったが…」

肩を竦めて苦笑してみせると酒場の店主に、此方のお嬢さんに何か飲み物を、と注文して代金を台に乗せる
お菓子のお礼をされれば、どうせ残しても捨てられるだけだろうし、気にするな、と笑ってみせた

「ああ、しばらくは王国勢だ。
と言っても今は、出撃待ちで部下と一緒に腐ってたトコだが」

はいよ、とタイミングよく店主がレモネードを満たした素焼きのジョッキを差し出せば、それを受け取り
まずは一杯やってくれ、と彼女に差し出す

リーゼロッテ > 最初の問いにはこくこくと頷いて肯定していると、失敗の話を耳にし、それは…と表情が曇っていく。

「残念でしたね…で、でもまたいいことありますよ…!」

心の中で、多分 と言葉を重ねないと言えないところではあるものの、前向きな言葉をかけた。

「敵同士じゃなくて良かったです…。 先程偵察のお仕事をしてきたんですけど、多分戦うとしたら…こう、色んな所で小競り合いになるんじゃないかなぁって」

差し出されたレモネードを、ありがとうございますと笑顔で受け取り、つい先程の情報を彼に伝えていく。
ジョッキに口をつければ、両手を添えたジョッキを傾けてコクコクと喉を鳴らして潤していく。
かなり喉が乾いていたらしく、はふぅと落ち着いた様に息を吐き出すと、先程の話に戻る。

「ザムくんとお空から見てきたんですけど…回り込もうとしたり、不意打ちしようとしたり、分散?というんでしょうか、そんな感じでしたし」

全体的に突っついて摩耗と不意打ちを狙うような動き、それを少女なりの説明で伝えていく。

スヴェン > 次第に彼女の表情が曇っていけば、眼を丸くした
続いてからから、と愉しげに笑いだせば彼女の波打つ髪に手を伸ばしてわしゃり、と撫でようとし

「リゼが気を落とす事ではないだろ?
それともアレか?君は戦場の勝敗を左右する女神か何かなのか?」

ぽふんぽふん、と触れることが叶えば遠慮無く撫でながら一頻り笑えば手を引いて
彼女の仕事の話に耳を傾ける。ほう、と腕を組み酒場の台に寄りかかりながらコクコク、と時折頷き

「何時でもここはそんな感じだな…小競り合い程度じゃ大した稼ぎにもならん…
王国から来た新しい司令官の評判も悪いし、今しばらくは此方から大攻勢するってことにもならんだろうって
陣中じゃみんな話してるよ」

彼女がこくこく、とジョッキを傾けレモネードを煽るのを、美味いか?なんて聞きながら眺めていれば、
自分も喉が乾いてきたような気がし、ジョッキに入ったエールを注文して

「分散しているうちは、まず問題ない
こっちは本国も近いし、食料やら武器も王都からバンバン輸送してくる
諸王国の連中は補給線が王国より長いからそこがネックだな…長引けば不利さ」

自分も注文したジョッキが手元に来ればそれを傾ける

「…そんなことより、リゼ
あんまりこの辺ウロウロしないほうが良いぞ?娼館もそこいらにあることはあるが、金のない連中もいる
お前さんとこの組合に言って護衛の1人もつけてもらえないのか?」

自分も傭兵の身であるが、彼女のような少女が飢えた男たちの手慰みになるのは気分がよろしくない
そんな気性の持ち主であったから忠告、というよりはアドバイスを彼女に告げて

リーゼロッテ > 楽しげに笑う彼の意図が分からず、きょとんとしたままその様子を見上げていると、相変わらずに猫毛の様に柔らかくさわり心地のいい薄茶の髪の感触が彼の手に返るだろう。

「でも…ぅ、そ、それは違い…ますけど」

大人しく撫でられながらも、彼の言葉に肯定はできなかった。
ただ、あの後の交渉やらが上手く行かなかったというのであれば、やはり残念に思えてしまうもので苦笑いを浮かべてしまう。
一気に半分ぐらいまで飲んでしまうと、問いかける言葉に美味しいですと微笑み、頷いていた。

「そうでしたか~……何時もとは違うルートみたいなことは言ってましたけど、これぐらいならどうにでもなるみたいなこと、兵士さん達もいってましたし」

確かに遠征となれば、なるべく早い内に叩かないと補給がままならなくなる。
自国で戦ったことのある少女も、補給のラインが曖昧だととても苦労するのは身にしみて知っているので、このままだと向こうが引くか引かないかの我慢比べにも感じた。

「え? なんで……」

不意の注意を促されると、何故かと首を傾げてしまうも、内容に理解すればなるほどと頷きながらも、くすっと微笑む。

「ありがとうございます、でもここで悪いことしようとすると…大変なことになっちゃいますから。ここの娼婦さんの一部とか、装備の修繕に来てる人とか、見回りの人とか…色んな所にうちの組合員さんがいるんです。私達の組合って、裏方のお仕事が多いんです」

補給、設営等など、兵站に関わる部分を担うことが多いため、監視の目が自然と多い。
それに…と言葉を重ねると彼に近づいていき、彼の胸板に触れようとする。
届けば目を閉ざし、使役獣との思念通信へと集中させる。
届けばどこからともなく肉を食いちぎる音がいくつも聞こえるだろう。

スヴェン > 柔らかな感触が手に変えれば一瞬、ここが最前線だという事を忘れてしまいそうになる
ふんわりと手触りの良い髪を一頻り撫で回せば、手を降ろして開放し

「交渉は巧くいったがな…俺達が包囲された砦に物資を運び入れようとしたら
入れ替わりに俺らが突破した包囲の隙からの指揮官が逃げていってしまってなあ…」

事の顛末を掻い摘んで話していれば彼女の苦笑いに気がつき、もう一度、手を上げれば
「そんな顔をするんじゃあない」と苦笑しながら頬を緩く摘もうとした
そもそも、連戦連勝なんて英雄でもなければ無理に決まってるだろ?なんて笑って見せ

「その辺は正規軍でも斥候を出したり、俺らも小勢追っ払うために駆りだされたりするから、心配するほどじゃない」

と、言うような互いの話せる範囲での仕事の話や情報交換をしつつ時折、エールの入ったジョッキを傾ける
たいして旨い酒でもないが、そんな話をしつつ喉を潤す程度には十分である

「それじゃあ、リゼを引き止めてこんな事してたら怒られてしまうかな?
これで娼婦の連中に相手にされなくなったら明日から困ってしまうな?」

彼女の話を聞けば、そうか、と一応は安心した様子であった
更には彼女越しに肉を食らう大型獣の咀嚼音が聞こえてくれば、眼を細めて

「もう、立派な護衛が付いてるようだな…これは要らぬお節介をしたようだ」

自分の髪をくしゃり、と撫でれば声を出して笑う
そうこうしている内に巨躯の男がぬらり、と現れ此方に顔を見せれば、おっと…と手に持ったジョッキを店主に返し

「そろそろ、行かなければ…悪いなリゼ、部下が呼びに来た」

す、と現れた巨躯の男を指差せばそう告げ

「それじゃあ、またなリーゼロッテ…次に合う時まで、ちゃんと良い子でいるんだぞ?
…―――そうだ1つ面白い予言をしてやる
新しく来た指揮官な?あれは、10日のうちに死ぬぞ?
誰にも言うなよ?リゼだから「教えて」やったんだからな?」

不穏な予言を残しつつじゃあな、と手を上げれば彼女に頭を下げた巨躯の男に近づいて雑踏に背中が消えていく

リーゼロッテ > 「それは…お気の毒にといいますか、スヴェンさん達がわるいわけでは…」

逃げた指揮官が悪いのではと思うものの、戦う怖さも知っているので、強くは非難できず。
頬を摘まれると、柔らかな頬はぷにっと伸ばされ、頬を介抱されれば痛いですとムスッと子供のように拗ねてみせる。
やはり、このぐらいの規模の戦いだと、大きな変動はなさそうと彼の言葉に頷いていた。

「ぁ、いえいえ…私はザムくん…大きな隼に乗って偵察しに見て回るのがお仕事でしたから。もう終わりましたし」

大丈夫ですと頭を振って見せれば、続いた冗談っぽい言葉にクスクスと微笑みながら、改めて大丈夫と告げる。

「そんな意地悪しないですよ? 皆いい人ですし、お菓子をお裾分けした娘も中にはいますし」

だから大丈夫と言葉を重ねていく。
それから使役獣の声を聞かせようと思ったのだが、お食事中だったらしい。

「いえいえ、何時もならザムくんが側にいるんですけど、この通りお食事中だったので」

だから一人なのだと説明しつつ撫でられ、微笑む。
巨躯の男が現れると、その大きさにビクッとするも、大きいと驚きのままに男性を見上げていた。

「ぁ、はい! お仕事…がんばってくださいねっ」

これから何かあるのだろうと思えば、労いの言葉をかける。
相変わらずの子供扱いな言葉には、もぅとすねたような声を上げるも、眉をひそめて笑う辺り怒ってはいないのだろう。

「ぇ、なんで…? ぅ、ぁ…はい、内緒です」

何故そんなことが分かるのかと思いながらも、口外しないと約束していく。
巨躯の男が頭を下げれば、こちらもペコリとお辞儀をして二人を見送る。
心の中に残った不穏な言葉がざわつき、少しだけ不安になると組合員がいる場所へと落ちかせようと少女もこの場を去っていくのであった。

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍幕営地」からリーゼロッテさんが去りました。
スヴェン > 彼女の頑張ってくださいね、という声を背中に受ければ、ひらひら、と振り向かぬまま手を軽くふる

「いい情報を聞いた敵の小規模集団が奇襲を狙ってうろついてるらしいぞ?」

彼女から知り得た情報を男に話ながら雑踏に紛れて何やら会話しつつ消えていくのだった

―――後日、新しく配属された指揮官が前線視察の為、軍を率いている最中、出くわした敵軍と戦闘状態になり
戦死する、という報が王都へ届けられた

先導していたのはある傭兵部隊でそれらが指揮官の無能を嫌い暗殺したのではないか?という噂が実しやかに囁かれたが…
真実は男の懐にある革袋の中の420ゴートのみが知っていた

ご案内:「ハテグの主戦場 王国軍幕営地」からスヴェンさんが去りました。